JOHA16 自由報告部会・大会校企画テーマセッション報告要旨

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会1(戦争・移民)

1-1 米軍占領と復興に奪われた故郷「金武湾」区―子ども世代による記憶の共有と社会化
謝花直美(沖縄タイムス記者)
 本報告では、沖縄戦後に軍用地となり未解放だった那覇市に戻れなかった人々が集住した沖縄島中部の「金武湾区」の発生から隆盛、衰退の歴史を明らかにし、当事者の記録活動を通して、記憶を共有し社会化しようという試みと米軍占領の影響を考察する。
 沖縄島中部の旧具志川村に戦後誕生した「金武湾区」はデパートや劇場があり、戦後復興の象徴として知られた。那覇市での生活再建を求めた大人にとっては通過地点でしかないが、子ども時代を同区で過ごした現在70~80代には故郷であり、喪失感を抱く。米軍の土地接収は金網の中に多くの集落を奪ったが、その過程で、社会の記憶から忘れられていった「金武湾」区がもつ意味を論じる。

1-2 戦時体制下台湾における集団疎開―台北師範学校女子部の集団疎開体験者の聞き書き調査を事例として―
佐藤純子(東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士課程)
 1943年戦況が悪化していく中、疎開に関する実施要綱や促進要綱が日本政府により次々に打ち出されていった。台湾においても例外ではなく官庁や工場、建物の疎開に留まらず、児童・生徒の集団疎開も実施された。台北師範学校女子部も空爆からの避難を余儀なくされ、1945年6月から約半年間、台中州(現在の南投県)に集団疎開を行った。本報告は当時女子学生として、その集団疎開を実際に体験した今年満90歳になる台湾在住の生存者2名に聞き書き調査を行ったものである。当時の記憶を疎開政策や回想録などの文献と照合しながら、終戦目前の統治下台湾における集団疎開の一事例の検証を試みた。

1-3 中国残留日本人女性のオーラル・ヒストリー~移動・家族・従軍看護婦を中心に~
竹原信也(奈良工業高等専門学校)
 本報告は、戦後・満州で八路軍に従軍看護婦として留用され、10年にわたり中国国内を転々とした女性のオーラル・ヒストリーである。彼女は中国・済南の日本人居留地で生まれ、満州・女学校時代に挺身看護隊として学徒動員された。終戦後は八路軍に従軍看護婦として留用され中国国内を転々とした。本報告では帝国主義的拡張や戦争といった社会的な出来事に翻弄されながら家族や居住地、職業や立場が転々としていく彼女の体験を「帰国」後の生活も含めて報告する。日赤看護婦を中心とした八路軍従軍看護婦史や日本から満州への移住者を中心とした中国残留日本人史では捉えきれない彼女の体験がどのような意味を持つのか。近年注目されるトランスナショナル・越境研究や近代東アジアの女性移民研究の切り口を参考にしながら考察する。

1-4 ドミニカ日本移民のライフストーリー―記憶の語り―
森川洋子(明治大学教養デザイン研究科博士後期課程)
 口頭で話を聞くことの意義の一つは、大きな歴史の流れの中で見過ごされがちな名もなき移民の人たちの声を掬いあげ、個人の抱えている問題をこまやかに掘り下げて、時代と社会の変化との関係で考察することにある。ドミニカ日本移民については、国家賠償訴訟にまで発展した戦後最悪の移民問題として注目されたため、国家の政策と責任に関する問題に集中しがちである。本報告では、「棄民」と言われて訴訟にまで発展した移民物語とは異なるドミニカ移民の経験の解釈もあることを明らかにする。ドミニカ日本移民の高齢化にともない記憶や記録が散逸しつつあり、どのようにドミニカ体験を語り、その記憶に向き合ってきたについて貴重な手がかりとなると考える。

1-5 福井県の戦傷病者の家族のオーラル・ヒストリー
藤原哲也(福井大学学術研究院医学系部門)
 本報告では、福井県の戦傷病者の家族(妻)の聞き取りを通じて、彼女たちの福井県傷痍軍人会・妻の会の活動への参加状況や生活実態を明らかにする。報告者は平成23年から現在に至るまで福井県下での戦傷病者の家族への聞取り調査を実施してきた。戦傷病者の記録に関しては、日本傷痍軍人会機関紙『日傷月刊』や県・地域単位の出版物や手記があり、その中に妻たちの証言も散見されるが、実際どのように彼女たちが傷痍軍人会や妻の会に関わってきたのかなど不明な点も多い。聞取り調査から彼女たちは戦傷者の配偶者として介護から会の運営まで多様な役割を担ったことがうかがえる。彼女たちの視点から戦後社会における戦傷病者とその家族について考察する。

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会2(運動・労働)

2-1 脱毛症当事者コミュニティの運動史――あるカリスマ的女性を中心に
吉村さやか(日本大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程)
 近年、脱毛症当事者コミュニティの運動が活発化している。その背景には、例えばセクシュアル・マイノリティなど、これまで社会的に不可視化されてきた人びとによる運動と同様に、髪の毛がないことによって生じる「生きづらさ」は個人的な問題ではなく社会的な問題であると、「声」をあげる当事者が増えてきたことがある。
 このような当事者自身による主体的な運動は、1990年代に萌芽していた。本報告では、その運動史を紐解く一端として、黎明期においてカリスマ的存在とされていた、ある当事者女性のライフヒストリーの検討を行う。その作業を通して、当時、彼女はどのようにしてクレイㇺを申し立て、運動を牽引していったのかを明らかにしたい。

2-2 元自衛隊員のオーラルヒストリー:調査の意義と難しさ
松田ヒロ子(神戸学院大学現代社会学部)
 本報告の趣旨は、自衛隊研究におけるオーラルヒストリー調査の重要性と、その調査を遂行する難しさ、さらに調査で得られた記録を学術資料として活用することの意義について論じることである。報告者は、2015年頃より自衛隊の社会史的(あるいは歴史社会学的)研究に取り組んできた。創設期自衛隊(警察予備隊、保安隊含む)の民軍関係を研究するために、2017年1月から12月にかけて、全国20道府県に在住する元自衛隊員40名に対してオーラルヒストリー調査を実施した。インフォーマントは全員、1950年代から60年代に陸上・海上・航空自衛隊で勤務した男性である。個人的に自衛隊と全く縁のなかった報告者が、どのように調査対象者とコンタクトをとり、調査を実施したのかプロセスを紹介しつつ、得られた口述資料の一部について検討を加えたい。

2-3 ソ連期ウズベキスタンにおける手工芸の社会主義的生産体制と女性の労働経験:元工場労働者への聞き取り調査から
宗野ふもと(筑波大学人文社会系特任研究員)
 本報告は、ソヴィエト連邦時代(1924年~1991年)の中央アジア、ウズベキスタン南部の地方都市に存在した、民族帽子や絨毯を生産する「フジュム」芸術製品工場に着目する。そして、工場で働いた女性への聞き取り調査に基づき、ソ連時代にウズベキスタンの女性が経験した社会主義的近代化とはいかなるものだったのかを考察することを目的とする。「フジュム」芸術製品工場は、「女性解放」の理念のもとに1928年に設立され、1970年代には約2000人の女性労働者が働いていた大工場であった。本報告では、まず「フジュム」芸術製品工場の設立と拡大の経緯を公文書館資料を用いて明らかにする。第二に、元労働者の語りを紹介しながら、彼女たちにとって社会主義体制の下での労働がいかなる経験だったのかを考えてみたい。

2-4 生きている過去:草創期インドネシア地方社会の集団的暴力の語りと現在
山口裕子(北九州市立大学文学部)
 本発表では、草創期インドネシア最大の分水嶺となったクーデター未遂とされる「9月30日事件」のあとで、共産主義一掃の旗印の下での集団的暴力にさらされた地方社会の動態とその今日的意味を、当事者の語りに基づき考察する。特に一連の出来事から50年余りが経過した今日、その過去が想起され語られるモメントや、民主化とともに形成されつつある当時をめぐる集合的記憶からは逸脱するようなエピソードや諸特徴に注目する。主体によって制御されない記憶の側面や、語り手を「被害者」「加害者」などの一元的アイデンティティから解放しようとする近年の関連諸分野の成果を参照しながら、人間と過去とが切り結びうる多様な関係性について考えてみたい。

2-5 三陸の突棒漁における困難と漁師の希望―太平洋戦争中~1960年代に着目して―
吉田静(立教大学大学院社会学研究科)
 三陸沖では、船の上から4メートルほどの銛で漁獲対象を突く突棒漁(つきんぼうりょう)が盛んに行われていたが、儲かる漁ではなくなっていくなかで、突棒漁の従事者は減り、小規模な漁のみがわずかに存続している。本報告ではまず、太平洋戦争中~1960年代に三陸沿岸の漁村の突棒漁師が直面することになった突棒漁を取り巻く困難を示していく。その上で、困難な状況を打開するために期待をかけたオットセイ漁への解禁運動に触れ、解禁運動の不結実という結果がどのように受け止められているのかを突棒漁に関わる人びとへの聞き取り調査から明らかにしていく。そうすることを通じて、不結実の結果を追認することや過去へのノスタルジーに浸ることなく、漁師にとっての希望の所在を考察する。

9月2日(日)9:30〜12:00 自由報告部会3(文化・メディア)

3-1 基地内クラブとAサインクラブの実態―本土復帰前後を中心に―
澤田聖也(東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化専攻修士課程)
 復帰前後における沖縄のロック・ミュージシャンの演奏場所は基地内クラブとAサインクラブであった。前者は米軍基地内にある米軍主導のクラブ、後者は基地周辺にある民間主導のクラブであり、両者は沖縄にありながら「アメリカ的体験」ができる特異な空間であった。こうした場所に出入りできる人は沖縄の人でも一部の関係者だけであり、その空間が一体どのようなものだったのかほとんど明らかにされていない。
 本報告では、復帰前後(1960年代半ば~1970年代後半)の基地内クラブと民間クラブで活動していたミュージシャンにインタビューをすることで、2つのクラブのシステムや音楽、契約、環境等を整理し、ミュージシャンの視点から見た演奏空間の実態を把握する。

3-2 ポール・ダンスのオーラル・ヒストリー——セクシー・ダンスからスポーツへ
ケイトリン・コーカー(立命館大学衣笠総合研究機構)
 本発表の目的は、関西のポール・ダンスのオーラル・ヒストリーを作成し、2005年から現在までの期間をポール・ダンス歴の過渡期として明らかにすることである。より具体的にいうと、この間でポール・ダンスは、 ①風俗の職種から一般女性が自分の性やジェンダーに向き合える習い事へ、②セクシー・ダンスから技で競い合うスポーツへ、③女性向けのみの習い事から男性ならびに子供向けの実践へ、と変容しつつである。総合的にこれらは直線的な変容ではなく、ポール・ダンスの多様化である。本発表で、なぜポール・ダンスは実践者および環境によってセクシー・ダンスにもスポーツにもなりうるのかを考察し、国際的な現象の一部分ならびにローカルな現象としてその実践を描き明白にする。

3-3 自然災害と都市文化–岩手県釜石花街に関する聞き取りを中心に–
中原逸郎(京都楓錦会)
 花街は芸舞妓が芸(芸能と同義)と地元言葉による会話で、顧客を楽しませる場である。ところで、岩手県には昭和40年代後半(1970〜)までは釜石、遠野等10花街が存在した。釜石花街には漁業関係者と造船業者が育てた独特な「おでんせ(おいでください)」文化と呼べる接待文化があったと言う。釜石花街と東京八王子花街の交流は、東日本大震災(2011)時に遡る。震災による津波で楽器、着物ほか芸妓(者)業に関わる諸道具を失い避難所暮らしの釜石最後の芸妓に八王子花街の女将が三味線を差し入れたことが契機であった。本発表では震災における釜石と八王子花街の芸と心の交流を振り返る。

3-4 社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究、沖縄返還密約をめぐる『メディアの敗北』の研究
西村秀樹(近畿大学人権問題研究所)
 昨年に続く第二弾の発表(社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究)。本作品(沖縄のローカル局琉球朝日放送が2003年放送)は沖縄返還密約を取り扱ったドキュメンタリー作品である。この事件をめぐっては、澤地久枝『沖縄密約』岩波現代文庫と山崎豊子『運命の人』文春文庫を持ち出すまでもなく、日本の戦後メディア史に記録される大きな事件であるが、その一方で、日本政府の沖縄密約をすっぱ抜いた凄腕新聞記者・西山太吉は国家公務員法(機密漏洩のそそのかし)違反に問われ検察はネタ元の女性外務省職員との間の男女問題に論点をすり替えた。
 土江は長く沈黙を守る西山を説得し番組を完成させた。その成立過程をインタビューした。

3-5 放送史研究における「オーラル・ヒストリー」の考え方と実践的方法論試案
吉田功、広谷鏡子(NHK放送文化研究所メディア研究部)
 放送史研究においては、文書資料や映像・音声に加え、放送の発展に寄与した人々の証言が用いられてきた。NHK放送文化研究所では、関係者の証言を収集し、「放送のオーラル・ヒストリー研究」を数年前から続けているが、その共通基盤となる考え方、方法論については、現在も模索中である。そこで今回は、所内で実施した「オーラル・ヒストリー研究会」での議論をベースに、放送史に適用していくための「オーラル・ヒストリー」の基本的な考え方と、具体的な方法論について報告する。特に、①「聞き取りに際して」の留意すべきポイント、および、②貴重な証言を活用できる記録とするための「保存、整理、活用について」の2点を中心に、実践に役立てるための提案としたい。

9月2日(日)10:00〜12:00 大会校企画テーマセッション「女性の声を聴く」

【第一報告】「東北の農婦(おなご)」の声を可聴化するために:石川純子の聞き書きをめぐる一考察
柳原 恵(日本学術振興会特別研究員PD(立教大学))
 報告者は、東北・岩手におけるフェミニズムのありようを明らかにするために、当地において活動してきた女性たちへライフストーリー・インタビューを行ってきた。語り手の一人である石川純子(1942-2008)は、70年代から「東北の農婦(おなご)」の聞き書きを実践してきたフェミニストである。石川の言葉を借りれば、「東北の農婦(おなご)」は、地域、職業階層、ジェンダーの面で複合的に周縁化された「三重の疎外」にある存在である。本報告では、石川の「農婦(おなご)」への聞き書きを、石川自身のライフストーリーも対象にしながら分析し、沈黙のうちにある女性の声を可聴化する条件や、聞き書きの経験が石川のフェミニズム思想にもたらした影響について考察したい。

【第二報告】 避難の体験に耳をすまして
薄井篤子(神田外語大学他非常勤講師、特定非営利法人埼玉広域避難者支援センター副代表理事)
 2011年3月に発生した東日本大震災と原発事故によって避難した方々に出会い、支援活動の中で少しずつ女性たちに話を聞くようになった。7年が経った今、震災以前の生活、暮らしの中での体験を聞くように努めている。耳を傾けていると、あの日までの「あたりまえの日常」の中で自分がどのように生きてどのようなことを大切にしてきたかを本人が再確認するような瞬間がある。それはまた、離れてしまった故郷の、地域の歴史の一部でもある。語ることと聞くことの中で、<語り継がれること>が浮かび上がってくる。聞き手の私には、それは女性たちが自分自身と故郷の、これからにつながっていくと思える瞬間でもある。女性たちの体験が孤立せず、受け継げるように一人ひとりの話に耳をすませていきたい。

【第三報告】 突如破られた「沈黙」と日常化されていた「圧力」
山村淑子(地域女性史研究会事務局長)
 1978年以降、「あたりまえに生きてきて、何の取り柄もないから話すことはない」と述べた昭和一桁(1926-1935)世代の女性たちとの出会いは、私にとって「あたりまえに生きてきた」女性と戦争の関わり合いを再考する契機となった。交流が積み重なると、「物心ついた時には既に戦争が始まっていた」、「戦争中学べなかった時間を取り戻したい」、「女に生まれたというだけで奪われていた私の人生を取り戻したい」と、個々の「人生」が語られていくようになる。その過程で、突如、女性たちの内心にしまい込まれていた「沈黙」が破られ、同時に、女性たちに「何も話すことはない」と言わしめた日常化された「圧力」もみえてきた。女性たちの内心から表出された「沈黙」と「圧力」を考察してみたい。

オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」

JOHA オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」
<<< 著者とともに『消されたマッコリ。』の舞台を歩く >>>

定員に達したため参加申込は締め切りました(2018.5.30)

ワークショップチラシ(PDF)

 伊地知紀子さんの『消されたマッコリ。──朝鮮・ 家醸造酒文化を今に受け継ぐ』の舞台となった大阪・多奈川地域を、著者と歩きながら、オーラルヒストリー作品化の方法を学び、参加者で話し合います。
同書は、マッコルリ(どぶろく)密造摘発の「多奈川事件」を取り上げながら、地域で差別と共生の歴史を生きてきた人びとの姿に迫る、温かな視点で書かれた魅力的な作品です。関心の発端や、地域のさまざまな方への聞き取り、地元で蓄積されてきた資料の活用など、作品ができるまでの過程の著者のお話は、調査研究・実践活動にすでに取り組んでいる/これから始めたい人にとって、きっと参考になるはずです。

【日時】2018年6月10日(日)13時集合
*昼食を済ませて集合、雨天決行。
【場所】大阪府泉南郡岬町多奈川地域。集合・解散は南海電鉄多奈川駅改札前
岬町観光交流課『岬町ガイドブック』 最終ページに地図があります。
*「新大阪」から約1時間半。特急サザンから「みさき公園」で乗り換えて3駅目=終点。
*駅周辺には当日利用可能な飲食店・コンビニ等はありません。

【講師】伊地知紀子さん 大阪市立大学教員、専攻は朝鮮地域研究・生活世界の社会学・文化人類学。
【参加費】JOHA会員500円(学生他も同額)、非会員1000円
【対象】オーラルヒストリーの作品化の方法や、本書のテーマに関心がある人20名程度
*参加申込み・問い合わせはJOHA研究活動委員会(連絡先は下記)まで。定員に達したら受付を終了します。

【内容】
①著者の案内で地域歩き(地域の方の話を含む)、②著者のお話、③全員で話し合い
*主な立ち寄りポイント:岬町文化センター、正教寺、「トンクルトンネ」(朝鮮人が多い集落)、戦時中に掘られたトンネル跡、労務者収容所跡等。
*大きい荷物は岬町文化センターに置くことができます。
*2㎞ほど歩くので(坂道あり)、歩きやすい服装・靴で来てください。

☆事前に『消されたマッコリ。』(2015年、社会評論社刊、本体価格1800円)を読んできてください。初版が残り僅少とのこと、早目の入手がおすすめです。

【主催】日本オーラルヒストリー学会(JOHA) JOHA研究活動委員会
(連絡先=コーディネータ・橋本みゆき johakenkatsu8[at]gmail.com [at]を@に替えてメールを送信してください)

JOHA16(第16回学会大会) 自由報告エントリー募集

 JOHA第16回大会を以下のように開催いたします。つきましては自由報告(個人報告/共同報告/テーマセッション)の報告者を募集します。

第16回日本オーラル・ヒストリー学会大会
日時:2018年9月1日(土)~2日(日)
会場:東京家政大学板橋キャンパス(JR埼京線・十条駅)(予定)
  1日(土)午後:自由報告13:00~15:30・大会校企画シンポジウム(予定)
  2日(日)午前:自由報告9:30~12:00、午後:総会・シンポジウム

〇自由報告(個人報告/共同報告)は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
〇テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定されます。各報告時間は個人発表に準じて1人20分を目安とし、セッション全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターはコーディネーターが調整してください。

報告を希望する会員は、以下の応募要項に沿ってお申し込みください。
申込用紙ファイルは下記(クリックするとWordファイルをダウンロードします)
 個人報告/共同報告申込用紙
 テーマセッション申込用紙

【応募要項】
◆申し込み資格
申込時点でJOHAの会員であること、および2018年度会費納入済みであることです。
(会費納入のお知らせ、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)

◆申し込み手続き
1.申込用紙に必要事項を記入し、メール添付で下記2アドレスにお送りください。

JOHA事務局・人見佐知子(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
研究活動委員会委員長・田中雅一(shakti[at]zinbun.kyoto-u.ac.jp)

必ず両方宛にお送りください。折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメールは[at]の部分は@を入力ください。

2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。

〒577-0813
大阪府東大阪市新上小阪228-5
近畿大学Eキャンパス文芸学部 人見佐知子研究室内
日本オーラル・ヒストリー学会事務局

◆申込締め切り
6月2日(土)(必着)

◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局(上記参照)
JOHA事務局・人見佐知子 (joha.secretariat[at] ml.rikkyo.ac.jp)

『戦争と性暴力の比較史へ向けて』刊行記念シンポジウム

下記のとおり、『戦争と性暴力の比較史へ向けて』刊行記念シンポジウムを開催いたします。

上野千鶴子・蘭信三・平井和子編『戦争と性暴力の比較史へ向けて』(岩波書店、2018年)

チラシPDF 0513symposium

概要
日時:2018年5月13日(日)13:00〜18:00
会場:上智大学四谷キャンパス2号館401室
〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
(JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線/四ッ谷駅麹町口・赤坂口から徒歩5分)
キャンパスマップ
事前予約不要・資料代1000円

プログラム
総合司会 蘭信三・佐藤文香
13:00〜13:10 編者開会挨拶 上野千鶴子
13:10〜14:50 第1部 コメント『戦争と性暴力の比較史へ向けて』をどう読むか?
川喜田敦子(中央大学)
中村理香(成城大学)
桜井厚(日本ライフストーリー研究所)
岡野八代(同志社大学)
岩崎稔(東京外国語大学)
<休憩>
15:30〜16:20 第2部 執筆者からのリプライ
16:20〜17:50 第3部 総合討論
17:50〜18:00 編者閉会挨拶 平井和子
18:30〜20:00 懇親会

コメンテーター・プロフィール
川喜田敦子:ドイツ現代史、『ドイツの歴史教育』(白水社、2005年)
中村理香:アジア系アメリカ文学・文化/ジェンダー論/ポストコロニアリズム理論、『アジア系アメリカと戦争記憶―原爆・「慰安婦」・強制収容』(青弓社、2017年)
桜井厚:社会学・ライフヒストリー/ライフストーリー研究・社会問題研究、『境界文化のライフストーリー』(せりか書房、2005年)
岡野八代:政治思想史/フェミニズム理論、『フェミニズムの政治学―ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)
岩崎稔:哲学/政治思想、「〈慰安婦〉問題が照らす日本の戦後」『岩波講座アジア太平洋戦争 記憶と認識の中のアジア・太平洋戦争』(岩波書店、2015年、長志珠絵との共著)

主催:『戦争と性暴力の比較史へ向けて』刊行記念シンポジウム実行委員会
連絡先:kaken25245060[at]gmail.com
[at]を@に変えて送信してください。

JOHAシンポジウム「オーラルヒストリーのアーカイブ化を目指して」

下記のとおり、JOHAシンポジウム「オーラルヒストリーのアーカイブ化を目指して」を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしています。

 

チラシPDF JOHA20180317

 

■日時 2018年3月17日(土)13時30分~17時30分
■会場 上智大学2号館3階309室

 

■プログラム                 モデレータ・司会 蘭 信三
趣旨説明(13:30~13:40)

蘭 信三(上智大学)

〇第一報告(13:40~14:05)
 オーラルヒストリーを受け継ぐために-飯田市歴史研究所での経験から-

安岡健一(大阪大学)

〇第二報告(14:05~14:30)
 地域女性史とオーラルヒストリー-その展開と保存の可能性をめぐって-

 宮﨑黎子(地域女性史研究会)

〇第三報告(14:30~14:55)
 オーラルヒストリーとアーカイヴ化の可能性
 —2012年質的データアーカイヴ化研究会調査より—

小林多寿子(一橋大学)

〇第四報告(14:55~15:20)
 北米におけるオーラルヒストリーのデジタルアーカイビング
 —UCLA JARP COLLECTION を中心に—

森本豊富(早稲田大学)

<小休憩>(15:20~15:35)*質問票回収
〇コメント(15:40~16:00)

福島幸宏(京都府立図書館)

〇総合討論(16:00~17:25)
〇閉会(17:25)                   大門正克(横浜国立大学)

 

参加無料・登録不要

 

■主催:日本オーラル・ヒストリー学会、
■問い合わせ先:kaken25245060(at)gmail.com
(at)を @ に差し替えてください。
■共催:日本移民学会・総合女性史学会

 

■シンポジウム趣旨:
 オーラルヒストリーのアーカイブ化/コレクション化は、英米では1980年代から始まっている。日本でも、21世紀になって政策研究大学院大学21世紀COE『オーラル・政策研究プロジェクト』で聞き取られた多数の「公人のオーラルヒストリー」が国会図書館憲政資料室に所蔵されている。東京外国語大学同COE『史資料ハブ地域文化研究拠点』でもオーラル資料の蓄積が行われてきた。また、沖縄県公文書館では1960年代からの膨大な沖縄戦証言記録のオーラルアーカイブ化が進められてきたし、大阪社会運動協会で1980年代に聞き取られた労働運動家のオーラルヒストリーも2015年にウエブサイト上に公開された。
 近年のアーカイブ学は目覚ましく、資料のデジタル・アーカイブ化が急速に進んでいる。とりわけ国立国会図書館は、書籍に加え文化財・メディア芸術・放送番組を含め、地方アーカイブをも統合するポータルサイト構築に向け「ジャパンサーチ(仮)」が準備されている。
 しかし、このような活動にもかかわらず、移民史研究、地域女性史研究、戦争体験の継承等々の公共性の高い多様なオーラルヒストリー(音声資料)は私蔵されがちだし、各地で整備されたコレクションのネットワーク化も十分にはネットワーク化されていない。
 日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)は、公共性の高いオーラルヒストリーのアーカイブ化への公的な仕組みづくりに取り組むべき時が来たと判断し、各領域でこの課題に造詣の深い方々を招き、日本におけるこの「公的な仕組み」の可能性と課題について論じる。
 本シンポジウムは、本学会だけでなく日本移民学会、総合女性史学会等関連学会や、公立図書館とも連携し、領域横断的な取り組みとなることが期待されよう。

 

■登壇者・参考文献紹介(報告順)
〇安岡健一氏(大阪大学大学院准教授・歴史学)「飯田市歴史研究所におけるオーラルヒストリー」『飯田市歴史研究所年報』13号、2015年。
〇宮﨑黎子氏(地域女性史研究会・女性史)「史資料保存と公開(活用)の現状と可能性」オーラルヒストリー総合研究会編『歴史と自己の再発見-オーラル・ヒストリー総合研究会10年の記録 2003-2013』2014年。
〇小林多寿子氏(一橋大学大学院教授・社会学・JOHA)「質的調査データの公共性とアーカイヴ化の問題」『フォーラム現代社会学』13巻、2014年。
〇森本豊富氏(早稲田大学大学院教授・移民研究・日本移民学会)「移民研究の連携-資料の収集から活用まで」我部政明ほか編『人の移動、融合、変容の人類史-沖縄の経験と21世紀への提言』彩流社、2013年。
〇福島幸宏(京都府立図書館・歴史学/アーカイブズ/デジタルアーカイブ)「地域拠点の形成と意義」知的資源イニシアティブ編『デジタル文化資源の活用-地域の記憶とアーカイブ』勉誠出版、2011年。

『日本オーラル・ヒストリー研究』第14号 原稿募集

論文、研究ノート、聞き書き資料、書評、書籍紹介の原稿を募集いたします。投稿希望者は『日本オーラル・ヒストリー研究』第13号の投稿規定・執筆要領を参照の上、以下の編集委員会メールアドレスまで原稿をご送付ください。図版の著作権をはじめ、図版の文字換算など、12号以降は執筆要領の変更が多々ありますので、ご注意ください。

 

提出原稿は、査読審査を経たのち、6月中旬ごろに掲載の可否が決定します。

 

12号より原稿の提出は、メール添付で受け付けることとなりました。以下のアドレスにご送付ください。学会大会で発表されたみなさんをはじめ、会員のみなさまからの投稿をお待ちしています。投稿に関し、質問があれば、お気軽に以下の問い合わせ先にお訊ねください。

 

募集期間:2018年3月20日〜31日(〆切厳守は従来通りですが、メールによる事故を防ぐため、募集期間を設けます。ご協力ください)。

 

問合せ・応募原稿送付先:joha_journal(at)ml.rikkyo.ac.jp

( (at) 部分を@に替えて送信してください。)

 

編集委員長 佐々木てる

理事会(第8期)

<任期:2017年9月から2019年大会まで>

会長:蘭信三

事務局長:人見佐知子

会計:上田貴子

編集委員長:佐々木てる
編集委員:石川良子
編集委員:大門正克
編集委員:北村毅
編集委員:山田富秋
編集委員:三田牧*

研究活動委員長:田中雅一
研究活動委員:倉石一郎
研究活動委員:佐藤量
研究活動委員:根本雅也
研究活動委員:橋本みゆき
研究活動委員:平井和子*(2018年9月退任)

広報委員長:矢吹康夫
広報委員:中村英代

大会校理事:岩崎美智子(任期 2017年9月~2018年大会まで)
大会校理事:滝田祥子(任期 2018年9月〜2019年大会まで)

監事:好井裕明
監事:川又俊則

*は非理事の委員

 

JOHA15大会のご案内

各位

日本オーラル・ヒストリー学会第15回大会のご案内いたします。

*大会プログラムご入用の方は「JOHA 15thAnnualConference Program」をクリックしてください。
*大会ポスターはこちら(joha2017)です。ご所属の大学や団体等でご宣伝いただければ幸いです。
(今回のポスター作成者は、学会員の石川良子さんです。)

日本オーラル・ヒストリー学会 第15回大会
Japan Oral History Association 14th Annual Conference

開 催 日:2017年9月2日(土)、3日(日)
開催場所:近畿大学東大阪キャンパスA館、BLOSSOM CAFÉ
開催校所在地:近畿大学東大阪キャンパス 大阪府東大阪市小若江3-4-1
交通手段:近鉄大阪線・長瀬駅から徒歩約10分
近鉄奈良線・八戸ノ里駅から徒歩約20分、バス約6分
東大阪キャンパスの交通アクセス:
http://www.kindai.ac.jp/about-kindai/campus-guide/access_higashi-osaka.html

参 加 費:会員 1,000円(2日通し)、非会員 一般:2,000円(1日参加1,000円)、学生他:1,000円(1日参加500円)
懇親会費:一般 4,000円、学生他 2,000円

開催校理事:上田貴子
学会事務局:佐々木てる、研究活動委員会委員長:蘭信三、会計:中村英代
大会に関してご不明な点がございましたら、JOHA事務局までお問い合わせください。
*E-mail:joha.secretariat(at)ml.rikkyo.ac.jp、Fax:017-764-1570

 ◎ 自由報告者へのお願い
1) 自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
2) 配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50部ほど印刷し、ご持参ください。
3) 各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USBメモリ等にプレゼンテーションのデータをお持ちください(ご自身のPC等をご使用の場合、RGBケーブル接続のみでUSBなどの接続方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存したUSBメモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場担当者にご相談ください。

◎ 参加者へのお知らせ
1) 会員・非会員ともに両日とも受付してください。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
2) 昼食は近畿大学周辺の食堂等をご利用いただくなど、各自でご用意ください。なお、夏期休暇中につき、学内の店舗は休業しております。近隣のコンビニまでは10分程度かかります。
3) なおロッカーおよびクロークはございません。荷物は各自で管理をお願いします。

 懇親会案内
9月2日(土)18:00~20:00
会場:近畿大学【未定】*決まり次第お知らせ致します。
参加費:4,000円、学生その他2,000円

 

大会プログラム

1日目 92日(土)
12:00       受付開始

13:00~15:00   自由報告A101教室)
【第一分科会】 (司会:石川良子・佐藤量)
1-1 アメリカの歴史的変遷におけるある「日系アメリカ人女性」の経験-ハワイ・日本・アメリカの移動経験から
松平けあき(上智大学)

1-2 炭鉱の閉山をめぐるもう一つのリアリティ-元炭鉱職員のライフヒストリーから
坂田勝彦(東日本国際大学)

1-3 「聴く」から「伝わる」への転換-ある南洋帰還者とのやり取りの軌跡から
三田 牧(神戸学院大学)

1-4 戦後ブラジル移住について-奄美大島出身の二人のコチア青年移民のライフヒストリーから
加藤里織(神奈川大学)

【第二分科会】  自由報告(司会:好井裕明・広谷鏡子)A102教室)
2-1 日本におけるACT UP-性感染HIV陽性者当事者と協力者はいかに協働して生存とパンデミックに対応してきたか
大島 岳(一橋大学)

2-2 聞き書き調査で読み解いた米国大統領選-1964年のTVCM“Daisy”を事例として                              片山 淳(東京経済大学)

2-3 テレビの社会派ドキュメンタリーはいかに制作されたか?―伊東英朗氏が手がけたシリーズ『X年後』(南海放送)を事例に
西村秀樹(近畿大学)・小黒 純(同志社大学)

2-4 戦時性暴力被害者証言の信頼性・重要性と、検証の方法論
井上愛美(韓国 国民大学)

15:30~17:30  研究交流実践会(大会開催校企画)A102教室)
世代をつなぐ聞き取り~オーラル・ヒストリーの可能性~

趣旨:ライフストーリー研究の手法で研究を進める高山真氏。聞き書きを残してくことそしてそれを使って歴史叙述を行おうとする森亜紀子氏。失われつつある生活を聞き取っておこうとする藤井弘章氏。それぞれ社会学、歴史学、民俗学の現場で聞き取り調査を行ってきた3人の研究者から聞き取り調査の現場で感じてきたことを語ってもらう。特に、今回は「世代」をキーワードにとりあげた。世代を意識することで、苦労したこと、新たな気づきなどを参加者と意見交換し、聞き取り経験を豊かにしていく方法について考えていきたい。

司会:上田貴子(近畿大学)

第一報告 ライフストーリー・インタビューの経験を作品化する
高山真(慶応義塾大学)

第二報告 ひとびとのなかに「歴史」を見る-沖縄に暮らす南洋群島引揚者への調査から-
森亜紀子(同志社大学)

第三報告 民俗学の聞き取り調査-民俗文化の記憶・体験を残すこころみ-藤井弘章(近畿大学

 18:0020:00  懇親会

 

2日目 93日(日)
9:00      受付開始

 9:30~12:00   自由報告A101教室)
【第三分科会】 (司会:塚田守・滝田祥子)
3-1 生き抜くための「多文化共生」-当事者支援者の経験から
伊吹 唯(上智大学)

3-2 ライフヒストリーにおける学校経験の位置-公立男女別学校出身者への調査から
徳安慧一(一橋大学)

3-3 はんなり世界の生活-京都北野上七軒花街の衣食住に関する聞き取りを中心に
中原逸郎(京都楓錦会)

3-4 農家を継ぐ女性たち-農家民宿経営をめぐる多世代ライフストーリー椙本歩美(国際教養大学)

 

【第四分科会】テーマセッション A102教室)
再び〈戦争の子ども〉を考える

趣旨:本セッションの目的は、甲南大学人間科学研究所が実施した〈戦争の子ども〉プロジェクト(第Ⅰ期2007~2008年、第Ⅱ期2009年、第Ⅲ期2010~2011年)をふりかえり、成果と課題を共有するとともに、今後の研究の展開にむけて議論を深めることにある。ドイツ語のKriegskindの翻訳である〈戦争の子ども〉は、ドイツ語としても新しく、ナチスが政権を掌握して以降、第二次世界大戦中集結までに子ども時代を過ごした(あるいはその期間中に生まれた)世代を指す言葉として、精神分析家のミヒャエル・エルマンが2003年にはじめて用いた造語である。エルマンを中心とするミュンヘンの「戦争の子ども時代プロジェクト」は、〈戦争の子ども〉の体験とそれがその後の人生に与えた影響を心理療法の観点から検証するなかで、他の世代よりも高くあらわれる〈戦争の子ども〉の人格障害と戦争体験の密接な関連を明らかにしてきた。
甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、ドイツの研究との比較をめざしてはじまった。一定の方法によって戦争体験を記録すること、記録された体験からそれらを理解するための理論を構築することがその課題とされた。そうした経緯から甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、当初はドイツの調査と同様の調査・分析の方法を翻訳によってそのまま採用したが、しだいに方法や視角にアレンジをくわえ独自の特徴をもつようになった。そのひとつが、心理学的アプローチと歴史学的アプローチの対比と相補性への言及であり、そのことがオーラル・ヒストリー研究の方法や特質にたいする問題提起をふくむこととなった。
プロジェクトの終了から5年半を経てふたたび議論の遡上にあげようとするのは、2016年度からはじまった「歴史研究にとってのオーラル・ヒストリー」というJOHA研究活動共通テーマについて、聞き取った戦争体験を歴史化し、その意味を多角的にとらえようとした心理学と歴史学の協働の実践から新たな知見を得ることができないかと考えたからである。
以上から、本セッションではまず、〈戦争の子ども〉プロジェクトを主導した森茂起が、本プロジェクトの成果をふまえて近年の研究成果を報告する。つぎに、歴史研究者の立場で同プロジェクトにかかわった人見佐知子がその経験を読み解く。くわえて、歴史学と社会学の専門家にそれぞれの立場で〈戦争の子ども〉プロジェクトを検証してもらい、可能性と課題を整理することをつうじて論点提示をおこなうこととしたい。

司会・趣旨説明 人見佐知子(岐阜大学)

第一報告 戦争体験の聞き取りにおけるトラウマ記憶の扱い――歴史学と心理学の協働の試み
森茂起(心理学・甲南大学)

第二報告 〈戦争の子ども〉からオーラル・ヒストリーを考える
人見佐知子(歴史学・岐阜大学)

コメント1 倉敷伸子(歴史学・四国学院大学)

コメント2 中村英代(社会学・日本大学)

12:05~13:00
総会(A館102教室)

 

13:30~16:30 シンポジウム(BLOSSOM CAFÉ 3F 多目的ホール)
戦争経験の継承とオーラルヒストリー――「体験の非共有性」はいかに乗り越えられるか

趣旨:本シンポジウムは、戦争経験の体験者や非体験者である平和ガイドなどによるその体験の継承の可能性と意味について論じる。このテーマは桜井厚ほか『過去を忘れない 語り継ぐ経験の社会学』(2008)などに代表されるように、JOHAにおいては繰り返し論じられてきた中心テーマのひとつだが、今回それを再び取り上げる意義は以下の3点にある。
(1)戦後70年が経って戦争体験者、被爆者、アウシュビツ収容所のサバイバーが亡くなりつつあり、社会の世代交代が進むなかで、戦争にかかわる歴史経験の継承はどのようになされうるのかが緊急な研究課題となっている。(2)そのような問題意識は同時に社会全般で広く共有されている課題でもある。この課題に長くかかわってきた本学会においてこの社会的課題を共有し、社会に広く発信することは学会の社会的役割だと思われる。
この社会問題化は、体験者の退出・不在だけでなく/そのことも相まってか、(3)歴史認識において新自由主義が影響力を増し、しかも領土問題や領土ナショナリズムが強まり、その状況下で日本社会(いや世界)の戦争観が静かに変化していることと密接に関係している。つまり、現在は「戦後」の幾つ目かの<歴史認識の節目>にあると思われる。
このようななか、当事者から直接聞き取ることが難しくなりつつある今こそ、戦争経験の継承とオーラルヒストリーの真骨頂が問われている。そこで、戦争体験の聞き取りや継承に卓越した研究実績のあるお三方に、現状の変化を意識しつつ、ご自分の研究実践を手がかりにしてこの課題の今日的問題性に立ち向かってもらう。なお、本シンポジウムは公開シンポジウムである。学会のみでなく広く市民の参加をえて議論を深めたい。

司会 蘭 信三(上智大学)

第一報告 「戦友会」の質的変容と世代交代―戦場体験の継承をめぐる葛藤と可能性
遠藤美幸(神田外国語大学)

第二報告 非被爆者にとっての〈原爆という経験〉―高校生が描く原爆の絵の取り組みから
小倉康嗣(立教大学)

第三報告 アウシュヴィッツにてホロコーストの生存者に出会うということ
田中雅一(京都大学)

コメンテータ 今野日出晴(岩手大学)