ロシア軍のウクライナ侵攻に対する声明

 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻した。その間徐々に反戦の声が大きくなってはいるものの、出口はみえないまま戦火は増加の一途をたどっている。

 われわれ日本オーラル・ヒストリー学会は、これまで市井の人の語りに耳を傾けてきた。アジア・太平洋戦争経験者、戦争被害者、原爆被爆者、植民地主義の被害者、原発事故の避難者などである。それら多くの人の語りは、われわれに紛争、戦争など、人が人と殺し合うことがいかに無益であるか、そしてその結果が何世代にもわたり、人生に影響を及ぼすかを明らかにしてきた。そしてまさに今、これらの声を歴史に埋もれさせることなく、新しい悲痛な語りを生み出さないための取り組みが必要とされている。

 われわれは国籍、民族、思想といった違いを問わず、この侵攻に反対するすべての人と協調、連帯し、ロシア軍に対し即時の停戦、そしてウクライナからの撤退を要求する。われわれは人々の発信し続けるつぶやきから叫びに至る多様な声に耳を傾け、多くの人、そしてすべての国家が連帯し、武力ではなく対話によって解決すること強く望む。

 なお、このような状況においても、ロシア国民、とりわけ在日ロシア人の人権を踏みにじる行為は厳に慎んでいかなければならない。


2022
311日 日本オーラル・ヒストリー学会理事会