日本オーラル・ヒストリー学会第21回大会のご案内

【開催日】2023年11月10日(金)~12日(日)
(10日沖縄市フィールドワーク、11∼12日琉球大学)
協力:琉球沖縄歴史学会 後援:沖縄県地域史協議会

【会場】琉球大学千原キャンパス文系講義棟 201(大会場)、202、104教室
キャンパスマップ https://www.u-ryukyu.ac.jp/campus-map/ 
アクセスhttps://www.u-ryukyu.ac.jp/access/ 

【大会参加費・支払い方法】
・会費:会員・学生他1000円、非会員2000円
・対面・オンライン参加にかかわらず、peatix(イベント管理サービス)にて事前にチケットをご購入ください。
購入ページ https://joha2023.peatix.com

<注意事項>
・購入期限は2023年11月7日18:00(コンビニ・ATMでの支払いは11月6日まで)です。
・領収書は原則発行いたしません。利用明細書・引き落とし明細書・コンビニ発行の領収書・peatix発行の領収データなどを領収書の代替としてご利用ください。
・当日大会会場での受付はできませんのでご注意ください。
・12日午後に開催するシンポジウムは対面のみ無料で公開します。
・その他、参加方法に関する詳細はpeatixの購入ページに記載しておりますので、そちらをご参照ください。
※対面参加で申し込んだ場合のオンライン参加への切り替えは可能ですが、フィールドワークと自由報告小教室のハイブリッド対応はしていませんのでご注意ください。対面で自由報告を申し込んだ方は、オンライン報告に切り替えることはできません。

※自由報告者へのお願い
1)自由報告は、報告 20 分・質疑応答 10 分(合計 30 分)で構成されています。
2)報告資料は11月7日までに下記2つのアドレスにお送りいただけると、大会特設サイトにアップロードし、大会参加者のみが閲覧できるようにします。yasuoka.kenichi.hmt@osaka-u.ac.jp, joha.secretariat@ml.rikkyo.ac.jp

事前にお送りいただいた方が会場配布資料を作成するかどうかは任意です。もし事前送付が間に合わない場合、50部の印刷をお願いします。なお、会場にコピー機はありません。  

主催:日本オーラル・ヒストリー学会
JOHA21 実行委員会:佐々木てる(会長)、野入直美(開催校理事)、佐藤量(学会事務局)、謝花直美・安岡健一(研究活動委員会)、李洪章(会計)
協力:琉球沖縄歴史学会
後援:沖縄県地域史協議会

・大会に関してご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。問合せ先:joha.secretariat@ml.rikkyo.ac.jp



大会プログラム

11月10日(金)

沖縄の戦後史を巡る沖縄市内のフィールドワーク

  • 時間と発着場所:13時15分~17時30分(沖縄県庁前「県民広場」発着)
  • 訪問場所:①沖縄市照屋、②「コザXミクストピア研究室」(案内:池原えり子「コザXミクストピア研究室」主宰)、③沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」(案内:同館学芸員)
  • コーディネート:謝花直美
  • 参加費:3400円
  • 申し込み:peatix
  • JOHA会員限定先着27人(締め切り9月30日)→申込終了いたしました。

11月11日(土)

  • 8:45分~受付開始
  • 9時15分~30分 201(大会場)教室、開会あいさつ(会長 佐々木てる)
  • 開催形式説明(研活 安岡健一)
  • 9時30分~14時30分自由報告(1日目)

<201教室>(ハイブリッド)
司会:石川良子(立教大学)、根本雅也(一橋大学)

  • 八鍬加容子(オンライン)「ホームレスと交流した人々の語りの変容に見られる、新たな社会構想」
  • 朱子奇(オンライン)「創造的集団としての番組制作会社–オーラルヒストリーから見る作り手の考え」
  • 丸川拓己(オンライン)「高校教育を取り巻く論理を問いなおす:困難を支える高校づくりをめぐる経験の語りから」
  • ウォーターズめぐみ(オンライン)「声の力:イギリスの近代法制度等に見られる平等と多様性尊重の歴史的背景と展開」
  • 中尾知代「戦争トラウマ記憶の世代間継承と世代間影響:第二次大戦連合軍捕虜とその家族」
  • 田野倉和子「「普通」の学校生活を求めた不登校経験者のライフヒストリー」
  • 三田牧「ジョセフさんの語りはいかに解釈し得る:パラオの「親日」言説をめぐって」

<202教室>対面
司会:北村毅(大阪大学)・大門正克(早稲田大学)

  • 木谷彰宏「『基地の街』コザはいかにつくられたのか」
  • 古梶隆人「沖縄の若い世代による平和教育実践についての語り:「がちゆん」を事例として」
  • 吉成哲平・三好恵真子「復帰前後の沖縄の現実への内省から埋めようとした「距離」:写真家 東松照明がひとびとの人生から受け止めていった重層的歴史」
  • 石川勇人「沖縄戦の「記録者」が直面した体験者の沈黙:記録者の記録活動に着目して」
  • 永尾陽「米軍に土地接収された地域における歴史継承」
  • 新川郁実「ウチナーンチュコミュニティの形成と変遷:変容するネットワークの形」
  • 須田佳実「『沖縄県史9巻沖縄戦記録1』(琉球政府、1971年)の地域座談会にみる聞き書きにおける「聞く」ことの多義性」

<104教室>(対面)
司会:山田富秋(松山大学)・和田悠(立教大学)

  • 木村豊・那波泰輔(共同報告)「空襲の記憶を継承する立場:非体験世代内における世代間の差異に着目して」
  • 藤原哲也「戦傷者の妻が語る戦傷病者の諸相」
  • 舛谷鋭「文学研究とオーラルヒストリー」
  • 吉田祐子「オルタナティヴ・オーラル・ヒストリー:文化的沈黙と証言行為論」
  • 小黒純・西村秀樹(共同報告)「「映像」シリーズ草創期の研究:社会派テレビ・ドキュメンタリー番組枠はいかに始まったか」
  • 長村裕佳子「デカセギを経験する日系ブラジル人の文化とアイデンティティ:「日本人」の立場で聞き取るということ」
  • 中澤英利子「ブラジルに渡った「花嫁移民」の語りをもとに:女性移民としての移動と生活の経験」

(途中12時~13時30分 昼休憩・理事会)

〈201教室〉(ハイブリッド):14時30分~17時
会長企画ワークショップ「地域とメディア:語りを伝え、残すこと」

  • コーディネーター:佐々木てる(青森公立大学)
  • 司会:米倉律(日本大学)
  • 登壇者:山野本竜規(ナカトリモチ/元琉球放送アナウンサー)
  • 今泉清保(青森テレビアナウンサー/青森公立大学非常勤講師)

17時~17時15分、休息
17時15分~総会
総会後、有志による茶話会

11月12日(日)

9時(受付開始)~
9時30分~12時 自由報告部会(2日目)

<201教室>(ハイブリッド)
司会:米倉律(日本大学)

  • 八木良広(オンライン)「「市民」演劇への関わりと日常生活の変化 『河』の公演に携わった 人たち」
  • 山本恵里子(テーマセッション)「国際オーラルヒストリー学会(IOHA)の最新動向と展望:2023年7月開催の第22回リオデジャネイロ大会から」
  • 矢吹康夫「どのようにして非当事者は運動に巻き込まれていったのか:マイフェイス・マイスタイルの『ヒロコヴィッチの穴』を事例に」

<202教室>(対面)
司会:蘭信三(大和大学)

  • 小林多寿子「災禍とオーラルヒストリー(1):―南相馬市小高区におけるオーラルコミュニティ形成と地域の歴史の再構築」
  • 大島岳「災禍とオーラルヒストリー(2)新しい生き方に向けた小高の社会構想をめぐる声の力」
  • 庄子諒「災禍とオーラルヒストリー(3)福島県南相馬市小高区における避難指示区域への帰還者の語りからみるレジリエンス」
  • 中原逸郎「戦後の花街(かがい)の生活:上七軒の茶屋関係者の聞き取りを中心に」

<104教室>(対面)
司会:佐野直子(愛知県立大学)

  • 吉村さやか「なぜ彼はヘアドネーション活動をやめたいと思うのか:ある美容師の語りから」
  • 峯桃香「戦後の女性が女性の戦争責任を考えるということ:在野の女性史研究『銃後史ノート』の運動史/メディア史研究—」
  • 王石諾・三好恵真子「中国社会転換期における「東北離れ」をめぐる女性たちの葛藤:結婚移民として中国東北から日本の東北へと移動した経験から捉える」
  • 冷昕媛・三好恵真子「人間と自然が共存するアジア的理性の創出:中国初代NGOリーダー万氏のライフヒストリーから読み解く」
  • 高橋侑里「日常空間のポリティクスからみるアジア系アメリカ人社会 統合と分裂の狭間で共に暮らすことについて」

12時~13時30分 昼休み

〈201教室〉(ハイブリッド):13時30分~16時30分 
大会シンポ「沖縄をめぐる占領体験をどう書くか/どう聞くか:実践的な身振りに目をとめる」

  • 司会:大門正克(早稲田大学)
  • 登壇者:小屋敷琢己(琉球大学)
  • 池原えりこ(「コザXミクストピア研究室」)
  • 謝花直美(同志社大学<奄美‐沖縄‐琉球>研究センター)
  • コメンテーター:若林千代(沖縄大学)

16時30分~17時 閉会 会長挨拶、開催校挨拶、次期開催校挨拶

問合わせ先: joha.secretariat@ml.rikkyo.ac.jp


JOHA第21回大会のお知らせ(2023年11月10日~12日開催)

2023年度のJOHA第21回大会の日程および報告者募集のご案内です。
JOHA第21回大会は、11月10~12日に琉球大学にて、現在のところ対面・オンライン併用のハイブリッド開催を予定しております(10日はエクスカーションを予定)。
大会の詳細は、大会プログラムが確定する夏頃に決定次第、メーリングリストで会員のみなさまにお知らせするとともに、ウェブサイトに掲載します。ふるってのご応募お待ちします。

◎第21回日本オーラル・ヒストリー学会大会
【日時】2023年11月10日(金)・11日(土)・12日(日)
【会場】琉球大学 (沖縄県中頭郡西原町字千原1番地

自由報告(個人報告/共同報告/テーマセッション)報告者募集

  • 個人報告および共同報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
  • 自由報告部会は11月11日(土)午前と12日(日)午前の見込み。ほかに総会・シンポジウムなど。
  • テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定できます。1人あたり報告時間は20分を目安とします。
  • 全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターは、コーディネーターが調整してください。

【募集期間】
2023年5月1日〜8月1日

【募集要項】
◆申し込み資格

  • 申込時点でJOHAの会員であること、および2023年度会費納入済みであること(会費納入のご案内、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)。

◆申し込み方法

申込用紙(個人・共同報告)/(テーマセッション

  • 所定の申込用紙に記入し、メール添付で、必ず下記2アドレス両方宛にお送りください。
  • JOHA事務局・佐藤量 joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp
  • 研究活動委員会委員長・安岡健一 yasuoka.kenichi.hmt[at]osaka-u.ac.jp
  • 迷惑メール防止のため[at]としております。メール送信の際には[at]を@に変換してください。
  • 折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
  • メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。
  • 〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1  立命館大学大学院先端総合学術研究科 日本オーラル・ヒストリー学会事務局 佐藤量宛

◆申込締め切り
8 月1日(火)(必着)

◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局 佐藤量
  joha.secretariat[at] ml.rikkyo.ac.jp

【大会2日目】国際シンポジウムのご案内(「東アジアにおけるオーラルヒストリー/口述史の展開と課題」)

【日時】9月11日(日)13:00〜17:00

【プログラム】
司会 李洪章(神戸学院大学)・清水美里(名桜大学)

第一報告 尹 澤林(韓国口述史研究所)「韓国口述史の軌跡と展望」

第二報告 許 雪姫(台湾中央研究院)「戦後台湾オーラル・ヒストリーの展開」

第三報告 蘭 信三(大和大学)「日本におけるオーラルヒストリーの展開と課題」

パネルディスカッション(報告者三名による)

総合討論

【参加登録】
〈オンライン参加の場合〉→ https://sumquick.webex.com/sumquick-jp/j.php?RGID=rb15c1a7b10634e3e977fb2fb1b58da47

〈対面参加の場合〉→https://forms.gle/2hkGUm2JVkyFrirq5

【注意事項】
・オンライン参加を希望される方は9月7日までに上記のリンクから事前登録が必要です。
・登録後、追って参加用URLが送付されます。
・Webexでのwebinar参加は慣れていない人が多いので9月8日に参加リハーサルを行います。チェックインできるかどうかご確認ください。その際には、Webexをご使用のPCに事前にダウンロードしておく必要があります。

・コロナ感染の状況次第で参加制限をする場合もあります。その際はご容赦ください。

主催:日本オーラル・ヒストリー学会 joha@ml.rikkyo.ac.jp
共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「東アジアのポストコロニアルを聞きとる」(研究代表・蘭 信三) kaken25245060@gmail.com

日本オーラル・ヒストリー学会 第20回大会のご案内

【開催日】2 0 2 2 年 9 月 1 0 日 ( 土 )・ 1 1 日 ( 日 )
【会場】立教大学池袋キャンパス 7 号館(〒171-8501 東京都豊島区西池袋 3-34-1)
【開催方法】ハイブリッド(現地開催+Zoom ミーティング ※2 日目シンポジウムのみ webex 使用)

【参加費】会員・学生他1000円 非会員2000円
対面・オンライン参加にかかわらず、Peatix にて事前にチケットの購入をお願いします。
https://joha2022conference.peatix.com/ (アカウント作成必須)

購入期限:9 月 6 日(コンビニ/ATM で支払う場合)、9 月 7 日(クレジットカード支払)

【注意事項】
・2 日目シンポジウムは別途申し込みが必要です。申し込み方法は追って学会 HP にて告知します。
・対面参加の方は、会場受付にてチケット(スマホ画面または印刷したもの)をスタッフにご提示くだ さい。
・開催校の入構に制限がかけられており、参加者名簿を事前に提出する必要があることから、当日参加は 不可とします。チケット購入者には、後日、入構許可証を peatix アカウントに登録されたメールアドレ スにお送りします。対面で参加される方はスマホに保存するか、印刷したものを携帯してください。
・後日、zoom の参加 URL を peatix アカウントに登録されたメールアドレスにお送りします。急遽対面 参加できなくなった場合もオンライン参加が可能です。
・領収書は原則発行いたしません。利用明細書・引き落とし明細書・コンビニ発行の領収書・peatix 発 行の領収データなどをご利用ください。

JOHA20 実行委員会:佐々木てる(会長)、和田悠(開催校理事)、佐藤量(学会事務局)、安岡健一(研 究活動委員会)、李洪章(会計) ・大会に関してご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。 問合せ先:joha.secretariat@ml.rikkyo.ac.jp

大会プログラム

9月10日(土)
9:15 開会  学会長挨拶

9:30〜12:15 自由報告部会 (一日目)
※配布資料は会場で配布の他、報告開始時にチャットから送信されます。途中から参加すると受け取れな い場合があります。(各報告 20 分・質疑応答 10 分で合計 30 分)

司会:飯倉江里衣(神戸女子大学)
・ 王 石諾・三好 恵真子「国際結婚で福島県に嫁いだ中国人女性の「心の揺らぎ」—ライフストーリーか ら読み解くー」
・ 山本 真知子「運動と知――鶴見良行のフィールドワークから考える」
・ 岩佐 奈々子「アイヌ民族の人々の「声」を聞くための新しい研究法の開発」
・ 加藤 英明「裾野で生きる町工場――設備導入をめぐる人びとの聞き取りをとおして」
・ウォーターズめぐみ「イギリスにおけるNarrativeAnalysisの展開と貢献:2000年代以降の諸報告から」

12:15〜13:15  昼休憩 理事会

13:15〜16:45 会長企画「JOHA はどこから来て、どこに向かうのか?」
司会:大門正克
スピーカー:中尾知代、桜井厚、清水透
コメント:山村淑子、中原逸郎、安岡健一

16:45~17:00 休憩

17:00~ 総会

9月11日(日)
9:30~12:00 自由報告部会(二日目)
司会:野本京子(東京外国語大学)
・吉田 静「好き」を生きる度胸――漁に出つづける突棒漁師のライフストーリー」
・石川 良子「ストリップ劇場のエスノグラフィー」
・坂井 華海「熊本ラオス友好協会「ラオス遠隔地高校生就学支援事業」被支援者の経験」
・朱 子奇「番組制作プロダクション・テムジンにおける制作文化の形成と定着–制作者の語りから」
・藤原 哲也「満鉄鉄道事故者の妻が語る夫の受傷体験と戦後の生活」

12:00~13:00 昼休憩

13:00~16:30 国際シンポジウム「東アジアにおけるオーラルヒストリーの展開と課題」尹 澤林(韓国・オンライン)、許 雪姫(台湾・オンライン)、蘭 信三(日本・会場)

16:30〜16:40 閉会 会長挨拶、開催校挨拶

JOHA20(第20回大会)報告エントリー募集

2022年度のJOHA第20回大会の自由報告部会(個人報告/共同報告/テーマセッション)の報告者募集のご案内です。

JOHA第20回大会は、9月10日・11日に立教大学にて、現在のところ対面・オンライン併用のハイブリッド開催を予定しております。大会の詳細は、大会プログラムが確定する7月頃に決定次第、メーリングリストで会員のみなさまにお知らせするとともに、ウェブサイトに掲載します。ただし今後の新型コロナウィルス感染拡大の状況によっては、再調整の可能性があります。ふるってのご応募お待ちします。

◎第20回日本オーラル・ヒストリー学会大会

・日時:2022年9月10日(土)・11日(日)

・会場:立教大学

〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1

・自由報告部会は9月10日(土)午前と11日(日)午前の見込み。ほかに総会・シンポジウムなど。

◎自由報告(個人報告・共同報告テーマセッション)報告者募集

・個人報告および共同報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
・テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定できます。1人あたり報告時間は20分を目安とします。
・全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターは、コーディネーターが調整してください。
・募集期間:2022年4月3日〜6月1日
・報告を希望する会員は申込用紙に各項目を記入のうえ、下記の応募要項に従ってお申し込みください。
【応募要項】
◆申し込み資格
申込時点でJOHAの会員であること、および2022年度会費納入済みであること。
(会費納入のご案内、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)
◆申し込み手続き
1.申込用紙に記入し、メール添付で、必ず下記2アドレス両方宛にお送りください。
申込用紙(個人報告・共同報告/テーマセッション)
・JOHA事務局・佐藤量(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
・研究活動委員会委員長・安岡健一(kyasuoka[at]let.osaka-u.ac.jp)
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメール送信では[at]の部分は@を入力してください。
※折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※JOHAのHP(http://joha.jp/)からも申込用紙をダウンロードすることができます。
2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 佐藤量宛
日本オーラル・ヒストリー学会事務局
◆申込締め切り
6月1日(水)(必着)
◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局

JOHA事務局・佐藤量 (joha.secretariat[at] ml.rikkyo.ac.jp)

日本オーラル・ヒストリー学会第16回大会(JOHA16)のご案内

 日本オーラル・ヒストリー学会第16回大会(JOHA16)が 2018年9月1日(土)、2日(日)の2日間にわたり東京家政大学において開催されます。お誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。
 自由報告部会、ならびに大会校企画テーマセッション「女性の声を聴く」の各報告要旨は こちら をご覧ください。
 大会ポスターは、大会校企画テーマセッションにちなんだものとシンポジウムにちなんだものの2種類あります。ご所属の大学や団体で宣伝にご活用いただければ幸いです。
JOHAポスター2018a JOHAポスター2018b

日本オーラル・ヒストリー学会 第16回大会
Japan Oral History Association 16th Annual Conference

開 催 日:2018年9月1日(土)、2日(日)
開 催 場 所:東京家政大学板橋キャンパス16号館
交通アクセス:JR埼京線「十条駅」から徒歩5分(駅からの地図
キャンパスマップ(31番の建物が大会会場の16号館です)
大会参加費:会員 1,000円、非会員 一般:2,000円、学生他:1,000円
懇 親 会 費:一般 4,000円、学生他 2,000 円

JOHA16実行委員会:岩崎美智子*開催校理事、金城悟、松本なるみ(以上、東京家政大学)、松平けあき、伊吹唯(以上、上智大学大学院生)、池川雅美、塚越亜希子、鳥居希安、林祐子、若林美千絵(以上、東京家政大学大学院生)
学会事務局:人見佐知子、研究活動委員会委員長:田中雅一、会計:上田貴子
※ 大会に関してご不明な点がございましたら、JOHA事務局までお問い合わせください。
E-mail:joha.secretariat(at)ml.rikkyo.ac.jp →(at) を @ に差し替えてください。

◎ 自由報告者へのお願い
1)自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
2)配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50部ほど印刷し、ご持参ください。
3)各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USBメモリ等にプレゼンテーションのデータをお持ちください(ご自身のPC等をご使用の場合、RGBケーブル接続のみでUSBなどの接続方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存したUSBメモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場担当者にご相談ください。

◎ 参加者へのお知らせ
1)会員・非会員ともに受付してください。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
2)夏期休暇中につき、学内の店舗は休業しております。昼食は各自でご用意ください。近隣のコンビニまでは10分程度かかります。
3)なおロッカーおよびクロークはございません。荷物は各自で管理をお願いします。
4)「十条門」は、1日(土)は終日開いていますが、2日(日)は8:30~10:30と15:30~17:30のみ開いています。それ以外の時間帯は、「正門」までおまわりください。

◎ 懇親会案内
9月1日(土) 18:15〜20:15
会場:東京家政大学 16号館1階 食堂ルーチェ
参加費:一般 4,000円、学生その他 2,000 円

◎ オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」写真報告コーナー
9月1日〜2日の大会開催期間中、16号館1階ロビースペースにて、オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ〜著者とともに『消されたマッコリ。』の舞台を歩く(6月10日@大阪府泉南郡岬町多奈川地域)」の写真報告コーナーを設けます。ぜひお立ち寄りください。

大会プログラム

第1日目 9月1日(土)
11:00 受付開始

12:00〜13:00 特別講演会 161B講義室 共催:東京家政大学女性未来研究所
特別講演 チラシPDF

語り得ぬ性被害―戦時暴行による妊娠と中絶をめぐって―

【講師】樋口恵子(東京家政大学女性未来研究所所長・名誉教授)
【司会】金城 悟(東京家政大学)
【趣旨】
 戦前の「満州」「朝鮮」から引揚げる日本女性は、突如参戦したソ連兵はじめ「敵」方となった外国男性の強姦によって妊娠(「不法妊娠」と呼ばれている)する例が少なくなかった。日本人の自治組織が無事占領地を通過するために人身御供として若い女性が提供される場合もあった。
 受け入れる日本政府は上層部の非公式の決定で、当時の堕胎罪を免責して中絶した。その数は千人とも言われるが、断片的な記録しかない。麻酔なし妊娠5~9か月の手術に女たちは声もあげず耐えた、という施術者の証言はあるが、本人の証言はない。「それを言ったらおしまいですから」とその場にいた看護師の証言はあるけれど。語り得ない事実だが、記録されなければならない歴史的事実。語ることによって浄化される場合もあるが、苦難を再現することも多い。そのはざまに立って考える。

13:15〜15:45 自由報告部会
自由報告部会1(戦争・移民) 162C講義室
司会:八木良広(愛媛大学)、北村毅(大阪大学)
1-1 米軍占領と復興に奪われた故郷「金武湾」区―子ども世代による記憶の共有と社会化
謝花直美(沖縄タイムス記者)
1-2 戦時体制下台湾における集団疎開―台北師範学校女子部の集団疎開体験者の聞き書き調査を事例として
佐藤純子(東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士課程)
1-3 中国残留日本人女性のオーラル・ヒストリー~移動・家族・従軍看護婦を中心に~
竹原信也(奈良工業高等専門学校)
1-4 ドミニカ日本移民のライフストーリー―記憶の語り―
森川洋子(明治大学大学院教養デザイン研究科博士後期課程)
1-5 福井県の戦傷病者の家族のオーラル・ヒストリー
藤原哲也(福井大学学術研究院医学系部門)

自由報告部会2(運動・労働) 162D講義室
司会:湯川やよい(東京女子大学)、石川良子(松山大学)
2-1 脱毛症当事者コミュニティの運動史――あるカリスマ的女性を中心に
吉村さやか(日本大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程)
2-2 元自衛隊員のオーラルヒストリー:調査の意義と難しさ
松田ヒロ子(神戸学院大学現代社会学部)
2-3 ソ連期ウズベキスタンにおける手工芸の社会主義的生産体制と女性の労働経験:元工場労働者への聞き取り調査から
宗野ふもと(筑波大学人文社会系特任研究員)
2-4 生きている過去:草創期インドネシア地方社会の集団的暴力の語りと現在
山口裕子(北九州市立大学文学部)
2-5 三陸の突棒漁における困難と漁師の希望―太平洋戦争中~1960年代に着目して―
吉田静(立教大学大学院社会学研究科)

16:00〜18:00 研究実践交流会 161C講義室

オーラル・ヒストリー/ライフストーリーの現場性を問い、
一歩を踏み出すために
―「聞くこと」と「書くこと」を結ぶもの/隔てるもの―

【司会】平井和子
【発題者】1.大門正克「askからlistenへ―聞く現場の身体性回復のために」
     2.倉石一郎「「書く」ことの現場性について
       ―書く実践のよどみとこわばり」
【趣旨】
 オーラル・ヒストリーの実践において、「聞くこと」と「書くこと」が車の両輪をなす大切な営みであることに異論の余地はほとんどないだろう。しかしこの二者がどのようにつながり、絡み合っているかという相互関係については、個々のオーラル・ヒストリアンの「流儀」やスタイルの問題として個人化され、公の場でほとんど討議されたり検討されることがなかった。この実践交流会は、聞くことと書くことの「現場性」にこだわり、秘技化されがちなこれらのあり方を公の討議に付し、孤立しがちなオーラル・ヒストリアン間に共同性を回復させることを企図したい。
 このうち「聞く」営みの現場性については、大門正克氏の著書『語る歴史、聞く歴史―オーラル・ヒストリーの現場から』(岩波新書、2017年)が明確な展望を与えてくれた。本書のなかで、1970年代以来の長い聞き取り調査の経験をもつ氏が、自身の聞き書きに「大きな壁」を感じ、それを機にAskからListenへと、「聞く」姿勢の根本的な態度変更をするに至った経緯が述べられている。生身の人間があい対する「聞く現場」にとことんこだわり、そこで感取された身体性を歴史叙述の根幹に据えるという姿勢である。
 そこでこの実践交流会では、まず大門氏から「聞く」ことをめぐる基調提起をいただき、それに触発された形で、倉石一郎から、近著『増補新版 包摂と排除の教育学』の経験を踏まえ、「書く」ことをめぐる応答的問題提起を行う。それに引き続き、会場の参加者が小グループに分かれて意見や疑問を出し合うワークショップ形式で議論を深めていきたい。「聞く」と「書く」との混沌とした関係性について、参加者が経験を交換(歓)し、報告者も交えて討論することで、各々がいくばくかの道筋を見出していく契機となる場としたい。
(文責・研究活動委員会 倉石一郎)

18:15〜20:15 懇親会 食堂ルーチェ

第2日目 9月2日(日)

9:30~12:00 自由報告部会
自由報告部会3(文化・メディア) 162C講義室
司会:矢野泉(横浜国立大学)、米倉律(日本大学)
3-1 基地内クラブとAサインクラブの実態―本土復帰前後を中心に―
澤田聖也(東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化専攻修士課程)
3-2 ポール・ダンスのオーラル・ヒストリー——セクシー・ダンスからスポーツへ
ケイトリン・コーカー(立命館大学衣笠総合研究機構)
3-3 自然災害と都市文化―岩手県釜石花街に関する聞き取りを中心に―
中原逸郎(京都楓錦会)
3-4 社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究、沖縄返還密約をめぐる『メディアの敗北』の研究
西村秀樹(近畿大学人権問題研究所)
3-5 放送史研究における「オーラル・ヒストリー」の考え方と実践的方法論試案
吉田功、広谷鏡子(NHK放送文化研究所メディア研究部)

10:00〜12:00 大会校企画テーマセッション 162D講義室

女性の声を聴く

【司会】岩崎美智子(東京家政大学)
【コメント】山田富秋(松山大学)
【趣旨】
 本セッションの目的は、それぞれの「現場」で女性の声を聴き、彼女らの経験について考察を続けてきた3人の方々の聞き取りの実践から学ぶことにある。
 女性が自分の経験を語る(語らない)のはなぜなのだろうか。そして、語られた(語られなかった)言葉からわたしたちは何を受け取るのだろうか。戦前は語られることの少なかった女性の経験を、戦後になって聞き取る試みが各地で行われるようになった。女性が主体的に生きるために、自らに問い、社会と格闘してきたことを、聞き取りを続けてきた研究者・実践者から報告していただき、「聴く」ことの意味や聞き手の役割についても考えたい。
 3人のご報告に山田富秋さんからコメントを加えていただくが、フロアーからの発言も大いに期待している。

【第一報告】「東北の農婦(おなご)」の声を可聴化するために:石川純子の聞き書きをめぐる一考察
柳原 恵(日本学術振興会特別研究員PD(立教大学))
【第二報告】 避難の体験に耳をすまして
薄井篤子(神田外語大学他非常勤講師、特定非営利法人埼玉広域避難者支援センター副代表理事)
【第三報告】 突如破られた「沈黙」と日常化されていた「圧力」
山村淑子(地域女性史研究会事務局長)

12:05〜13:05 総会 161B講義室

13:30〜16:30 シンポジウム 161C講義室

食に聴く・食を書く―食の媒介者たちをめぐる歴史と社会―

【司会】橋本みゆき・倉石一郎
【パネリスト】桜井厚氏、赤嶺淳氏、野本京子氏
【コメント】藤原辰史氏
【趣旨】
 個人の体験への接近を通じて社会や文化の歴史的変遷を明らかにすることが、オーラル・ヒストリー研究の目的の一つであるとすれば、「食」のあり方を手がかりにある時代の一面を浮き彫りにするという営みもまた、オーラル・ヒストリーにとって極めて魅力的かつ重要な課題の一つである。また食には「いのちをつなぐ」営みという側面がある(赤嶺淳「『食生活誌』学の確立をめざして」赤嶺編『クジラを食べていたころ』新泉社、2011)とすれば、それは人の「生存」を問うライフストーリー/ライフヒストリー研究の焦点となり得ると考えられる。近年、社会学・人類学・歴史学といった関連領域において、食をテーマとする魅力的なモノグラフの刊行が相次いでいる。それらにおいて注目されるのは、食の生産/消費という二分論を超えて、食にたずさわる多様な媒介者の存在―加工者、流通業者、料理人など―にクローズアップし、その声を聞き取ることで豊かな社会像や歴史を描くのに成功している点である。
 本学会においても少なからぬ会員が、こうした動きに並行して、あるいはそれ以前からずっと、食や食生活への視点を研究に取り込んだ仕事を蓄積させてきた。しかしそれらの成果は点として存在したままで、これまでそれらを線としてつなぐ場はあまりなかった。今回のシンポジウムが、食をめぐるオーラル・ヒストリー研究がさらに深化・発展を遂げていく契機となれば幸いである。今回のパネリストの三氏およびコメンテータはいずれも、社会学・人類学・歴史学の各分野において食文化や食生活にまつわる歴史・社会研究を牽引し注目すべき研究成果を挙げてきた方々であり、活発な討議が期待される。
(文責・研究活動委員会 倉石一郎)

JOHA16 自由報告部会・大会校企画テーマセッション報告要旨

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会1(戦争・移民)

1-1 米軍占領と復興に奪われた故郷「金武湾」区―子ども世代による記憶の共有と社会化
謝花直美(沖縄タイムス記者)
 本報告では、沖縄戦後に軍用地となり未解放だった那覇市に戻れなかった人々が集住した沖縄島中部の「金武湾区」の発生から隆盛、衰退の歴史を明らかにし、当事者の記録活動を通して、記憶を共有し社会化しようという試みと米軍占領の影響を考察する。
 沖縄島中部の旧具志川村に戦後誕生した「金武湾区」はデパートや劇場があり、戦後復興の象徴として知られた。那覇市での生活再建を求めた大人にとっては通過地点でしかないが、子ども時代を同区で過ごした現在70~80代には故郷であり、喪失感を抱く。米軍の土地接収は金網の中に多くの集落を奪ったが、その過程で、社会の記憶から忘れられていった「金武湾」区がもつ意味を論じる。

1-2 戦時体制下台湾における集団疎開―台北師範学校女子部の集団疎開体験者の聞き書き調査を事例として―
佐藤純子(東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士課程)
 1943年戦況が悪化していく中、疎開に関する実施要綱や促進要綱が日本政府により次々に打ち出されていった。台湾においても例外ではなく官庁や工場、建物の疎開に留まらず、児童・生徒の集団疎開も実施された。台北師範学校女子部も空爆からの避難を余儀なくされ、1945年6月から約半年間、台中州(現在の南投県)に集団疎開を行った。本報告は当時女子学生として、その集団疎開を実際に体験した今年満90歳になる台湾在住の生存者2名に聞き書き調査を行ったものである。当時の記憶を疎開政策や回想録などの文献と照合しながら、終戦目前の統治下台湾における集団疎開の一事例の検証を試みた。

1-3 中国残留日本人女性のオーラル・ヒストリー~移動・家族・従軍看護婦を中心に~
竹原信也(奈良工業高等専門学校)
 本報告は、戦後・満州で八路軍に従軍看護婦として留用され、10年にわたり中国国内を転々とした女性のオーラル・ヒストリーである。彼女は中国・済南の日本人居留地で生まれ、満州・女学校時代に挺身看護隊として学徒動員された。終戦後は八路軍に従軍看護婦として留用され中国国内を転々とした。本報告では帝国主義的拡張や戦争といった社会的な出来事に翻弄されながら家族や居住地、職業や立場が転々としていく彼女の体験を「帰国」後の生活も含めて報告する。日赤看護婦を中心とした八路軍従軍看護婦史や日本から満州への移住者を中心とした中国残留日本人史では捉えきれない彼女の体験がどのような意味を持つのか。近年注目されるトランスナショナル・越境研究や近代東アジアの女性移民研究の切り口を参考にしながら考察する。

1-4 ドミニカ日本移民のライフストーリー―記憶の語り―
森川洋子(明治大学教養デザイン研究科博士後期課程)
 口頭で話を聞くことの意義の一つは、大きな歴史の流れの中で見過ごされがちな名もなき移民の人たちの声を掬いあげ、個人の抱えている問題をこまやかに掘り下げて、時代と社会の変化との関係で考察することにある。ドミニカ日本移民については、国家賠償訴訟にまで発展した戦後最悪の移民問題として注目されたため、国家の政策と責任に関する問題に集中しがちである。本報告では、「棄民」と言われて訴訟にまで発展した移民物語とは異なるドミニカ移民の経験の解釈もあることを明らかにする。ドミニカ日本移民の高齢化にともない記憶や記録が散逸しつつあり、どのようにドミニカ体験を語り、その記憶に向き合ってきたについて貴重な手がかりとなると考える。

1-5 福井県の戦傷病者の家族のオーラル・ヒストリー
藤原哲也(福井大学学術研究院医学系部門)
 本報告では、福井県の戦傷病者の家族(妻)の聞き取りを通じて、彼女たちの福井県傷痍軍人会・妻の会の活動への参加状況や生活実態を明らかにする。報告者は平成23年から現在に至るまで福井県下での戦傷病者の家族への聞取り調査を実施してきた。戦傷病者の記録に関しては、日本傷痍軍人会機関紙『日傷月刊』や県・地域単位の出版物や手記があり、その中に妻たちの証言も散見されるが、実際どのように彼女たちが傷痍軍人会や妻の会に関わってきたのかなど不明な点も多い。聞取り調査から彼女たちは戦傷者の配偶者として介護から会の運営まで多様な役割を担ったことがうかがえる。彼女たちの視点から戦後社会における戦傷病者とその家族について考察する。

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会2(運動・労働)

2-1 脱毛症当事者コミュニティの運動史――あるカリスマ的女性を中心に
吉村さやか(日本大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程)
 近年、脱毛症当事者コミュニティの運動が活発化している。その背景には、例えばセクシュアル・マイノリティなど、これまで社会的に不可視化されてきた人びとによる運動と同様に、髪の毛がないことによって生じる「生きづらさ」は個人的な問題ではなく社会的な問題であると、「声」をあげる当事者が増えてきたことがある。
 このような当事者自身による主体的な運動は、1990年代に萌芽していた。本報告では、その運動史を紐解く一端として、黎明期においてカリスマ的存在とされていた、ある当事者女性のライフヒストリーの検討を行う。その作業を通して、当時、彼女はどのようにしてクレイㇺを申し立て、運動を牽引していったのかを明らかにしたい。

2-2 元自衛隊員のオーラルヒストリー:調査の意義と難しさ
松田ヒロ子(神戸学院大学現代社会学部)
 本報告の趣旨は、自衛隊研究におけるオーラルヒストリー調査の重要性と、その調査を遂行する難しさ、さらに調査で得られた記録を学術資料として活用することの意義について論じることである。報告者は、2015年頃より自衛隊の社会史的(あるいは歴史社会学的)研究に取り組んできた。創設期自衛隊(警察予備隊、保安隊含む)の民軍関係を研究するために、2017年1月から12月にかけて、全国20道府県に在住する元自衛隊員40名に対してオーラルヒストリー調査を実施した。インフォーマントは全員、1950年代から60年代に陸上・海上・航空自衛隊で勤務した男性である。個人的に自衛隊と全く縁のなかった報告者が、どのように調査対象者とコンタクトをとり、調査を実施したのかプロセスを紹介しつつ、得られた口述資料の一部について検討を加えたい。

2-3 ソ連期ウズベキスタンにおける手工芸の社会主義的生産体制と女性の労働経験:元工場労働者への聞き取り調査から
宗野ふもと(筑波大学人文社会系特任研究員)
 本報告は、ソヴィエト連邦時代(1924年~1991年)の中央アジア、ウズベキスタン南部の地方都市に存在した、民族帽子や絨毯を生産する「フジュム」芸術製品工場に着目する。そして、工場で働いた女性への聞き取り調査に基づき、ソ連時代にウズベキスタンの女性が経験した社会主義的近代化とはいかなるものだったのかを考察することを目的とする。「フジュム」芸術製品工場は、「女性解放」の理念のもとに1928年に設立され、1970年代には約2000人の女性労働者が働いていた大工場であった。本報告では、まず「フジュム」芸術製品工場の設立と拡大の経緯を公文書館資料を用いて明らかにする。第二に、元労働者の語りを紹介しながら、彼女たちにとって社会主義体制の下での労働がいかなる経験だったのかを考えてみたい。

2-4 生きている過去:草創期インドネシア地方社会の集団的暴力の語りと現在
山口裕子(北九州市立大学文学部)
 本発表では、草創期インドネシア最大の分水嶺となったクーデター未遂とされる「9月30日事件」のあとで、共産主義一掃の旗印の下での集団的暴力にさらされた地方社会の動態とその今日的意味を、当事者の語りに基づき考察する。特に一連の出来事から50年余りが経過した今日、その過去が想起され語られるモメントや、民主化とともに形成されつつある当時をめぐる集合的記憶からは逸脱するようなエピソードや諸特徴に注目する。主体によって制御されない記憶の側面や、語り手を「被害者」「加害者」などの一元的アイデンティティから解放しようとする近年の関連諸分野の成果を参照しながら、人間と過去とが切り結びうる多様な関係性について考えてみたい。

2-5 三陸の突棒漁における困難と漁師の希望―太平洋戦争中~1960年代に着目して―
吉田静(立教大学大学院社会学研究科)
 三陸沖では、船の上から4メートルほどの銛で漁獲対象を突く突棒漁(つきんぼうりょう)が盛んに行われていたが、儲かる漁ではなくなっていくなかで、突棒漁の従事者は減り、小規模な漁のみがわずかに存続している。本報告ではまず、太平洋戦争中~1960年代に三陸沿岸の漁村の突棒漁師が直面することになった突棒漁を取り巻く困難を示していく。その上で、困難な状況を打開するために期待をかけたオットセイ漁への解禁運動に触れ、解禁運動の不結実という結果がどのように受け止められているのかを突棒漁に関わる人びとへの聞き取り調査から明らかにしていく。そうすることを通じて、不結実の結果を追認することや過去へのノスタルジーに浸ることなく、漁師にとっての希望の所在を考察する。

9月2日(日)9:30〜12:00 自由報告部会3(文化・メディア)

3-1 基地内クラブとAサインクラブの実態―本土復帰前後を中心に―
澤田聖也(東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化専攻修士課程)
 復帰前後における沖縄のロック・ミュージシャンの演奏場所は基地内クラブとAサインクラブであった。前者は米軍基地内にある米軍主導のクラブ、後者は基地周辺にある民間主導のクラブであり、両者は沖縄にありながら「アメリカ的体験」ができる特異な空間であった。こうした場所に出入りできる人は沖縄の人でも一部の関係者だけであり、その空間が一体どのようなものだったのかほとんど明らかにされていない。
 本報告では、復帰前後(1960年代半ば~1970年代後半)の基地内クラブと民間クラブで活動していたミュージシャンにインタビューをすることで、2つのクラブのシステムや音楽、契約、環境等を整理し、ミュージシャンの視点から見た演奏空間の実態を把握する。

3-2 ポール・ダンスのオーラル・ヒストリー——セクシー・ダンスからスポーツへ
ケイトリン・コーカー(立命館大学衣笠総合研究機構)
 本発表の目的は、関西のポール・ダンスのオーラル・ヒストリーを作成し、2005年から現在までの期間をポール・ダンス歴の過渡期として明らかにすることである。より具体的にいうと、この間でポール・ダンスは、 ①風俗の職種から一般女性が自分の性やジェンダーに向き合える習い事へ、②セクシー・ダンスから技で競い合うスポーツへ、③女性向けのみの習い事から男性ならびに子供向けの実践へ、と変容しつつである。総合的にこれらは直線的な変容ではなく、ポール・ダンスの多様化である。本発表で、なぜポール・ダンスは実践者および環境によってセクシー・ダンスにもスポーツにもなりうるのかを考察し、国際的な現象の一部分ならびにローカルな現象としてその実践を描き明白にする。

3-3 自然災害と都市文化–岩手県釜石花街に関する聞き取りを中心に–
中原逸郎(京都楓錦会)
 花街は芸舞妓が芸(芸能と同義)と地元言葉による会話で、顧客を楽しませる場である。ところで、岩手県には昭和40年代後半(1970〜)までは釜石、遠野等10花街が存在した。釜石花街には漁業関係者と造船業者が育てた独特な「おでんせ(おいでください)」文化と呼べる接待文化があったと言う。釜石花街と東京八王子花街の交流は、東日本大震災(2011)時に遡る。震災による津波で楽器、着物ほか芸妓(者)業に関わる諸道具を失い避難所暮らしの釜石最後の芸妓に八王子花街の女将が三味線を差し入れたことが契機であった。本発表では震災における釜石と八王子花街の芸と心の交流を振り返る。

3-4 社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究、沖縄返還密約をめぐる『メディアの敗北』の研究
西村秀樹(近畿大学人権問題研究所)
 昨年に続く第二弾の発表(社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究)。本作品(沖縄のローカル局琉球朝日放送が2003年放送)は沖縄返還密約を取り扱ったドキュメンタリー作品である。この事件をめぐっては、澤地久枝『沖縄密約』岩波現代文庫と山崎豊子『運命の人』文春文庫を持ち出すまでもなく、日本の戦後メディア史に記録される大きな事件であるが、その一方で、日本政府の沖縄密約をすっぱ抜いた凄腕新聞記者・西山太吉は国家公務員法(機密漏洩のそそのかし)違反に問われ検察はネタ元の女性外務省職員との間の男女問題に論点をすり替えた。
 土江は長く沈黙を守る西山を説得し番組を完成させた。その成立過程をインタビューした。

3-5 放送史研究における「オーラル・ヒストリー」の考え方と実践的方法論試案
吉田功、広谷鏡子(NHK放送文化研究所メディア研究部)
 放送史研究においては、文書資料や映像・音声に加え、放送の発展に寄与した人々の証言が用いられてきた。NHK放送文化研究所では、関係者の証言を収集し、「放送のオーラル・ヒストリー研究」を数年前から続けているが、その共通基盤となる考え方、方法論については、現在も模索中である。そこで今回は、所内で実施した「オーラル・ヒストリー研究会」での議論をベースに、放送史に適用していくための「オーラル・ヒストリー」の基本的な考え方と、具体的な方法論について報告する。特に、①「聞き取りに際して」の留意すべきポイント、および、②貴重な証言を活用できる記録とするための「保存、整理、活用について」の2点を中心に、実践に役立てるための提案としたい。

9月2日(日)10:00〜12:00 大会校企画テーマセッション「女性の声を聴く」

【第一報告】「東北の農婦(おなご)」の声を可聴化するために:石川純子の聞き書きをめぐる一考察
柳原 恵(日本学術振興会特別研究員PD(立教大学))
 報告者は、東北・岩手におけるフェミニズムのありようを明らかにするために、当地において活動してきた女性たちへライフストーリー・インタビューを行ってきた。語り手の一人である石川純子(1942-2008)は、70年代から「東北の農婦(おなご)」の聞き書きを実践してきたフェミニストである。石川の言葉を借りれば、「東北の農婦(おなご)」は、地域、職業階層、ジェンダーの面で複合的に周縁化された「三重の疎外」にある存在である。本報告では、石川の「農婦(おなご)」への聞き書きを、石川自身のライフストーリーも対象にしながら分析し、沈黙のうちにある女性の声を可聴化する条件や、聞き書きの経験が石川のフェミニズム思想にもたらした影響について考察したい。

【第二報告】 避難の体験に耳をすまして
薄井篤子(神田外語大学他非常勤講師、特定非営利法人埼玉広域避難者支援センター副代表理事)
 2011年3月に発生した東日本大震災と原発事故によって避難した方々に出会い、支援活動の中で少しずつ女性たちに話を聞くようになった。7年が経った今、震災以前の生活、暮らしの中での体験を聞くように努めている。耳を傾けていると、あの日までの「あたりまえの日常」の中で自分がどのように生きてどのようなことを大切にしてきたかを本人が再確認するような瞬間がある。それはまた、離れてしまった故郷の、地域の歴史の一部でもある。語ることと聞くことの中で、<語り継がれること>が浮かび上がってくる。聞き手の私には、それは女性たちが自分自身と故郷の、これからにつながっていくと思える瞬間でもある。女性たちの体験が孤立せず、受け継げるように一人ひとりの話に耳をすませていきたい。

【第三報告】 突如破られた「沈黙」と日常化されていた「圧力」
山村淑子(地域女性史研究会事務局長)
 1978年以降、「あたりまえに生きてきて、何の取り柄もないから話すことはない」と述べた昭和一桁(1926-1935)世代の女性たちとの出会いは、私にとって「あたりまえに生きてきた」女性と戦争の関わり合いを再考する契機となった。交流が積み重なると、「物心ついた時には既に戦争が始まっていた」、「戦争中学べなかった時間を取り戻したい」、「女に生まれたというだけで奪われていた私の人生を取り戻したい」と、個々の「人生」が語られていくようになる。その過程で、突如、女性たちの内心にしまい込まれていた「沈黙」が破られ、同時に、女性たちに「何も話すことはない」と言わしめた日常化された「圧力」もみえてきた。女性たちの内心から表出された「沈黙」と「圧力」を考察してみたい。

JOHAニュースレター32号(訂正版)の発行

JOHA会員 各位

昨日お送りしたJOHAニューズレター32号に誤りがございました。
お詫び申し上げますとともに、訂正いたします。
訂正版はこちら(JOHA NewsLetter No.32.3rd)になります。

JOHAニューズレター32号
4ページ
1.大会プログラム
【第一分科会】
【誤】松平けやき
→【正】松平けあき
*敬称略

7ページ
2.自由報告要旨
【第一分科会】
【誤】松平けやき(上智大学・大学院)
→【正】松平けあき(上智大学)
*敬称略

 

今号は、日本オーラル・ヒストリー学会第15回大会の特集号となっています。
大会は9月2、3日に、近畿大学東大阪キャンパスにて行われます。
みなさま、奮ってご参加ください。

 

2017年8月2日
JOHA広報委員

JOHA15(第15回学会大会) 自由報告エントリー募集

JOHA第15回大会の自由報告の報告者(英語報告部会を含む)を募集します。

1.自由報告エントリー募集
報告を希望する会員は、申込用紙に氏名・所属(あるいは職業)・住所・電話番号等・報告種別(個人・共同)・報告タイトル(日本語および英語)、報告要旨(300字、日本語)、情報機器利用の有無を添えて、以下の手続きでお申し込みください。(申込用紙ファイルはこちら→JOHA15entry
申込は電子メールにファイルを添付して、または郵送でお願いします。申込資格は、申込時点でJOHAの会員であること、および2017年度会費納入済みであることです。
締切りは6月19日(月)(必着)です。

第15回日本オーラル・ヒストリー学会大会
日時:2017年9月2日(土)~3日(日)
2日(土)午後:自由報告・大会校企画シンポジウム・懇親会
3日(日)午前:自由報告、午後:総会・シンポジウム
自由報告部会:2日(土)13:00~15:00、
3日(日)9:00~12:00(両日とも予定)
会場:近畿大学東大阪キャンパス(近鉄大阪線・長瀬駅)
〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局(下記参照)

2.テーマ・セッションについて
ニュース・レターでテーマ・セッションを公募すると予告していましたが、事前に公募できませんでした。不手際を深くお詫びいたします。そこで、今回は準備されていた会員のために、自由応募で応募され、代表の方が、「部会をグループで構成したい」旨を添えて、申し込んでください。

JOHA事務局・佐々木てる (joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
研究活動委員長・蘭信三 (araragi[at]sophia.ac.jp)

◆自由報告申し込み手続き
1.申込用紙に記入し、メールに添付して、必ずJOHA事務局・佐々木てる(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)と研究活動委員会委員長・蘭 信三(araragi[at]sophia.ac.jp)の両方宛にお送りください。折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメールは[at]の部分は@を入力ください。
2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。

〒030-0196 青森県大字合子沢字山崎153-4
青森公立大学 佐々木てる研究室
日本オーラル・ヒストリー学会事務局
FAX 017-764-1570
メールアドレス joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp

JOHA14 大会プログラム

日本オーラル・ヒストリー学会 第14回大会 プログラム概要(簡略版)
Japan Oral History Association 14th Annual Conference

*大会プログラム(当日配布用)ご入用の方は「JOHA14program_2nd ver.」をクリックしてください。

開 催 日:2016年9月3日(土)~4日(日)
開催場所:一橋大学佐野書院
如水会百周年記念インテリジェントホール(一橋大学国立西キャンパス)
交通手段:JR中央線国立駅南口より徒歩約10分。
一橋大学佐野書院アクセスマップ
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~coe-res/paper_doc/sano.pdf
一橋大学国立キャンパスマップ
http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
参 加 費:会員 1,000円(2日通し)、非会員 一般:2,000円(1日参加1,000円)
学生他:1,000円(1日参加500円)
開催校理事:小林多寿子、赤嶺淳、平井和子
学会事務局:佐々木てる、研究活動委員会委員長:蘭信三、会計:中村英代

自由報告者へのお願い
〇自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
〇配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50 部ほど印刷し、ご持参ください。
〇各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USB メモリ等にプレゼンテーションのデ ータをお持ちください(ご自身のPC 等をご使用の場合、RGB ケーブル接続のみでUSB などの接続 方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存 したUSB メモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場 担当者にご相談ください。

参加者へのお知らせ
〇会員・非会員ともに両日の受付をお願いいたします。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
〇昼食はJR 国立駅および一橋大学周辺の食堂等をご利用いただくなど、各自でご用意ください。なお、 会場近辺にコンビニはありません。佐野書院会場内には飲料自販機もありませんので、国立駅周辺で 事前に購入して来場されることをお薦めします。
〇大きな荷物を佐野書院1階ロッカールームに一時置くことができますが、スタッフが常時しておりませんので貴重品は各自管理をお願いいたします。

※保苅実写真展同時開催※
9月3日~4日
会場:一橋大学佐野書院ロビー
*保苅実写真展のポスターはこちら(hokari_photo)をクリックしてください。

※懇親会のご案内※
9月3日(土) 18:00~20:00
会 場:一橋大学佐野書院 第一室(ブッフェ形式)
参加費:3,000円、学生その他1,500円
(お支払いは受付時、および、懇親会会場受付でお願いいたします。)

 

第1日目 9月3日(土)
12:00       受付開始

13:00~15:30    自由報告
第1分科会(一橋大学佐野書院会議室)  司会:橋本みゆき・大門正克
1-1 芸能享受心性の合目的性
川崎瑞穂(国立音楽大学)
1-2 かくれキリシタン信仰における「伝説」に関する一考察-長崎県を事例として-
小泉優莉菜(神奈川大学)
1-3 陸前高田市立第一中学校避難所で「福祉避難室」はいかにして成立したか
-高齢者を支援した被災者たちの語りから
齋藤公子(立教大学)
1-4 薬草、ARV、バイアグラ-北部タイ農村におけるHIV/AIDSの薬剤誌
日野智豪(東京福祉大学)

第2分科会(一橋大学佐野書院第1室)  司会:石井 弓・倉石一郎
2-1 調査対象者と同じ属性を有することによる調査の困難
徳安慧一(一橋大学)
2-2 海外調査で得られたデータ分析の妥当性
山崎晶子(一橋大学)
2-3 日中通訳者のオーラルヒストリーから見る通訳規範意識とその形成要因
平塚ゆかり(順天堂大学)
2-4 女性研究者が「男性の経験」を語ることの困難
関根里奈子(一橋大学)
2-5 アウシュヴィッツのガイドたち-オラリティと感情労働の視点から
田中雅一(京都大学)

15:45~17:45  シンポジウム (一橋大学佐野書院会議室)
保苅記念シンポジウム――いまあらためて「保苅実の世界」を探る

一橋大学は日本におけるオーラルヒストリー研究のメッカだ。これまで数々のオーラルヒストリアンを生みだしたが、なかでも伝説的な存在となっている保苅実の存在は光を放っている。そこで、一橋大学でJOHA第13回大会を開催するにあたって、若き保苅が学び、歴史学をこえる新たな道標となるような「保苅実の世界」を培った国立キャンパスにおいて、「いまあらためて保苅実の世界を探る」シンポジウムを開催する。
保苅実の『ラディカル・オーラル・ヒストリー』(2004)をめぐっては、その学説史的な意義、方法論的な可能性、そして保苅実の生き方としての歴史実践等々についてこれまでも論じられてきた。しかし、保苅没後12年が経った本年、しかも「歴史研究にとってのオーラルヒストリー」を今次の共通課題とするにあたり、その記念碑的な研究が培われた一橋大学において、「保苅実の世界」が今どのように読みつがれるのかをJOHAが問い直すのは絶好のタイミングであろう。
登壇者としては、歴史学者として市民の手紙や日記や回想録といったエゴ・ドキュメントに着目して新たな歴史学を切り拓く松井康浩さん(九州大学)、語りや記念碑や表象を素材に歴史社会学や戦争社会学を切り拓く野上元さん(筑波大学)に登壇をお願いし、JOHAの若手を代表して被爆経験のライフストーリーを深める八木良広さん(愛媛大学)が登壇し、それぞれの立場から保苅実の世界を論じる。司会は一橋大学の小林多寿子さんが務める。

司会:小林多寿子(一橋大学)
第一報告 原爆被害の歴史実践と対話の可能性―保苅実への応答として
八木良広(愛媛大学)
第二報告 歴史が聞こえてくること-方法的ラディカリズムと歴史への愛
野上元(筑波大学)
第三報告 実証主義とテクスト主義を超えて-歴史研究者は保苅実から何を得たか
松井康浩(九州大学)

18:00~20:00
懇親会(一橋大学佐野書院 第1室)

 

第2日目 9月4日(日)
9:00        受付開始

9:30~12:00     自由報告
第3分科会(一橋大学佐野書院第1室)  司会:人見佐知子・山田富秋
3-1 社会の周縁を調査する上でのリスク評価と回避法確立の重要性
大島 岳(一橋大学)
3-2 「科学」というちっぽけな銃を片手に僕たちは<語られる人生>に挑む
-犬死しないために、フィルター理論からみるライフストーリー論再考
田野綾人(立教大学)
3-3 1960年代70年代の沖縄をめぐる人類学・民俗学の周辺
猪岡叶英(大阪大学)
3-4 スタッズ・ターケルの作品の意義について
栗木千恵子(中部大学)

第4分科会(一橋大学佐野書院会議室)  司会:佐藤 量
テーマセッション:「満洲の記憶」とオーラルヒストリー
解題 「満洲の記憶」とオーラルヒストリーを問うということ
佐藤 量(立命館大学)
4-1 帰国邦人団体の会報から見る戦後日本の「満洲の記憶」
:安東会会報『ありなれ』の分析を中心に
菅野智博(一橋大学)
4-2 満洲国軍陸軍軍官学校の朝鮮人
:「日系」として入校した唯一の朝鮮人・金光植の語りから
飯倉江里衣(東京外国語大学)
4-3 満鉄留魂碑建立をめぐる紛糾と満鉄魂の顕彰について
湯川真樹江(学習院大学)

12:05~13:00
総会(如水会百周年記念インテリジェントホール(一橋大学国立西キャンパス))

14:00~17:00
シンポジウム(如水会百周年記念インテリジェントホール)
日本軍「慰安婦」問題とオーラル・ヒストリー研究の/への挑戦

日本におけるオーラル・ヒストリー実践の底流には、アジア・太平洋戦争や「大日本帝国」の植民地にかかわる様々な経験への振り返りがあった。その系譜は日本オーラル・ヒストリー学会に引き継がれ、2003年の学会発足以来、戦争・植民地に関するオーラル・ヒストリー実践は促進されてきた。しかし、本学会が今日まで十分に引き受けてこなかった課題がある。その一つが、アジア・太平洋戦争に伴う同地域に拡がる日本軍「慰安婦」問題である。
1990年代以降、日本軍「慰安婦」問題をめぐる日本国内の論争の過程はいくつかの時期に区分されよう。近年、研究や運動のグローバルな展開、日韓両国政府の動きや歴史認識をめぐる対立の激化などに伴い、国内の議論はいっそう混迷を深め、この論争は新たな局面を迎えているといわれる。オーラル・ヒストリー研究に期待される役割も、それとともに変化し、歴史修正主義的な否認言説への応戦にとどまらない貢献が求められるようになっている。同時に、日本軍「慰安婦」問題を通じてオーラル・ヒストリー研究やその方法論もまた、批判的な検討が迫られている。
そもそも、本問題は韓国人元「慰安婦」の名乗り出(1991年)によって社会問題化され、その「証言」が争点の一つであった。そこでは、オーラル・ヒストリー研究は大きな役割が期待されていたにもかかわらず、本学会の主要課題として取りあげられることはなかった。
このような経緯で、私たちは本学会において日本軍「慰安婦」問題に正面から挑んでみることにした。本パネルでは、韓国、フィリピン、日本における多様な事例を、聞き取り、裁判資料、テクストを用いた広義のオーラル・ヒストリー実践を通して検討していく。この挑戦は、オーラル・ヒストリー研究の可能性を拓くとともに、日本軍「慰安婦」問題や戦時性暴力をめぐる研究のさらなる深化を可能とするだろう。

司会 平井和子(一橋大学)
趣旨説明 日本軍「慰安婦」問題とオーラル・ヒストリー研究の/への挑戦
山本めゆ(日本学術振興会特別研究員(津田塾大学))
第一報告 韓国の「慰安婦」聞き取り作業の歴史ー「証言集」を中心に
山下英愛(文教大学)
第二報告 フィリピン・セブにおける日本軍性暴力―BC級裁判資料を中心に
岡田泰平(静岡大学)
第三報告 日本人「慰安婦」被害者のテクストを読む
ー城田すず子さんの資料に注目して
木下直子(日本学術振興会特別研究員(大阪大学))
コメント一 佐藤文香(一橋大学)
コメント二 成田龍一(日本女子大学)