シンポジウムの企画と延期のお知らせ

日本オーラル・ヒストリー学会では、数カ月前から6月13日(土)に戦争体験の「二次証言」の可能性をめぐるシンポジウムを開催するべく、準備を積み上げておりました(企画の詳細については案内用のチラシをご確認ください)。
しかしながら、ご承知のように、新型コロナウィルス感染の拡大のため、シンポジウムを予定通り開催することは困難となりました。そこで本会の理事会で慎重に協議を重ねた結果、誠に残念ながら、シンポジウムの開催を延期することにいたしました。いつ開催するのかという点については未定ですが、詳細が確定次第あらためてお知らせいたします。どうか今後とも本会の活動にあらためてご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

シンポジウム案内用チラシ

 

JOHA18(第18回学会大会) 自由報告エントリー募集

JOHA第18回大会を以下のように開催いたします。つきましては自由報告(個人報告/共同報告/テーマセッション)の報告者を募集します。

現在のところJOHA第18回大会は、9月12日・13日に立命館大学衣笠キャンパスでの開催を予定していますが、新型コロナウィルス感染拡大の今後の状況をふまえ、中止の可能性もあります。
当初の予定通り開催するか、あるいは中止するかについては、決定次第すみやかにウェブサイトで発表するとともに、会員のみなさまにはメーリングリストでもご案内いたします。
また、仮に中止となった場合は、報告申込をされた方々の研究発表の機会をどのような形で提供するかもあわせて検討中です。
大会開催について理事会内で協議していたため、報告募集の開始が例年よりも遅れてしまったこと、お詫び申し上げます。

なお、大会時託児サービスも昨年同様に実施する予定です。詳細は、大会プログラムが確定する7月頃にあらためてお知らせしますので、あわせてご利用ください。

 

第18回日本オーラル・ヒストリー学会大会
日時:2020年9月12日(土)~13日(日)
12日(土)午後:自由報告
13日(日)午前:自由報告、午後:総会・シンポジウム

会場:立命館大学 衣笠キャンパス
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1

〇個人報告および共同報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
〇テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定されます。各報告時間は個人発表に準じて1人20分を目安とし、セッション全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターはコーディネーターが調整してください。

報告を希望する会員は、以下の応募要項に沿ってお申し込みください。
申込用紙ファイルはこちら→個人報告/共同報告テーマセッション

【応募要項】
◆申し込み資格
申込時点でJOHAの会員であること、および2020年度会費納入済みであることです。
(会費納入のお知らせ、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)

◆申し込み手続き
1.申込用紙に必要事項を記入し、メール添付で下記2アドレスにお送りください。
JOHA事務局・矢吹康夫(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
研究活動委員会委員長・橋本みゆき(5522825[at]rikkyo.ac.jp)
必ず両方宛にお送りください。折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメールは[at]の部分は@を入力ください。

2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。

〒171-8501
東京都豊島区西池袋3-34-1
立教大学社会学部矢吹康夫宛
日本オーラル・ヒストリー学会事務局

◆申込締め切り
6月1日(月)(必着)

◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局(上記参照)
JOHA事務局・矢吹康夫 (joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)

オーラルヒストリー実践ワークショップ 開催延期のお知らせ

3月26日(木)に開催を予定していた「オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」3 『語り継ぐいいおか津波』の現場を歩く」は、新型コロナウィルス感染症が拡大する現況に鑑み、今回は見合わせとしました。参加を予定・検討されていた皆様にはたいへん申し訳ありません。ご理解、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

今後の開催につきましては、状況が収まった後を見込んで再検討し、改めてご案内いたします。

オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」3 『語り継ぐいいおか津波』の現場を歩く

美しい九十九里浜を臨むまちで標記ワークショップを開催します。

『語り継ぐいいおか津波──被災者聞き取り調査記録集』や「復興かわら版」を発行してきた地元NPOに協力いただいて、東日本大震災9年後の津波被害地域を歩くとともに、地道に続けておられる聞き書き・発信活動について話をうかがいます。ふるってご参加ください。

チラシ

【日時】2020年3月26日(木) 現地集合12時半~現地解散17時過ぎ

【場所】千葉県旭市飯岡地域

【対象】オーラルヒストリーの作品化や災害、地域づくりに関心ある方(先着20名)

【参加費】JOHA会員500円(学生他も同額)、非会員1000円。このほか昼食代1500円をご用意ください。

【参加申込・お問合せ】参加を希望される方は3/19までにE-mailでJOHA研究活動委員会・能川(ysnogawa[at]staff.kanazawa-u.ac.jp)へ、①お名前、②当日の緊急連絡先、をお知らせください。
※ [at]を@にして送信してください。

《スケジュール》
12:30   現地集合 [カントリ-ハウス海辺里]
*高速バス利用者は「飯岡」下車後、NPOの方の車で移動。
昼食、開会・自己紹介など
13:30~16:00 セッション「津波を語る、語りを聴きとる」 [飯岡刑部岬展望館]
①震災をテーマとする語り部・交流会
②聞き書き・かわら版発行・『語り継ぐいいおか津波』について実践交流
16:00~17:00 旭市防災資料館・仮設住宅の見学 [車に分乗]
17時過ぎ 閉会、バス停へ移動

◎受入れ:NPO光と風キャンペーン実行委員会
被災者聞き取り調査記録編集委員会『語り継ぐいいおか津波──被災者聞き取り調査記録集』(2013年、改訂版、1492円)*や「復興かわら版」の発行、復興まちづくり、防災教室等の活動を展開。
*同書は一般書店での取り扱いなし。購入希望あればNPOに問合せ、また当日直接購入も可。

《交通手段》
◎現地まで
‐「東京駅八重洲口前」10:30発(または「浜松町」10:10発など)の京成バスに乗車し「飯岡」下車。バス運賃は降車時に支払い(片道2400円)。
京成バス時刻表
‐または他の交通手段で各自集合場所(カントリ-ハウス海辺里)へ。
*公共交通機関(路線バス等)の本数は僅少。JR「旭」駅から集合場所まで約8㎞。

◎現地での移動:NPOの方々が車を出してくださいます。

◎帰路:1時間に1本程度高速バスの便あり。
*17時解散なら直近で「飯岡」17:34発、最終21:58。

【主催】日本オーラル・ヒストリー学会

『日本オーラル・ヒストリー研究』第16号 原稿募集

 

論文、研究ノート、聞き書き資料、書評、書籍紹介の原稿を募集いたします。投稿希望者は投稿規定・執筆要領を参照の上、以下の編集委員会メールアドレスまで原稿をご送付ください。図版の著作権をはじめ、図版の文字換算など、12号以降は執筆要領の変更が多々あります。また、こちらの記事にリンクを貼っているものが最新版になりますので、ご注意ください。

 

○ 提出原稿は、査読審査を経たのち、6月中旬ごろに掲載の可否が決定します。

 

○ 12号より原稿の提出は、メール添付で受け付けることとなりました。以下のアドレスにご送付ください。学会大会で発表されたみなさんをはじめ、会員のみなさまからの投稿をお待ちしています。投稿に関し、質問があれば、お気軽に以下の問い合わせ先にお訊ねください。

 

○ 募集期間:2020年3月20日(金)~31日(火)

※〆切厳守は従来通りですが、メールによる事故を防ぐため、募集期間を設けます。ご協力ください。

 

○ 問合せ・応募原稿送付先:joha_journal(at)ml.rikkyo.ac.jp

( (at) 部分を@に替えて送信してください。)

 

なお、『日本オーラル・ヒストリー研究』では、規定字数を一般的な学会誌よりも多い28,000字としております。これは語り・口述史資料を十分に扱えるようにするためです。ところが、推敲が不十分なため内容を絞り切れておらず、いたずらに長くなっているだけのように見受けられる投稿論文があります。規定字数の本来の趣旨を改めてご確認いただいたうえでの執筆をお願いいたします。また、論文の形式には収まらない様々な論稿(現場からの報告、聞き書き資料の紹介、調査教育実践の報告など)も募集しております。今期編集委員会では、学術論文のみならず幅広く成果を発表できる場になるよう投稿規定の改訂も検討してまいります。ふるってご応募ください。

 

編集委員長 石川良子

理事会(第9期)

<任期:2019年9月から2021年大会まで>

会長:赤嶺淳

事務局長:矢吹康夫

会計:上田貴子

編集委員長:石川良子
編集委員:今野日出晴
編集委員:佐野直子
編集委員:塚田守
編集委員:根本雅也

研究活動委員長:橋本みゆき
研究活動委員:小林多寿子
研究活動委員:能川泰治
研究活動委員:安岡健一
研究活動委員:山本恵里子

広報委員長:野入直美

監事:岩崎美智子
監事:倉石一郎

日本オーラル・ヒストリー学会第17回大会(JOHA17)のご案内

日本オーラル・ヒストリー学会第17回大会(JOHA17)が2019年9月7日(土)、8日(日)の2日間にわたり横浜市立大学において開催されます。お誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。
報告要旨などの詳細は、順次アップロードしていきますので、いましばらくお待ちください。

日本オーラル・ヒストリー学会 第17回大会
Japan Oral History Association 17th Annual Conference

開 催 日:2019年9月7日(土)、8日(日)
開 催 場 所:横浜市立大学金沢八景キャンパス(〒236-0027  横浜市金沢区瀬戸22-2)
・会場は、キャンパス内YCUスクエア(報告、シンポジウム等)といちょうの館(懇親会)で行われます
交通アクセス:京浜急行線「金沢八景駅」下車徒歩5分、シーサイドライン「金沢八景駅」下車徒歩7分
交通アクセスとキャンパスマップ
大会参加費:会員 1,000円、非会員 一般:2,000円、学生他:1,000円
懇 親 会 費:一般 4,000円、学生他 2,000円
大会時託児サービスを実施します。詳細は こちら をご確認ください。

大会に関してご不明な点がございましたら、JOHA 事務局までお問い合わせください。
E-mail: joha.secretariat(at)ml.rikkyo.ac.jp
※ [at]を@に差し替えて送信してください。

大会プログラム

大会プレ企画 9月6日(金)
中村高寛監督、陳天璽さんと一緒にヨコハマの歴史を歩く、味わう、語る
詳しくは こちら
9月3日追記 大会プレ企画は、定員に達しましたので、申込受付は終了しました。

第1日目 9月7日(土)
10:00 受付開始 @ピオニーホール(YCUスクエア1階)前ロビー

10:30〜13:00 映画『禅と骨』(中村高寛監督、2017年)上映会 @ピオニーホール

【監督紹介】
中村高寛さんは、1975年横浜生まれ。松竹大船撮影所でキャリアをスタートさせた後、北京電影学院でドキュメンタリー映画の手法を学ぶ。帰国後、中国人ドキュメンタリー映画監督李纓氏の撮影助手を務める。『ヨコハマメリー』が監督第1作。今回上映の『禅と骨』は第2作目。DVD化されていない作品のため、実践交流会で話題を提供していただく前に上映することにした。

【作品解説】
1918年に横浜でアメリカ人実業家の父と新橋芸者の母の間に生まれたヘンリー・ミトワの93年の人生をその複雑さ、滑稽さ、胡散臭さ、愛おしさを包み隠さずに作品にした。1923年に横浜で関東大震災を経験し、1940年には単身渡米。日米開戦後すぐに自ら志願して日系人強制収容所で過ごす。アメリカ国籍を放棄するが、帰還船に乗ることを拒否しアメリカに留まる。戦後はロサンゼルスで順風満帆な生活を築いていたが、突然1961年日本に帰国。京都嵐山天龍寺で禅僧になり、古都の文化人や財界人に囲まれて悠々自適の晩年を過ごすとおもいきや、80歳を目前に突如「赤い靴」の映画を作りたいと中村監督を彼の夢に巻き込むことになる。
この作品は、ヘンリー・ミトワの人生を観客に伝えるために、ドキュメンタリー+ドラマ+アニメ+時代背景や制作過程を解説したパンフレットというジャンルを縦横無尽に駆け巡る手法をとった。縦軸には横浜の近現代史の流れと日米関係、とりわけ第二次世界大戦の日系アメリカ人強制収容所体験が暗い影を差す。横軸には家族や友人との関係が彼の人物像を際立たせるように配置されている。一人の人生を歴史軸に据え、かつ、人間関係の網目の中に位置付けることは、オーラルヒストリーの正統的な手法である。本作品は、全部で9つの章に分かれている。

13:00 – 15:30 自由報告部会
第1分科会(戦争)@YCUスクエア4階401 報告要旨
・竹原 信也「移動する女性の体験が意味すること~済南の日本人居留地、満州・錦州での生活経験と八路軍従軍看護婦経験を有する女性のライフ・ヒストリー~」
・四條 知恵「ろう者の原爆の語り」
・那波 泰輔「1980年代のわだつみ会における加害者性との向き合い——1988年の規約改正に着目して」
・福田 真郷「沖縄県の在日米軍基地における「黙認耕作」」

第2分科会(仕事)@YCUスクエア4階403 報告要旨
・中原 逸郎「芸の発信−京都上七軒北野をどりの創成を中心に−」
・三浦 優子「海外駐在員女性配偶者の生活の中の両義性―語りからの考察」
・島田 有紗「高齢者労働力化と就労当事者の経験――高齢自営漁師たちの出漁実践と語りを事例に」
・八鍬 加容子「語り始めた「ホームレス」の人々―『ビッグイシュー日本版』「今月の人」誌面分析から」

16:00〜18:00 研究実践交流会(開催校企画)@ピオニーホール
作品化の手法:伝えること、伝わること、共有すること
【司会】滝田祥子
【発題者】中村高寛 「横浜をめぐる近現代史の聞き取りのドキュメンタリー映画化をめぐっての模索:『ヨコハマメリー』『禅と骨』そしてその先へ」
【趣旨】
研究実践交流会の目的は、オーラルヒストリーの実践をめぐり大会参加者同士が自分自身の研究実践の内容を共有し、今後の研究を続けていく上で有用な気づきを得やすい場をつくることにある。
JOHA2019年春季シンポジウム『ビジュアルオーラルヒストリーの可能性と現在』と実践ワークショップ『作品と現地をつなぐ』の流れを受けて、今回は<作品化>の局面に焦点をあて、聞き取りやオーラルヒストリーインタビューを作品化するときに、1)伝えていくための工夫はどのようにしているのか、2)作品化したあとに実際に伝わったのは何か手応えはあるのか、3)過去の記憶を共有することの難しさと可能性とはなにか、の3つの問いについて議論していきたいと考えている。
まず、前半は中村高寛監督をおむかえし、対話形式でこれまでの作品化のプロセスで苦労した点、工夫した点、成功した点、失敗した点、これからチャレンジしようと思っている企画などについてお話を伺う。実際の映像のダイジェストを見せていただきながら、膨大なビジュアルデータや収集した情報をどのようにして選択し作品に落とし込んでいくのか、など監督自身のドキュメンタリーの手法を明らかにしていく。前作『ヨコハマメリー』が、自分自身を語らぬメリーさんをめぐる様々な人の記憶から伊勢佐木町という<現地>の一つの時代を描いたのに対して、2作目の『禅と骨』では、メリーさんに負けず劣らずユニークな人物を目の前にしてその人の人一倍複雑な人生を理解することをその人自身の語りを主軸に描いている。前者は撮れてしまった映画で、後者は監督が確信的に撮った映画だと言われたこともあるようだが、その違いはどのようにして生まれ、そのことは監督自身の作品化をめぐる手応えにどのような影響を与えているのだろうか。
後半は、ワークショップ形式で、参加者の方々の作品化(論文、本、映像、など)実践を共有し、先に挙げた3つの問いについて考えを深めていきたいと企画している。最後に全体で共有し、中村監督からコメントをいただくことにする。

18:30〜20:30 懇親会 @いちょうの館

9月8日(日)
9:00 受付開始 @ピオニーホール(YCUスクエア1階)前ロビー

9:30〜12:00 自由報告部会
第3分科会(移民)@YCUスクエア4階401 報告要旨
・孫夢「「留学(さ)せざるを得ない」-当事者のライフストーリーから中国の教育現実を解明する」
・山崎 哲「「あなたの名」を知らぬ者は生活史をどう語るか -ある中国帰国者3世への聞き取り事例から-」
・竹田 響「在日コリアンの国境を越えた親族の繋がり―朝鮮半島の南北に離散して暮らす親族との「再会」に着目して―」
・仙波 梨英子「在日フィリピン人の第二世代のオーラルヒストリー:アートを通じた表現活動から考察する」

第4分科会(メディア)@YCUスクエア4階403 報告要旨
・林 貴哉「在外ベトナム人コミュニティにおける声の発信:米国のベトナム語メディア関係者の語りから」
・澁谷 由紀「ベトナム戦争期のジャーナリスト/諜報員の語りと現在:『ファム・スアン・アン―名前のとおりに生きた男』とその関連書籍をめぐって」
・石井 育子「ラジオドラマ史にみる脚本制作の変遷についての1考察」
・西村秀樹・小黒純「社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究、戦争の加害と被害をめぐる『記憶の澱』の研究」

12:05〜13:00 総会 @ピオニーホール

13:00〜14:00 特別イベント @ピオニーホール
科研費改革の背景と動向 (田中雅一JOHA研究活動委員会委員長)

14:00〜17:30  シンポジウム @ピオニーホール
〈見えないもの〉のオーラル・ヒストリー
【司会】田中雅一(国際ファッション専門職大学)、橋本みゆき(立教大学)
【趣旨】
幻覚や幻聴、夢、心霊現象、超常現象といった目に見えないものは、しばしば当事者たちの生に大きな影響を与える。たとえば、災害や戦争で亡くなった者が夢に現れ、遺言を残したり、自らの進むべき道に何か示唆を与えていたり、過去の夢が「虫の知らせ」であり予言・予知であったと認識していたりする。しかし、いかにそれが当事者たちにとってリアリティのあるものとして存在していても、目に見えないものは虚構であるかのように受け止められることも多い。
このシンポジウムは〈見えないもの〉のオーラル・ヒストリーに関連する研究に取り組む人々をパネリストとして招き、その意義や方法について議論する。私たちは〈見えないもの〉に対してどのようにアプローチし表現することができるのか。そして〈見えないもの〉に着目することで〈見える〉ようになるものとは何なのか。
〈見えないもの〉はオーラル・ヒストリーの実践にも深く関わる。インタビューにおいて、相手が自分の経験した幻覚や超常現象を話すとき、私たちは戸惑ったり疑ったりするかもしれない。一方、彼・彼女らが家族や仕事について話をしてもそれを疑うことはほとんどないだろう。だが、その対象者が過去に体験したいずれも、私たちにとっては〈見えないもの〉でもある。〈見えないもの〉のオーラル・ヒストリーを考えることは、フィクションとノンフィクション—虚構と現実—の境界を問い直すことにもつながることになるだろう。 (文責 研究活動委員会・根本雅也)
【報告】
・金菱清(東北学院大学)幽霊と夢のナラタージュ―東日本大震災の〈いまはむかし〉
・北村毅(大阪大学)平和学習とシャーマニズムの接点―あるガマにおける日本兵の「亡霊」をめぐって
・根本雅也(日本学術振興会)幻覚の口述史―ある被爆者の憎しみと赦しの物語り
【コメント】有薗真代(龍谷大学)、村上陽子(沖縄国際大学)