JOHA15大会のご案内

各位

日本オーラル・ヒストリー学会第15回大会のご案内いたします。

*大会プログラムご入用の方は「JOHA 15thAnnualConference Program」をクリックしてください。
*大会ポスターはこちら(joha2017)です。ご所属の大学や団体等でご宣伝いただければ幸いです。
(今回のポスター作成者は、学会員の石川良子さんです。)

日本オーラル・ヒストリー学会 第15回大会
Japan Oral History Association 14th Annual Conference

開 催 日:2017年9月2日(土)、3日(日)
開催場所:近畿大学東大阪キャンパスA館、BLOSSOM CAFÉ
開催校所在地:近畿大学東大阪キャンパス 大阪府東大阪市小若江3-4-1
交通手段:近鉄大阪線・長瀬駅から徒歩約10分
近鉄奈良線・八戸ノ里駅から徒歩約20分、バス約6分
東大阪キャンパスの交通アクセス:
http://www.kindai.ac.jp/about-kindai/campus-guide/access_higashi-osaka.html

参 加 費:会員 1,000円(2日通し)、非会員 一般:2,000円(1日参加1,000円)、学生他:1,000円(1日参加500円)
懇親会費:一般 4,000円、学生他 2,000円

開催校理事:上田貴子
学会事務局:佐々木てる、研究活動委員会委員長:蘭信三、会計:中村英代
大会に関してご不明な点がございましたら、JOHA事務局までお問い合わせください。
*E-mail:joha.secretariat(at)ml.rikkyo.ac.jp、Fax:017-764-1570

 ◎ 自由報告者へのお願い
1) 自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
2) 配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50部ほど印刷し、ご持参ください。
3) 各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USBメモリ等にプレゼンテーションのデータをお持ちください(ご自身のPC等をご使用の場合、RGBケーブル接続のみでUSBなどの接続方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存したUSBメモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場担当者にご相談ください。

◎ 参加者へのお知らせ
1) 会員・非会員ともに両日とも受付してください。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
2) 昼食は近畿大学周辺の食堂等をご利用いただくなど、各自でご用意ください。なお、夏期休暇中につき、学内の店舗は休業しております。近隣のコンビニまでは10分程度かかります。
3) なおロッカーおよびクロークはございません。荷物は各自で管理をお願いします。

 懇親会案内
9月2日(土)18:00~20:00
会場:近畿大学【未定】*決まり次第お知らせ致します。
参加費:4,000円、学生その他2,000円

 

大会プログラム

1日目 92日(土)
12:00       受付開始

13:00~15:00   自由報告A101教室)
【第一分科会】 (司会:石川良子・佐藤量)
1-1 アメリカの歴史的変遷におけるある「日系アメリカ人女性」の経験-ハワイ・日本・アメリカの移動経験から
松平けあき(上智大学)

1-2 炭鉱の閉山をめぐるもう一つのリアリティ-元炭鉱職員のライフヒストリーから
坂田勝彦(東日本国際大学)

1-3 「聴く」から「伝わる」への転換-ある南洋帰還者とのやり取りの軌跡から
三田 牧(神戸学院大学)

1-4 戦後ブラジル移住について-奄美大島出身の二人のコチア青年移民のライフヒストリーから
加藤里織(神奈川大学)

【第二分科会】  自由報告(司会:好井裕明・広谷鏡子)A102教室)
2-1 日本におけるACT UP-性感染HIV陽性者当事者と協力者はいかに協働して生存とパンデミックに対応してきたか
大島 岳(一橋大学)

2-2 聞き書き調査で読み解いた米国大統領選-1964年のTVCM“Daisy”を事例として                              片山 淳(東京経済大学)

2-3 テレビの社会派ドキュメンタリーはいかに制作されたか?―伊東英朗氏が手がけたシリーズ『X年後』(南海放送)を事例に
西村秀樹(近畿大学)・小黒 純(同志社大学)

2-4 戦時性暴力被害者証言の信頼性・重要性と、検証の方法論
井上愛美(韓国 国民大学)

15:30~17:30  研究交流実践会(大会開催校企画)A102教室)
世代をつなぐ聞き取り~オーラル・ヒストリーの可能性~

趣旨:ライフストーリー研究の手法で研究を進める高山真氏。聞き書きを残してくことそしてそれを使って歴史叙述を行おうとする森亜紀子氏。失われつつある生活を聞き取っておこうとする藤井弘章氏。それぞれ社会学、歴史学、民俗学の現場で聞き取り調査を行ってきた3人の研究者から聞き取り調査の現場で感じてきたことを語ってもらう。特に、今回は「世代」をキーワードにとりあげた。世代を意識することで、苦労したこと、新たな気づきなどを参加者と意見交換し、聞き取り経験を豊かにしていく方法について考えていきたい。

司会:上田貴子(近畿大学)

第一報告 ライフストーリー・インタビューの経験を作品化する
高山真(慶応義塾大学)

第二報告 ひとびとのなかに「歴史」を見る-沖縄に暮らす南洋群島引揚者への調査から-
森亜紀子(同志社大学)

第三報告 民俗学の聞き取り調査-民俗文化の記憶・体験を残すこころみ-藤井弘章(近畿大学

 18:0020:00  懇親会

 

2日目 93日(日)
9:00      受付開始

 9:30~12:00   自由報告A101教室)
【第三分科会】 (司会:塚田守・滝田祥子)
3-1 生き抜くための「多文化共生」-当事者支援者の経験から
伊吹 唯(上智大学)

3-2 ライフヒストリーにおける学校経験の位置-公立男女別学校出身者への調査から
徳安慧一(一橋大学)

3-3 はんなり世界の生活-京都北野上七軒花街の衣食住に関する聞き取りを中心に
中原逸郎(京都楓錦会)

3-4 農家を継ぐ女性たち-農家民宿経営をめぐる多世代ライフストーリー椙本歩美(国際教養大学)

 

【第四分科会】テーマセッション A102教室)
再び〈戦争の子ども〉を考える

趣旨:本セッションの目的は、甲南大学人間科学研究所が実施した〈戦争の子ども〉プロジェクト(第Ⅰ期2007~2008年、第Ⅱ期2009年、第Ⅲ期2010~2011年)をふりかえり、成果と課題を共有するとともに、今後の研究の展開にむけて議論を深めることにある。ドイツ語のKriegskindの翻訳である〈戦争の子ども〉は、ドイツ語としても新しく、ナチスが政権を掌握して以降、第二次世界大戦中集結までに子ども時代を過ごした(あるいはその期間中に生まれた)世代を指す言葉として、精神分析家のミヒャエル・エルマンが2003年にはじめて用いた造語である。エルマンを中心とするミュンヘンの「戦争の子ども時代プロジェクト」は、〈戦争の子ども〉の体験とそれがその後の人生に与えた影響を心理療法の観点から検証するなかで、他の世代よりも高くあらわれる〈戦争の子ども〉の人格障害と戦争体験の密接な関連を明らかにしてきた。
甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、ドイツの研究との比較をめざしてはじまった。一定の方法によって戦争体験を記録すること、記録された体験からそれらを理解するための理論を構築することがその課題とされた。そうした経緯から甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、当初はドイツの調査と同様の調査・分析の方法を翻訳によってそのまま採用したが、しだいに方法や視角にアレンジをくわえ独自の特徴をもつようになった。そのひとつが、心理学的アプローチと歴史学的アプローチの対比と相補性への言及であり、そのことがオーラル・ヒストリー研究の方法や特質にたいする問題提起をふくむこととなった。
プロジェクトの終了から5年半を経てふたたび議論の遡上にあげようとするのは、2016年度からはじまった「歴史研究にとってのオーラル・ヒストリー」というJOHA研究活動共通テーマについて、聞き取った戦争体験を歴史化し、その意味を多角的にとらえようとした心理学と歴史学の協働の実践から新たな知見を得ることができないかと考えたからである。
以上から、本セッションではまず、〈戦争の子ども〉プロジェクトを主導した森茂起が、本プロジェクトの成果をふまえて近年の研究成果を報告する。つぎに、歴史研究者の立場で同プロジェクトにかかわった人見佐知子がその経験を読み解く。くわえて、歴史学と社会学の専門家にそれぞれの立場で〈戦争の子ども〉プロジェクトを検証してもらい、可能性と課題を整理することをつうじて論点提示をおこなうこととしたい。

司会・趣旨説明 人見佐知子(岐阜大学)

第一報告 戦争体験の聞き取りにおけるトラウマ記憶の扱い――歴史学と心理学の協働の試み
森茂起(心理学・甲南大学)

第二報告 〈戦争の子ども〉からオーラル・ヒストリーを考える
人見佐知子(歴史学・岐阜大学)

コメント1 倉敷伸子(歴史学・四国学院大学)

コメント2 中村英代(社会学・日本大学)

12:05~13:00
総会(A館102教室)

 

13:30~16:30 シンポジウム(BLOSSOM CAFÉ 3F 多目的ホール)
戦争経験の継承とオーラルヒストリー――「体験の非共有性」はいかに乗り越えられるか

趣旨:本シンポジウムは、戦争経験の体験者や非体験者である平和ガイドなどによるその体験の継承の可能性と意味について論じる。このテーマは桜井厚ほか『過去を忘れない 語り継ぐ経験の社会学』(2008)などに代表されるように、JOHAにおいては繰り返し論じられてきた中心テーマのひとつだが、今回それを再び取り上げる意義は以下の3点にある。
(1)戦後70年が経って戦争体験者、被爆者、アウシュビツ収容所のサバイバーが亡くなりつつあり、社会の世代交代が進むなかで、戦争にかかわる歴史経験の継承はどのようになされうるのかが緊急な研究課題となっている。(2)そのような問題意識は同時に社会全般で広く共有されている課題でもある。この課題に長くかかわってきた本学会においてこの社会的課題を共有し、社会に広く発信することは学会の社会的役割だと思われる。
この社会問題化は、体験者の退出・不在だけでなく/そのことも相まってか、(3)歴史認識において新自由主義が影響力を増し、しかも領土問題や領土ナショナリズムが強まり、その状況下で日本社会(いや世界)の戦争観が静かに変化していることと密接に関係している。つまり、現在は「戦後」の幾つ目かの<歴史認識の節目>にあると思われる。
このようななか、当事者から直接聞き取ることが難しくなりつつある今こそ、戦争経験の継承とオーラルヒストリーの真骨頂が問われている。そこで、戦争体験の聞き取りや継承に卓越した研究実績のあるお三方に、現状の変化を意識しつつ、ご自分の研究実践を手がかりにしてこの課題の今日的問題性に立ち向かってもらう。なお、本シンポジウムは公開シンポジウムである。学会のみでなく広く市民の参加をえて議論を深めたい。

司会 蘭 信三(上智大学)

第一報告 「戦友会」の質的変容と世代交代―戦場体験の継承をめぐる葛藤と可能性
遠藤美幸(神田外国語大学)

第二報告 非被爆者にとっての〈原爆という経験〉―高校生が描く原爆の絵の取り組みから
小倉康嗣(立教大学)

第三報告 アウシュヴィッツにてホロコーストの生存者に出会うということ
田中雅一(京都大学)

コメンテータ 今野日出晴(岩手大学)