JOHA16 自由報告部会・大会校企画テーマセッション報告要旨

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会1(戦争・移民)

1-1 米軍占領と復興に奪われた故郷「金武湾」区―子ども世代による記憶の共有と社会化
謝花直美(沖縄タイムス記者)
 本報告では、沖縄戦後に軍用地となり未解放だった那覇市に戻れなかった人々が集住した沖縄島中部の「金武湾区」の発生から隆盛、衰退の歴史を明らかにし、当事者の記録活動を通して、記憶を共有し社会化しようという試みと米軍占領の影響を考察する。
 沖縄島中部の旧具志川村に戦後誕生した「金武湾区」はデパートや劇場があり、戦後復興の象徴として知られた。那覇市での生活再建を求めた大人にとっては通過地点でしかないが、子ども時代を同区で過ごした現在70~80代には故郷であり、喪失感を抱く。米軍の土地接収は金網の中に多くの集落を奪ったが、その過程で、社会の記憶から忘れられていった「金武湾」区がもつ意味を論じる。

1-2 戦時体制下台湾における集団疎開―台北師範学校女子部の集団疎開体験者の聞き書き調査を事例として―
佐藤純子(東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士課程)
 1943年戦況が悪化していく中、疎開に関する実施要綱や促進要綱が日本政府により次々に打ち出されていった。台湾においても例外ではなく官庁や工場、建物の疎開に留まらず、児童・生徒の集団疎開も実施された。台北師範学校女子部も空爆からの避難を余儀なくされ、1945年6月から約半年間、台中州(現在の南投県)に集団疎開を行った。本報告は当時女子学生として、その集団疎開を実際に体験した今年満90歳になる台湾在住の生存者2名に聞き書き調査を行ったものである。当時の記憶を疎開政策や回想録などの文献と照合しながら、終戦目前の統治下台湾における集団疎開の一事例の検証を試みた。

1-3 中国残留日本人女性のオーラル・ヒストリー~移動・家族・従軍看護婦を中心に~
竹原信也(奈良工業高等専門学校)
 本報告は、戦後・満州で八路軍に従軍看護婦として留用され、10年にわたり中国国内を転々とした女性のオーラル・ヒストリーである。彼女は中国・済南の日本人居留地で生まれ、満州・女学校時代に挺身看護隊として学徒動員された。終戦後は八路軍に従軍看護婦として留用され中国国内を転々とした。本報告では帝国主義的拡張や戦争といった社会的な出来事に翻弄されながら家族や居住地、職業や立場が転々としていく彼女の体験を「帰国」後の生活も含めて報告する。日赤看護婦を中心とした八路軍従軍看護婦史や日本から満州への移住者を中心とした中国残留日本人史では捉えきれない彼女の体験がどのような意味を持つのか。近年注目されるトランスナショナル・越境研究や近代東アジアの女性移民研究の切り口を参考にしながら考察する。

1-4 ドミニカ日本移民のライフストーリー―記憶の語り―
森川洋子(明治大学教養デザイン研究科博士後期課程)
 口頭で話を聞くことの意義の一つは、大きな歴史の流れの中で見過ごされがちな名もなき移民の人たちの声を掬いあげ、個人の抱えている問題をこまやかに掘り下げて、時代と社会の変化との関係で考察することにある。ドミニカ日本移民については、国家賠償訴訟にまで発展した戦後最悪の移民問題として注目されたため、国家の政策と責任に関する問題に集中しがちである。本報告では、「棄民」と言われて訴訟にまで発展した移民物語とは異なるドミニカ移民の経験の解釈もあることを明らかにする。ドミニカ日本移民の高齢化にともない記憶や記録が散逸しつつあり、どのようにドミニカ体験を語り、その記憶に向き合ってきたについて貴重な手がかりとなると考える。

1-5 福井県の戦傷病者の家族のオーラル・ヒストリー
藤原哲也(福井大学学術研究院医学系部門)
 本報告では、福井県の戦傷病者の家族(妻)の聞き取りを通じて、彼女たちの福井県傷痍軍人会・妻の会の活動への参加状況や生活実態を明らかにする。報告者は平成23年から現在に至るまで福井県下での戦傷病者の家族への聞取り調査を実施してきた。戦傷病者の記録に関しては、日本傷痍軍人会機関紙『日傷月刊』や県・地域単位の出版物や手記があり、その中に妻たちの証言も散見されるが、実際どのように彼女たちが傷痍軍人会や妻の会に関わってきたのかなど不明な点も多い。聞取り調査から彼女たちは戦傷者の配偶者として介護から会の運営まで多様な役割を担ったことがうかがえる。彼女たちの視点から戦後社会における戦傷病者とその家族について考察する。

9月1日(土)13:15〜15:45 自由報告部会2(運動・労働)

2-1 脱毛症当事者コミュニティの運動史――あるカリスマ的女性を中心に
吉村さやか(日本大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程)
 近年、脱毛症当事者コミュニティの運動が活発化している。その背景には、例えばセクシュアル・マイノリティなど、これまで社会的に不可視化されてきた人びとによる運動と同様に、髪の毛がないことによって生じる「生きづらさ」は個人的な問題ではなく社会的な問題であると、「声」をあげる当事者が増えてきたことがある。
 このような当事者自身による主体的な運動は、1990年代に萌芽していた。本報告では、その運動史を紐解く一端として、黎明期においてカリスマ的存在とされていた、ある当事者女性のライフヒストリーの検討を行う。その作業を通して、当時、彼女はどのようにしてクレイㇺを申し立て、運動を牽引していったのかを明らかにしたい。

2-2 元自衛隊員のオーラルヒストリー:調査の意義と難しさ
松田ヒロ子(神戸学院大学現代社会学部)
 本報告の趣旨は、自衛隊研究におけるオーラルヒストリー調査の重要性と、その調査を遂行する難しさ、さらに調査で得られた記録を学術資料として活用することの意義について論じることである。報告者は、2015年頃より自衛隊の社会史的(あるいは歴史社会学的)研究に取り組んできた。創設期自衛隊(警察予備隊、保安隊含む)の民軍関係を研究するために、2017年1月から12月にかけて、全国20道府県に在住する元自衛隊員40名に対してオーラルヒストリー調査を実施した。インフォーマントは全員、1950年代から60年代に陸上・海上・航空自衛隊で勤務した男性である。個人的に自衛隊と全く縁のなかった報告者が、どのように調査対象者とコンタクトをとり、調査を実施したのかプロセスを紹介しつつ、得られた口述資料の一部について検討を加えたい。

2-3 ソ連期ウズベキスタンにおける手工芸の社会主義的生産体制と女性の労働経験:元工場労働者への聞き取り調査から
宗野ふもと(筑波大学人文社会系特任研究員)
 本報告は、ソヴィエト連邦時代(1924年~1991年)の中央アジア、ウズベキスタン南部の地方都市に存在した、民族帽子や絨毯を生産する「フジュム」芸術製品工場に着目する。そして、工場で働いた女性への聞き取り調査に基づき、ソ連時代にウズベキスタンの女性が経験した社会主義的近代化とはいかなるものだったのかを考察することを目的とする。「フジュム」芸術製品工場は、「女性解放」の理念のもとに1928年に設立され、1970年代には約2000人の女性労働者が働いていた大工場であった。本報告では、まず「フジュム」芸術製品工場の設立と拡大の経緯を公文書館資料を用いて明らかにする。第二に、元労働者の語りを紹介しながら、彼女たちにとって社会主義体制の下での労働がいかなる経験だったのかを考えてみたい。

2-4 生きている過去:草創期インドネシア地方社会の集団的暴力の語りと現在
山口裕子(北九州市立大学文学部)
 本発表では、草創期インドネシア最大の分水嶺となったクーデター未遂とされる「9月30日事件」のあとで、共産主義一掃の旗印の下での集団的暴力にさらされた地方社会の動態とその今日的意味を、当事者の語りに基づき考察する。特に一連の出来事から50年余りが経過した今日、その過去が想起され語られるモメントや、民主化とともに形成されつつある当時をめぐる集合的記憶からは逸脱するようなエピソードや諸特徴に注目する。主体によって制御されない記憶の側面や、語り手を「被害者」「加害者」などの一元的アイデンティティから解放しようとする近年の関連諸分野の成果を参照しながら、人間と過去とが切り結びうる多様な関係性について考えてみたい。

2-5 三陸の突棒漁における困難と漁師の希望―太平洋戦争中~1960年代に着目して―
吉田静(立教大学大学院社会学研究科)
 三陸沖では、船の上から4メートルほどの銛で漁獲対象を突く突棒漁(つきんぼうりょう)が盛んに行われていたが、儲かる漁ではなくなっていくなかで、突棒漁の従事者は減り、小規模な漁のみがわずかに存続している。本報告ではまず、太平洋戦争中~1960年代に三陸沿岸の漁村の突棒漁師が直面することになった突棒漁を取り巻く困難を示していく。その上で、困難な状況を打開するために期待をかけたオットセイ漁への解禁運動に触れ、解禁運動の不結実という結果がどのように受け止められているのかを突棒漁に関わる人びとへの聞き取り調査から明らかにしていく。そうすることを通じて、不結実の結果を追認することや過去へのノスタルジーに浸ることなく、漁師にとっての希望の所在を考察する。

9月2日(日)9:30〜12:00 自由報告部会3(文化・メディア)

3-1 基地内クラブとAサインクラブの実態―本土復帰前後を中心に―
澤田聖也(東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化専攻修士課程)
 復帰前後における沖縄のロック・ミュージシャンの演奏場所は基地内クラブとAサインクラブであった。前者は米軍基地内にある米軍主導のクラブ、後者は基地周辺にある民間主導のクラブであり、両者は沖縄にありながら「アメリカ的体験」ができる特異な空間であった。こうした場所に出入りできる人は沖縄の人でも一部の関係者だけであり、その空間が一体どのようなものだったのかほとんど明らかにされていない。
 本報告では、復帰前後(1960年代半ば~1970年代後半)の基地内クラブと民間クラブで活動していたミュージシャンにインタビューをすることで、2つのクラブのシステムや音楽、契約、環境等を整理し、ミュージシャンの視点から見た演奏空間の実態を把握する。

3-2 ポール・ダンスのオーラル・ヒストリー——セクシー・ダンスからスポーツへ
ケイトリン・コーカー(立命館大学衣笠総合研究機構)
 本発表の目的は、関西のポール・ダンスのオーラル・ヒストリーを作成し、2005年から現在までの期間をポール・ダンス歴の過渡期として明らかにすることである。より具体的にいうと、この間でポール・ダンスは、 ①風俗の職種から一般女性が自分の性やジェンダーに向き合える習い事へ、②セクシー・ダンスから技で競い合うスポーツへ、③女性向けのみの習い事から男性ならびに子供向けの実践へ、と変容しつつである。総合的にこれらは直線的な変容ではなく、ポール・ダンスの多様化である。本発表で、なぜポール・ダンスは実践者および環境によってセクシー・ダンスにもスポーツにもなりうるのかを考察し、国際的な現象の一部分ならびにローカルな現象としてその実践を描き明白にする。

3-3 自然災害と都市文化–岩手県釜石花街に関する聞き取りを中心に–
中原逸郎(京都楓錦会)
 花街は芸舞妓が芸(芸能と同義)と地元言葉による会話で、顧客を楽しませる場である。ところで、岩手県には昭和40年代後半(1970〜)までは釜石、遠野等10花街が存在した。釜石花街には漁業関係者と造船業者が育てた独特な「おでんせ(おいでください)」文化と呼べる接待文化があったと言う。釜石花街と東京八王子花街の交流は、東日本大震災(2011)時に遡る。震災による津波で楽器、着物ほか芸妓(者)業に関わる諸道具を失い避難所暮らしの釜石最後の芸妓に八王子花街の女将が三味線を差し入れたことが契機であった。本発表では震災における釜石と八王子花街の芸と心の交流を振り返る。

3-4 社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究、沖縄返還密約をめぐる『メディアの敗北』の研究
西村秀樹(近畿大学人権問題研究所)
 昨年に続く第二弾の発表(社会派TVドキュメンタリーの成立過程の研究)。本作品(沖縄のローカル局琉球朝日放送が2003年放送)は沖縄返還密約を取り扱ったドキュメンタリー作品である。この事件をめぐっては、澤地久枝『沖縄密約』岩波現代文庫と山崎豊子『運命の人』文春文庫を持ち出すまでもなく、日本の戦後メディア史に記録される大きな事件であるが、その一方で、日本政府の沖縄密約をすっぱ抜いた凄腕新聞記者・西山太吉は国家公務員法(機密漏洩のそそのかし)違反に問われ検察はネタ元の女性外務省職員との間の男女問題に論点をすり替えた。
 土江は長く沈黙を守る西山を説得し番組を完成させた。その成立過程をインタビューした。

3-5 放送史研究における「オーラル・ヒストリー」の考え方と実践的方法論試案
吉田功、広谷鏡子(NHK放送文化研究所メディア研究部)
 放送史研究においては、文書資料や映像・音声に加え、放送の発展に寄与した人々の証言が用いられてきた。NHK放送文化研究所では、関係者の証言を収集し、「放送のオーラル・ヒストリー研究」を数年前から続けているが、その共通基盤となる考え方、方法論については、現在も模索中である。そこで今回は、所内で実施した「オーラル・ヒストリー研究会」での議論をベースに、放送史に適用していくための「オーラル・ヒストリー」の基本的な考え方と、具体的な方法論について報告する。特に、①「聞き取りに際して」の留意すべきポイント、および、②貴重な証言を活用できる記録とするための「保存、整理、活用について」の2点を中心に、実践に役立てるための提案としたい。

9月2日(日)10:00〜12:00 大会校企画テーマセッション「女性の声を聴く」

【第一報告】「東北の農婦(おなご)」の声を可聴化するために:石川純子の聞き書きをめぐる一考察
柳原 恵(日本学術振興会特別研究員PD(立教大学))
 報告者は、東北・岩手におけるフェミニズムのありようを明らかにするために、当地において活動してきた女性たちへライフストーリー・インタビューを行ってきた。語り手の一人である石川純子(1942-2008)は、70年代から「東北の農婦(おなご)」の聞き書きを実践してきたフェミニストである。石川の言葉を借りれば、「東北の農婦(おなご)」は、地域、職業階層、ジェンダーの面で複合的に周縁化された「三重の疎外」にある存在である。本報告では、石川の「農婦(おなご)」への聞き書きを、石川自身のライフストーリーも対象にしながら分析し、沈黙のうちにある女性の声を可聴化する条件や、聞き書きの経験が石川のフェミニズム思想にもたらした影響について考察したい。

【第二報告】 避難の体験に耳をすまして
薄井篤子(神田外語大学他非常勤講師、特定非営利法人埼玉広域避難者支援センター副代表理事)
 2011年3月に発生した東日本大震災と原発事故によって避難した方々に出会い、支援活動の中で少しずつ女性たちに話を聞くようになった。7年が経った今、震災以前の生活、暮らしの中での体験を聞くように努めている。耳を傾けていると、あの日までの「あたりまえの日常」の中で自分がどのように生きてどのようなことを大切にしてきたかを本人が再確認するような瞬間がある。それはまた、離れてしまった故郷の、地域の歴史の一部でもある。語ることと聞くことの中で、<語り継がれること>が浮かび上がってくる。聞き手の私には、それは女性たちが自分自身と故郷の、これからにつながっていくと思える瞬間でもある。女性たちの体験が孤立せず、受け継げるように一人ひとりの話に耳をすませていきたい。

【第三報告】 突如破られた「沈黙」と日常化されていた「圧力」
山村淑子(地域女性史研究会事務局長)
 1978年以降、「あたりまえに生きてきて、何の取り柄もないから話すことはない」と述べた昭和一桁(1926-1935)世代の女性たちとの出会いは、私にとって「あたりまえに生きてきた」女性と戦争の関わり合いを再考する契機となった。交流が積み重なると、「物心ついた時には既に戦争が始まっていた」、「戦争中学べなかった時間を取り戻したい」、「女に生まれたというだけで奪われていた私の人生を取り戻したい」と、個々の「人生」が語られていくようになる。その過程で、突如、女性たちの内心にしまい込まれていた「沈黙」が破られ、同時に、女性たちに「何も話すことはない」と言わしめた日常化された「圧力」もみえてきた。女性たちの内心から表出された「沈黙」と「圧力」を考察してみたい。

オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」

JOHA オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」
<<< 著者とともに『消されたマッコリ。』の舞台を歩く >>>

定員に達したため参加申込は締め切りました(2018.5.30)

ワークショップチラシ(PDF)

 伊地知紀子さんの『消されたマッコリ。──朝鮮・ 家醸造酒文化を今に受け継ぐ』の舞台となった大阪・多奈川地域を、著者と歩きながら、オーラルヒストリー作品化の方法を学び、参加者で話し合います。
同書は、マッコルリ(どぶろく)密造摘発の「多奈川事件」を取り上げながら、地域で差別と共生の歴史を生きてきた人びとの姿に迫る、温かな視点で書かれた魅力的な作品です。関心の発端や、地域のさまざまな方への聞き取り、地元で蓄積されてきた資料の活用など、作品ができるまでの過程の著者のお話は、調査研究・実践活動にすでに取り組んでいる/これから始めたい人にとって、きっと参考になるはずです。

【日時】2018年6月10日(日)13時集合
*昼食を済ませて集合、雨天決行。
【場所】大阪府泉南郡岬町多奈川地域。集合・解散は南海電鉄多奈川駅改札前
岬町観光交流課『岬町ガイドブック』 最終ページに地図があります。
*「新大阪」から約1時間半。特急サザンから「みさき公園」で乗り換えて3駅目=終点。
*駅周辺には当日利用可能な飲食店・コンビニ等はありません。

【講師】伊地知紀子さん 大阪市立大学教員、専攻は朝鮮地域研究・生活世界の社会学・文化人類学。
【参加費】JOHA会員500円(学生他も同額)、非会員1000円
【対象】オーラルヒストリーの作品化の方法や、本書のテーマに関心がある人20名程度
*参加申込み・問い合わせはJOHA研究活動委員会(連絡先は下記)まで。定員に達したら受付を終了します。

【内容】
①著者の案内で地域歩き(地域の方の話を含む)、②著者のお話、③全員で話し合い
*主な立ち寄りポイント:岬町文化センター、正教寺、「トンクルトンネ」(朝鮮人が多い集落)、戦時中に掘られたトンネル跡、労務者収容所跡等。
*大きい荷物は岬町文化センターに置くことができます。
*2㎞ほど歩くので(坂道あり)、歩きやすい服装・靴で来てください。

☆事前に『消されたマッコリ。』(2015年、社会評論社刊、本体価格1800円)を読んできてください。初版が残り僅少とのこと、早目の入手がおすすめです。

【主催】日本オーラルヒストリー学会(JOHA) JOHA研究活動委員会
(連絡先=コーディネータ・橋本みゆき johakenkatsu8[at]gmail.com [at]を@に替えてメールを送信してください)

JOHA16(第16回学会大会) 自由報告エントリー募集

 JOHA第16回大会を以下のように開催いたします。つきましては自由報告(個人報告/共同報告/テーマセッション)の報告者を募集します。

第16回日本オーラル・ヒストリー学会大会
日時:2018年9月1日(土)~2日(日)
会場:東京家政大学板橋キャンパス(JR埼京線・十条駅)(予定)
  1日(土)午後:自由報告13:00~15:30・大会校企画シンポジウム(予定)
  2日(日)午前:自由報告9:30~12:00、午後:総会・シンポジウム

〇自由報告(個人報告/共同報告)は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
〇テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定されます。各報告時間は個人発表に準じて1人20分を目安とし、セッション全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターはコーディネーターが調整してください。

報告を希望する会員は、以下の応募要項に沿ってお申し込みください。
申込用紙ファイルは下記(クリックするとWordファイルをダウンロードします)
 個人報告/共同報告申込用紙
 テーマセッション申込用紙

【応募要項】
◆申し込み資格
申込時点でJOHAの会員であること、および2018年度会費納入済みであることです。
(会費納入のお知らせ、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)

◆申し込み手続き
1.申込用紙に必要事項を記入し、メール添付で下記2アドレスにお送りください。

JOHA事務局・人見佐知子(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
研究活動委員会委員長・田中雅一(shakti[at]zinbun.kyoto-u.ac.jp)

必ず両方宛にお送りください。折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメールは[at]の部分は@を入力ください。

2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。

〒577-0813
大阪府東大阪市新上小阪228-5
近畿大学Eキャンパス文芸学部 人見佐知子研究室内
日本オーラル・ヒストリー学会事務局

◆申込締め切り
6月2日(土)(必着)

◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局(上記参照)
JOHA事務局・人見佐知子 (joha.secretariat[at] ml.rikkyo.ac.jp)

JOHAシンポジウム「オーラルヒストリーのアーカイブ化を目指して」

下記のとおり、JOHAシンポジウム「オーラルヒストリーのアーカイブ化を目指して」を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしています。

 

チラシPDF JOHA20180317

 

■日時 2018年3月17日(土)13時30分~17時30分
■会場 上智大学2号館3階309室

 

■プログラム                 モデレータ・司会 蘭 信三
趣旨説明(13:30~13:40)

蘭 信三(上智大学)

〇第一報告(13:40~14:05)
 オーラルヒストリーを受け継ぐために-飯田市歴史研究所での経験から-

安岡健一(大阪大学)

〇第二報告(14:05~14:30)
 地域女性史とオーラルヒストリー-その展開と保存の可能性をめぐって-

 宮﨑黎子(地域女性史研究会)

〇第三報告(14:30~14:55)
 オーラルヒストリーとアーカイヴ化の可能性
 —2012年質的データアーカイヴ化研究会調査より—

小林多寿子(一橋大学)

〇第四報告(14:55~15:20)
 北米におけるオーラルヒストリーのデジタルアーカイビング
 —UCLA JARP COLLECTION を中心に—

森本豊富(早稲田大学)

<小休憩>(15:20~15:35)*質問票回収
〇コメント(15:40~16:00)

福島幸宏(京都府立図書館)

〇総合討論(16:00~17:25)
〇閉会(17:25)                   大門正克(横浜国立大学)

 

参加無料・登録不要

 

■主催:日本オーラル・ヒストリー学会、
■問い合わせ先:kaken25245060(at)gmail.com
(at)を @ に差し替えてください。
■共催:日本移民学会・総合女性史学会

 

■シンポジウム趣旨:
 オーラルヒストリーのアーカイブ化/コレクション化は、英米では1980年代から始まっている。日本でも、21世紀になって政策研究大学院大学21世紀COE『オーラル・政策研究プロジェクト』で聞き取られた多数の「公人のオーラルヒストリー」が国会図書館憲政資料室に所蔵されている。東京外国語大学同COE『史資料ハブ地域文化研究拠点』でもオーラル資料の蓄積が行われてきた。また、沖縄県公文書館では1960年代からの膨大な沖縄戦証言記録のオーラルアーカイブ化が進められてきたし、大阪社会運動協会で1980年代に聞き取られた労働運動家のオーラルヒストリーも2015年にウエブサイト上に公開された。
 近年のアーカイブ学は目覚ましく、資料のデジタル・アーカイブ化が急速に進んでいる。とりわけ国立国会図書館は、書籍に加え文化財・メディア芸術・放送番組を含め、地方アーカイブをも統合するポータルサイト構築に向け「ジャパンサーチ(仮)」が準備されている。
 しかし、このような活動にもかかわらず、移民史研究、地域女性史研究、戦争体験の継承等々の公共性の高い多様なオーラルヒストリー(音声資料)は私蔵されがちだし、各地で整備されたコレクションのネットワーク化も十分にはネットワーク化されていない。
 日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)は、公共性の高いオーラルヒストリーのアーカイブ化への公的な仕組みづくりに取り組むべき時が来たと判断し、各領域でこの課題に造詣の深い方々を招き、日本におけるこの「公的な仕組み」の可能性と課題について論じる。
 本シンポジウムは、本学会だけでなく日本移民学会、総合女性史学会等関連学会や、公立図書館とも連携し、領域横断的な取り組みとなることが期待されよう。

 

■登壇者・参考文献紹介(報告順)
〇安岡健一氏(大阪大学大学院准教授・歴史学)「飯田市歴史研究所におけるオーラルヒストリー」『飯田市歴史研究所年報』13号、2015年。
〇宮﨑黎子氏(地域女性史研究会・女性史)「史資料保存と公開(活用)の現状と可能性」オーラルヒストリー総合研究会編『歴史と自己の再発見-オーラル・ヒストリー総合研究会10年の記録 2003-2013』2014年。
〇小林多寿子氏(一橋大学大学院教授・社会学・JOHA)「質的調査データの公共性とアーカイヴ化の問題」『フォーラム現代社会学』13巻、2014年。
〇森本豊富氏(早稲田大学大学院教授・移民研究・日本移民学会)「移民研究の連携-資料の収集から活用まで」我部政明ほか編『人の移動、融合、変容の人類史-沖縄の経験と21世紀への提言』彩流社、2013年。
〇福島幸宏(京都府立図書館・歴史学/アーカイブズ/デジタルアーカイブ)「地域拠点の形成と意義」知的資源イニシアティブ編『デジタル文化資源の活用-地域の記憶とアーカイブ』勉誠出版、2011年。

JOHAニュースレター32号(訂正版)の発行

JOHA会員 各位

昨日お送りしたJOHAニューズレター32号に誤りがございました。
お詫び申し上げますとともに、訂正いたします。
訂正版はこちら(JOHA NewsLetter No.32.3rd)になります。

JOHAニューズレター32号
4ページ
1.大会プログラム
【第一分科会】
【誤】松平けやき
→【正】松平けあき
*敬称略

7ページ
2.自由報告要旨
【第一分科会】
【誤】松平けやき(上智大学・大学院)
→【正】松平けあき(上智大学)
*敬称略

 

今号は、日本オーラル・ヒストリー学会第15回大会の特集号となっています。
大会は9月2、3日に、近畿大学東大阪キャンパスにて行われます。
みなさま、奮ってご参加ください。

 

2017年8月2日
JOHA広報委員

シンポジウム開催のお知らせ 「エゴ・ドキュメント/パーソナル・ナラティヴをめぐる歴史学と社会学の対話」

2017年3月11日に、上智大学にて、シンポジウムを開催いたします。多くの方々のご参加をお待ちしております。是非奮ってご参加ください。

*ポスター(JOHAsympo2017.3.11poster
JOHA会員の石川良子さん(松山大学)が作成してくださいました。

「エゴ・ドキュメント/パーソナル・ナラティヴをめぐる歴史学と社会学の対話」

■趣旨
欧米の歴史学の最新の動向を積極的に紹介してきた長谷川貴彦氏によれば、言語論的転回後の欧米の歴史学では、「物語」の復権と「主体」の復権が試みられてきた(長谷川貴彦『現代的史学への展望』岩波書店、2016年)。「主体」の復権の中心的な概念は「経験」と「実践」である。「経験」は、意味を積極的に創出する過程として、また世界を構造化する過程としてとらえられ、「実践」は、スクリプト(台本・脚本)とパフォーマンス(演技)の二つの領域から構成されているとする。ここでの「主体」は、個人の解放を意味しているわけではないが、構造主義的な決定論からは決別し、状況への対応や対応過程における意味の創出に注目することで、主体の動機づけや行動様式に関心が集まるようになってきた。

「主体」の復権とかかわって注目されているのが「パーソナル・ナラティヴ」論である。「パーソナル・ナラティヴ」は、オーラル・ヒストリーの中心的なテーマであり、オーラル・ヒストリーを通じて個人史の研究が蓄積されてきた。それに対して、言語論的転回後の欧米の歴史学で注目されているのが、エゴ・ドキュメントと呼ばれる一人称で書かれた史料である。自叙伝や日記、書簡などを対象にして、近代から近世、中世にまで至るエゴ・ドキュメントの研究が産出されている。史料の「形式」や「言葉遣い」、「慣習」「プロット」などに関心を寄せるなかで、女性の語りや貧民の語り、奴隷の語りなど、主に民衆の歴史を、エゴ・ドキュメントを通じた文字史料による「パーソナル・ナラティヴ」研究として進展させている。

このエゴ・ドキュメントにいち早く注目し、紹介するとともに、自らの歴史研究の一環に組み込んできた長谷川貴彦氏(北海道大学)をお招きし、「エゴ・ドキュメント/パーソナル・ナラティヴをめぐる歴史学と社会学の対話」のシンポジウムを開催することで、今次の研究活動の共通テーマである「歴史研究にとってのオーラル・ヒストリー」の議論をさらに展開させてみたい。

シンポジウムでは、長谷川貴彦氏と朴沙羅氏(神戸大学、社会学/移民研究・レイシズム研究)に報告をお願いし、好井裕明氏(日本大学、社会学)にコメントをお願いした。朴氏は、オーラル・ヒストリーの研究史整理を通じて方法に対する問題提起を重ねるとともに、他方では、占領期の「密航」を通じて「朝鮮人」と「不法入国」の定義を検証することで、境界をめぐる考察を重ねている。好井氏は、社会学の分野で、一貫してオーラル・ヒストリーについて発言し続けてきている。歴史学/歴史社会学/社会学の対話を通じて、エゴ・ドキュメント/パーソナル・ナラティヴをめぐる議論を発展させたい。

■日時  2017年3月11日(土) 13時30分~17時30分
■場所  上智大学(東京) 2号館5階508室
■主催  日本オーラル・ヒストリー学会
■共催  上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科

■登壇者
◯報告者 長谷川貴彦氏
◯報告者 朴沙羅氏
◯コメンテーター 好井裕明氏
◯司会 大門正克

(研究活動委員 大門正克)

JOHA14 大会プログラム

日本オーラル・ヒストリー学会 第14回大会 プログラム概要(簡略版)
Japan Oral History Association 14th Annual Conference

*大会プログラム(当日配布用)ご入用の方は「JOHA14program_2nd ver.」をクリックしてください。

開 催 日:2016年9月3日(土)~4日(日)
開催場所:一橋大学佐野書院
如水会百周年記念インテリジェントホール(一橋大学国立西キャンパス)
交通手段:JR中央線国立駅南口より徒歩約10分。
一橋大学佐野書院アクセスマップ
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~coe-res/paper_doc/sano.pdf
一橋大学国立キャンパスマップ
http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
参 加 費:会員 1,000円(2日通し)、非会員 一般:2,000円(1日参加1,000円)
学生他:1,000円(1日参加500円)
開催校理事:小林多寿子、赤嶺淳、平井和子
学会事務局:佐々木てる、研究活動委員会委員長:蘭信三、会計:中村英代

自由報告者へのお願い
〇自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
〇配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50 部ほど印刷し、ご持参ください。
〇各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USB メモリ等にプレゼンテーションのデ ータをお持ちください(ご自身のPC 等をご使用の場合、RGB ケーブル接続のみでUSB などの接続 方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存 したUSB メモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場 担当者にご相談ください。

参加者へのお知らせ
〇会員・非会員ともに両日の受付をお願いいたします。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
〇昼食はJR 国立駅および一橋大学周辺の食堂等をご利用いただくなど、各自でご用意ください。なお、 会場近辺にコンビニはありません。佐野書院会場内には飲料自販機もありませんので、国立駅周辺で 事前に購入して来場されることをお薦めします。
〇大きな荷物を佐野書院1階ロッカールームに一時置くことができますが、スタッフが常時しておりませんので貴重品は各自管理をお願いいたします。

※保苅実写真展同時開催※
9月3日~4日
会場:一橋大学佐野書院ロビー
*保苅実写真展のポスターはこちら(hokari_photo)をクリックしてください。

※懇親会のご案内※
9月3日(土) 18:00~20:00
会 場:一橋大学佐野書院 第一室(ブッフェ形式)
参加費:3,000円、学生その他1,500円
(お支払いは受付時、および、懇親会会場受付でお願いいたします。)

 

第1日目 9月3日(土)
12:00       受付開始

13:00~15:30    自由報告
第1分科会(一橋大学佐野書院会議室)  司会:橋本みゆき・大門正克
1-1 芸能享受心性の合目的性
川崎瑞穂(国立音楽大学)
1-2 かくれキリシタン信仰における「伝説」に関する一考察-長崎県を事例として-
小泉優莉菜(神奈川大学)
1-3 陸前高田市立第一中学校避難所で「福祉避難室」はいかにして成立したか
-高齢者を支援した被災者たちの語りから
齋藤公子(立教大学)
1-4 薬草、ARV、バイアグラ-北部タイ農村におけるHIV/AIDSの薬剤誌
日野智豪(東京福祉大学)

第2分科会(一橋大学佐野書院第1室)  司会:石井 弓・倉石一郎
2-1 調査対象者と同じ属性を有することによる調査の困難
徳安慧一(一橋大学)
2-2 海外調査で得られたデータ分析の妥当性
山崎晶子(一橋大学)
2-3 日中通訳者のオーラルヒストリーから見る通訳規範意識とその形成要因
平塚ゆかり(順天堂大学)
2-4 女性研究者が「男性の経験」を語ることの困難
関根里奈子(一橋大学)
2-5 アウシュヴィッツのガイドたち-オラリティと感情労働の視点から
田中雅一(京都大学)

15:45~17:45  シンポジウム (一橋大学佐野書院会議室)
保苅記念シンポジウム――いまあらためて「保苅実の世界」を探る

一橋大学は日本におけるオーラルヒストリー研究のメッカだ。これまで数々のオーラルヒストリアンを生みだしたが、なかでも伝説的な存在となっている保苅実の存在は光を放っている。そこで、一橋大学でJOHA第13回大会を開催するにあたって、若き保苅が学び、歴史学をこえる新たな道標となるような「保苅実の世界」を培った国立キャンパスにおいて、「いまあらためて保苅実の世界を探る」シンポジウムを開催する。
保苅実の『ラディカル・オーラル・ヒストリー』(2004)をめぐっては、その学説史的な意義、方法論的な可能性、そして保苅実の生き方としての歴史実践等々についてこれまでも論じられてきた。しかし、保苅没後12年が経った本年、しかも「歴史研究にとってのオーラルヒストリー」を今次の共通課題とするにあたり、その記念碑的な研究が培われた一橋大学において、「保苅実の世界」が今どのように読みつがれるのかをJOHAが問い直すのは絶好のタイミングであろう。
登壇者としては、歴史学者として市民の手紙や日記や回想録といったエゴ・ドキュメントに着目して新たな歴史学を切り拓く松井康浩さん(九州大学)、語りや記念碑や表象を素材に歴史社会学や戦争社会学を切り拓く野上元さん(筑波大学)に登壇をお願いし、JOHAの若手を代表して被爆経験のライフストーリーを深める八木良広さん(愛媛大学)が登壇し、それぞれの立場から保苅実の世界を論じる。司会は一橋大学の小林多寿子さんが務める。

司会:小林多寿子(一橋大学)
第一報告 原爆被害の歴史実践と対話の可能性―保苅実への応答として
八木良広(愛媛大学)
第二報告 歴史が聞こえてくること-方法的ラディカリズムと歴史への愛
野上元(筑波大学)
第三報告 実証主義とテクスト主義を超えて-歴史研究者は保苅実から何を得たか
松井康浩(九州大学)

18:00~20:00
懇親会(一橋大学佐野書院 第1室)

 

第2日目 9月4日(日)
9:00        受付開始

9:30~12:00     自由報告
第3分科会(一橋大学佐野書院第1室)  司会:人見佐知子・山田富秋
3-1 社会の周縁を調査する上でのリスク評価と回避法確立の重要性
大島 岳(一橋大学)
3-2 「科学」というちっぽけな銃を片手に僕たちは<語られる人生>に挑む
-犬死しないために、フィルター理論からみるライフストーリー論再考
田野綾人(立教大学)
3-3 1960年代70年代の沖縄をめぐる人類学・民俗学の周辺
猪岡叶英(大阪大学)
3-4 スタッズ・ターケルの作品の意義について
栗木千恵子(中部大学)

第4分科会(一橋大学佐野書院会議室)  司会:佐藤 量
テーマセッション:「満洲の記憶」とオーラルヒストリー
解題 「満洲の記憶」とオーラルヒストリーを問うということ
佐藤 量(立命館大学)
4-1 帰国邦人団体の会報から見る戦後日本の「満洲の記憶」
:安東会会報『ありなれ』の分析を中心に
菅野智博(一橋大学)
4-2 満洲国軍陸軍軍官学校の朝鮮人
:「日系」として入校した唯一の朝鮮人・金光植の語りから
飯倉江里衣(東京外国語大学)
4-3 満鉄留魂碑建立をめぐる紛糾と満鉄魂の顕彰について
湯川真樹江(学習院大学)

12:05~13:00
総会(如水会百周年記念インテリジェントホール(一橋大学国立西キャンパス))

14:00~17:00
シンポジウム(如水会百周年記念インテリジェントホール)
日本軍「慰安婦」問題とオーラル・ヒストリー研究の/への挑戦

日本におけるオーラル・ヒストリー実践の底流には、アジア・太平洋戦争や「大日本帝国」の植民地にかかわる様々な経験への振り返りがあった。その系譜は日本オーラル・ヒストリー学会に引き継がれ、2003年の学会発足以来、戦争・植民地に関するオーラル・ヒストリー実践は促進されてきた。しかし、本学会が今日まで十分に引き受けてこなかった課題がある。その一つが、アジア・太平洋戦争に伴う同地域に拡がる日本軍「慰安婦」問題である。
1990年代以降、日本軍「慰安婦」問題をめぐる日本国内の論争の過程はいくつかの時期に区分されよう。近年、研究や運動のグローバルな展開、日韓両国政府の動きや歴史認識をめぐる対立の激化などに伴い、国内の議論はいっそう混迷を深め、この論争は新たな局面を迎えているといわれる。オーラル・ヒストリー研究に期待される役割も、それとともに変化し、歴史修正主義的な否認言説への応戦にとどまらない貢献が求められるようになっている。同時に、日本軍「慰安婦」問題を通じてオーラル・ヒストリー研究やその方法論もまた、批判的な検討が迫られている。
そもそも、本問題は韓国人元「慰安婦」の名乗り出(1991年)によって社会問題化され、その「証言」が争点の一つであった。そこでは、オーラル・ヒストリー研究は大きな役割が期待されていたにもかかわらず、本学会の主要課題として取りあげられることはなかった。
このような経緯で、私たちは本学会において日本軍「慰安婦」問題に正面から挑んでみることにした。本パネルでは、韓国、フィリピン、日本における多様な事例を、聞き取り、裁判資料、テクストを用いた広義のオーラル・ヒストリー実践を通して検討していく。この挑戦は、オーラル・ヒストリー研究の可能性を拓くとともに、日本軍「慰安婦」問題や戦時性暴力をめぐる研究のさらなる深化を可能とするだろう。

司会 平井和子(一橋大学)
趣旨説明 日本軍「慰安婦」問題とオーラル・ヒストリー研究の/への挑戦
山本めゆ(日本学術振興会特別研究員(津田塾大学))
第一報告 韓国の「慰安婦」聞き取り作業の歴史ー「証言集」を中心に
山下英愛(文教大学)
第二報告 フィリピン・セブにおける日本軍性暴力―BC級裁判資料を中心に
岡田泰平(静岡大学)
第三報告 日本人「慰安婦」被害者のテクストを読む
ー城田すず子さんの資料に注目して
木下直子(日本学術振興会特別研究員(大阪大学))
コメント一 佐藤文香(一橋大学)
コメント二 成田龍一(日本女子大学)

シンポジウム「歴史と記憶とオーラル・ヒストリー」の開催

 3月19日(土)、慶應義塾大学にて、シンポジウム「歴史と記憶とオーラル・ヒストリー」が開催されます。
多くの方々のご参加をお待ちしております。是非奮ってご参加ください。
                                     

         JOHA2016-17年度共通課題「歴史研究にとってのオーラル・ヒストリーⅠ」
             シンポジウム「歴史と記憶とオーラル・ヒストリー」

[趣旨]
 歴史研究、特に近・現代史においては、オーラル・ヒストリーや聞き取り、インタビューの方法は、通常よく使用されてきている。生存者の戦争の記憶が薄れてくる戦後70年を超えた今日において、歴史社会学や社会史、経済史、移民史、学校史など多くの歴史研究にとって当事者の語り、家族や子供たちの記憶、また、モノの収集や遺跡、遺物の保存・収集などは、オーラル・ヒストリーとどのように関係していくのであろうか?また、研究者の「位置取り」や資料作成過程におけるインタビューアーの介在などをどのように考えたらよいのであろうか?今回の報告者・コメンテーターらは、満州移民や経済史、中国残留孤児たちの生き方、農民運動史や生活史、学徒動員や大学と戦争の歴史、自分史とライフストーリーなどを研究してきたが、戦後日本社会における歴史と記憶とオーラル・ヒス トリーについて総合的に考察していきたい。多くの皆様のご来場を期待します。

日時:2016年3月19日(土) 13:30~17:30
場所:慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール

司会:有末 賢(慶應義塾大学法学部教授)
報告者:
(1) 蘭 信三(上智大学教授)
   「ライフストーリーによる社会学的歴史研究の可能性」
(2) 大門 正克(横浜国立大学教授)
   「オーラル・ヒストリーによる歴史学的歴史研究の可能性」
(3) 都倉 武之(慶應義塾福澤研究センター准教授)
   「『戦争と慶應義塾』をめぐるオーラル・ヒストリー――記憶とモノを如何に繋ぐか――」

コメンテーター:
(1) 柳沢 遊(慶應義塾大学経済学部教授)
(2) 小林 多寿子(一橋大学教授)

懇親会:17:30~19:30
    南校舎 4階 カフェテリアB(予定)

[主催] 慶應義塾福澤研究センター・日本オーラル・ヒストリー学会・三田社会学会
*詳細はこちらの案内をご覧ください→JOHAシンポジウム2016.3.19

JOHA14(第14回学会大会) 自由報告エントリー募集

リンク

JOHA第14回大会の自由報告の報告者(英語報告部会を含む)を募集します。

 報告を希望する会員は、氏名・所属(あるいは職業)・住所・電話番号等・報告種別(個人・共同)・報告タイトル(日本語および英語)、報告要旨(300字、日本語)、情報機器利用の有無を添えて、以下の手続きでお申し込みください。
 申込は電子メールにファイルを添付して、または郵送でお願いします。
 申込資格は、申込時点でJOHAの会員であること、および2016年度会費納入済みであることです。
 締切りは5月13日(金)(必着)です。

◆第14回日本オーラル・ヒストリー学会大会
日時:2016年9月3日(土)~4日(日)
   3日(土)午後:自由報告・大会校企画シンポジウム・懇親会
   4日(日)午前:自由報告、午後:総会・シンポジウム
自由報告部会:3日(土)13:00~15:00、4日(日)9:00~12:00(両日とも予定)
会場:一橋大学国立キャンパス(JR中央線国立駅)
   〒175-0083 東京都国立市2-1
問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局(下記参照)

◆自由報告申し込み手続き
1.申込用紙をダウンロードして必要事項を記入し、メール添付で、必ず
JOHA事務局・佐々木てる(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)と
研究活動委員会委員長・蘭 信三(araragi[at]sophia.ac.jp)の両方宛にお送りください。
折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメールは[at]の部分は@を入力ください。

2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。
〒030-0943 青森県幸畑2丁目3-1
青森大学 佐々木てる研究室
日本オーラル・ヒストリー学会事務局
FAX 017-738-0143
メールアドレス joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp

◆申込用紙はこちら→JOHA14entry

JOHA13大会2日目午前のプログラムの一部変更について‏

第4分科会(自由研究発表)は3階302会場で9:30~12:00(司会:有末賢・荒沢千賀子)に行いますが、次のようにプログラムが変更されます。開始時刻は変わりません。大会参加予定の皆様はご注意ください。

4-1. 戦後70年にあたって~様々な戦争体験から
 嶋田典人(香川県立文書館)
4-2.戦争経験をめぐる語り―インド・ナガランド州の事例をとおして
 渡部春奈(一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程)
4-3.平和案内人の活動実践と原爆記憶の継承
 深谷 直弘(法政大学)
4-4.認識の真実:オーラル・ヒストリーの戯曲化
 加瀬豊司(四国学院大学名誉教授, 博士)