ワークショップ報告者募集

『オーラル・ヒストリーと戦争の記憶――戦争の記憶の継承を中心に』
 近年、<戦争の記憶>という問題は、人文・社会科学のあらゆる領域で活発に論じられています。そして、この議論と深く関連するかたちで、戦争の記憶を継承しようとする個人的、組織的な実践活動や、その可能性を考える研究の営みがなされています。日本オーラル・ヒストリー学会でも、<戦争の記憶>に関する様々な研究報告や実践報告が蓄積されてきました。
 しかしながら、戦後60年余、一方で戦争体験者は高齢化し、他方で「戦後体制の脱却」をめぐる議論等混迷するなかで、戦争の記憶の継承には依然として困難が立ちはだかっています。なかでも、若き「戦無派世代」にとってそれは深刻です。そもそも、現代を生きる若者にとって戦争とはどのような意味を持つのか、<戦争の記憶>を継承するとはいかなる営為なのか、それはどのような形で継承可能なのか、等々といった根本的な問題が横たわっています。
 このような状況を受けて、<戦争の記憶>を継承することの可能性について、論じるテーマセッションの場を設けることにいたしました。本テーマセッションは、3名程の報告者に話題を提供していただき、その後参加者も含めてじっくりと議論していきたいと思っております。開催日時は7月5日(土)の午後3時~6時、会場は同志社大学の予定です。
 そこで、オーラル・ヒストリーと<戦争の記憶>の継承可能性について論じる報告者(話題提供者)をひろく募集いたします。本題に関連するものであれば、インタビュー対象者の属性や、対象とする<戦争>の地域性なども問いません。ご自身のオーラル・ヒストリー実践のなかで抱いてこられた等身大の悩みや喜びの経験に基づいて、<戦争の記憶>を継承することの可能性について提起していただけるご報告をお待ちしております。
 職業、世代、性、国籍、そして党派性を乗り越え、<いま―ここ>に生きるものとして、報告者・参加者がともに<戦争の記憶>を継承することの可能性について率直に論じられるセッションになることを願っております。
 報告希望者は必要事項を添えて下記までご応募下さい。必要事項は、・氏名、・所属、・タイトル(仮で可)、・報告要旨(400字程度)、・連絡先(住所・メールアドレス・電話)です。
 なお、応募の締切は3月23日です。出来るだけ電子メールでのご応募をお願いいたします。
コーディネータ:高山真・蘭信三
【連絡先・送付先】
〒606-8501京都市左京区吉田本町
京都大学国際交流センター 蘭研究室
電子メール:araragi@ryu.mbox.media.kyoto-u.ac.jp
Fax:075-753-2562
【参考:具体的な報告例】
・原爆の記憶を語り継ぐということ
・トランスナショナルな移動と戦争の記憶
・インタビュー実践の場における語り手と聞き手の関係
・戦争体験者の高齢化に伴う世代間継承