JOHA会員にとって、人びとのオーラルヒストリー/ライフストーリーを聞きとり、それにもとづき研究論文や聞き書きや本にするという実践は研究の核になる活動です。これまでも「よい論文を書く」という企画や「作品と現地をつなぐ」という企画は好評を博してきました。そこで、今回は、聞きとりを如何にして一冊の本に編みあげるのかを主題に、6月25日(土)午前に、下記のようなシンポジウムを開催いたします。
語りを論文化する場合もですが、語りから一冊の本を編みあげるまでの過程も多くの選択と工夫が必要です。数名の語りか一人の語りか、語りと背景説明や解釈をどう編集するか、方言をそのまま使うかある程度編集するか等々。それに何よりも、聞きとりは語り手の役割が非常に重要ですし、出版編集者の役割も興味深いものがあります。
そこで今回は、野入直美会員の最近作『沖縄-奄美の境界変動と人の移動』(みずき書林、2021年)を手掛かりに、野入会員、語り手の重田辰弥氏、編集者の岡田林太郎氏に登壇していただき、本書完成までのプロセスと想いを語っていただきます。
また、『生活史宣言-ライフヒストリーの社会学』(慶応義塾大学出版会、2012年)や『死別の社会学』(共編、青弓社、2015年)ほか多くの編著書をものしてきた有末賢会員と、『ヒロシマ・パラドクス』(勉誠出版、2018年)という話題作で注目されている根本雅也会員のお二人からコメントしていただきます。参加の皆様方の率直な質問も踏まえ、「語りから一冊の本を編む」という研究実践に関して論じ尽くします。
多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。 2022年5月15日
220625JOHAシンポジウム「語りを一冊に編みあげるまで」
(1)日時:2022年6月25日午前10時~12時半(最長13時)
(2)開催方式:ハイブリッド方式、会場:上智大学2号館5階FGS会議室➡上智大学2号館6階630a会議室
*会場参加の場合は、正門から入場ください。
守衛さんに「2号館5階でのJOHAシンポ参加」とお伝えください。
(3)プログラム(午前10時~12時半)
・「趣旨説明」蘭 信三(大和大学)
・「語りを紡ぐ」野入直美(琉球大学)
・「人生を語る」重田辰弥(関東沖縄経営者協会・顧問)
・「語りを生かす」岡田林太郎(みずき書林)
・「コメント」有末 賢(亜細亜大学)、根本雅也(松山大学)
・リプライ+「総合討論」
・「閉会」安岡健一(大阪大学)