Newsletter 1

JOHA ニュースレター No. 1 日本オーラル・ヒストリー学会 2003年12月15日 発行
第1回設立大会/オーラル・ヒストリー研究交流フォーラム
2003年9月23日
中央大学後楽園キャンパスにて開催
オーラル・ヒストリーの可能性に期待を込めて120余人が参加!
I.第一回設立大会報告
1)第1回設立大会記念講演
JOHA第一回設立大会には二人の記念講演者を迎えた。2000年度米国オーラル・ヒストリー学会(OHA)会長でワシントン州立大学バンクーバー校准教授のローリー・マーシエ氏とペンシルバニア州立大学ヨーロッパ研究部長のジャクリン・ギア=ヴィスコヴァトフ氏である。
マーシエ氏は「歴史叙述にオーラル・ヒストリーを用いる際のさまざまなアプローチについて」と題した講演の中で、アメリカにおけるオーラル・ヒストリーの発展を概観し、歴史叙述に「声を与えた」オーラル・ヒストリーの持つ優位性とその課題を具体例を挙げて解説した。オーラル・ヒストリーの口述性に忠実でありつつ、それを再構成して読者に提供するという前提をふまえて、氏自身の研究や著作に用いられたオーラル・ヒストリーの事例をOHPを用いて発表された。
また最近の口述史資料を聞き手に音声として提供しようとする、あるいは音声と映像をそのままウエッブ上で公開する、といったアメリカでの新たな動きについても紹介があった。
マーシエ氏がオーラル・ヒストリーの発展と現状そして課題を包括的に話されたのに対し、ギア=ヴィスコヴァトフ氏は「英国炭鉱ストライキにおけるオーラル・ヒストリー:ジェンダーと世代」と題して、オーラル・ヒストリーを用いた一つのケース・スタディーとして氏の研究論文の一部を朗読された。1984年から85年にかけての英国での炭鉱ストの際の炭鉱労働者の妻たちへの長期間にわたる聞き取り調査を基にした氏の歴史へのアプローチの情熱が参加者に伝わる発表だった。
それぞれの講演終了後、参加者との質疑応答が行われ、聞き手と話し手の考え方が根本的に異なる場合のインタビューの取り扱い方といった手法としてのオーラル・ヒストリーの問題点や、時間の経過とオーラル・ヒストリーの内容の変化の関係等について質疑が交わされた。
またマーシエ氏からは、2004年9月にオレゴン州ポートランド市で開催される次回のOHA全国大会への多くの日本のオーラル・ヒストリー実践者の参加を歓迎するというメッセージと共に、発表論文募集案内が配布された。
(吉田かよ子)
2)海外のオーラル・ヒストリー団体および研究者からのメッセージ紹介
今回の設立大会には海外のオーラル・ヒストリ―団体や研究者からも数多くのメッセージが寄せられた。
英国オーラル・ヒストリー協会(OHS)からは事務局長のロバートB.パークス博士から、書面で以下のような祝辞が寄せられた。
「日本オーラル・ヒストリー学会の皆様、英国オーラル・ヒストリー協会より日本でオーラル・ヒストリー実践活動をしておられる皆様にご挨拶申し上げるとともに、日本オーラル・ヒストリー学会の第一回設立大会の開催をお慶び申し上げます。
今、日本に全国規模のオーラル・ヒストリー組織を立ち上げるというのは、まさに時を得たことと思います。協働を促し専門的基準を向上させるという皆様の目標が達成されることを祈念いたします。
私たち二つの組織の間の相互交流が将来にわたって推進されることを期待するとともに、JOHAが国際的なオーラル・ヒストリー運動に大きな役割を果たされることを希望します。
英国オーラル・ヒストリー協会事務局長ロバートB.パークス
またアートA.ハンセン当年度米国オーラル・ヒストリー学会/協会(OHA)会長からも長文の祝辞が寄せられた。紙面の関係でその一部をここに紹介する。
「…..過去10年ほどの間に、次第に多くの日本人オーラル・ヒストリー研究者が、OHAの年次大会に参加したり、学会誌『オーラル・ヒストリー・レビュー』(カリフォルニア大学出版)に投稿するようになったことは、私にとってもOHAにとっても、大変喜ばしいことです。それだけに、日本において日本オーラル・ヒストリー学会設立の動きがあると知った時は、興奮しました。歴史やその関連分野の研究がすすんでいる日本でそのような学術団体ができれば、特に国際オーラル・ヒストリー学会などを通して、その分野での議論を深めることができるでしょう。(中略) OHAを代表して、またオーラル・ヒストリーによる日系人研究を主たる専門としてきた一研究者として、このメッセージがJOHA設立を大きく支援するものとして受け取っていただけることを願います。
米国オーラル・ヒストリー学会/協会(OHA)会長 アートA.ハンセン(博士)」
ハンセン氏の祝辞の中にもある国際オーラル・ヒストリー学会(IOHA)からは、ジャニス・ウイルトン現会長が当日JOHA設立フォーラムに出席された。ウイルトン氏は会場で、JOHA設立に対する期待を熱意を込めて語られ、研究実践交流会議の席では2006年にオーストラリアで開催される IOHAへの日本人研究者の多数の参加を希望する旨を強調された。その際、学会使用言語として日本語を用いる分科会の設置を検討したいという趣旨の発言もあり、日本人研究者の参加に大きな期待を寄せておられることを実感した。
また台湾オーラル・ヒストリー界の重鎮呂芳上氏もフォーラムに参加され、祝辞をいただいた。その他、JOHA設立準備委員から口頭でオランダ、シンガポールの研究者からのJOHAへの祝辞が披露された。
(吉田かよ子)
  3)設立趣意書
「日本オーラル・ヒストリー学会」(Japan Oral History Association)は、口述史資料を扱う日本の研究者だけでなく、ジャーナリストをはじめ口述記録を収集してきたさまざまな分野の実践者が、国内外へ情報を発信し、ジャンルを超えて相互交流し、方法論を研鑚して理論研究もできる場として、設立することになりました。
口述の歴史や語りを記録・保管し、後世に残すことの重要性は、20世紀後半から急速に増し、その技術も飛躍的に発展しました。インタビューなどの手法で口述史資料の収集を行い、それを活用している人は、今では研究者、ジャーナリスト、その他の分野の人々を含めて、日本内外で数え切れないほど存在します。
わが国では聞き書き、生活史、口述史などの名称で古くから用いられた手法から、近年広まりつつあるオーラル・ヒストリー、ライフ・ヒストリー、ライフ・ストーリーなどの手法を含めると、口述による記録は太古の昔から現在まで重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。けれども、それを行ってきた人々は、職種や専門分野、目的が多岐に渡っているため、相互の交流や情報交換が難しかったといえます。また、その質や手法の多様性のために、口述によって集められた情報や記録は、文字の記録を重視する人々から、その価値をあまり認められてきませんでした。
その間、欧米をはじめとする海外ではオーラル・ヒストリーが飛躍的に発展し、その価値が広く認知されるに至りました。研究者、専門家が手法や利用方法を研鑚するとともに、大学、博物館、図書館では数多くのオーラル・ヒストリー・プロジェクトが実施され、アーカイヴ(インタビュー・コレクション)を備えるのがごく普通になり、人々に広く利用されています。
オーラル・ヒストリーが広く認知されている国々では、実践者による全国規模の組織が立ち上げられ、国際的にはInternational Oral History Association (IOHA)が結成され、活発な研究交流活動が行われています。アジアでは、シンガポール・インド・台湾などにおいて、オーラル・ヒストリーは学術分野として広く認知されています。
近年になり、ようやく日本の各地でオーラル・ヒストリーやライフ・ヒストリーの実践者や研究者が組織を作りはじめるに至りました。しかしさまざまな理由から、それらの組織が日本各地で活動する研究者、専門家から一般の人々までを視野に入れた全国的な交流組織に発展するのは、難しかった現状があります。しかし、私たちオーラル・ヒストリー実践者は、それぞれの専門分野以外の実践者と交流する機会を求めていましたし、ジャンルを超えた全国的なネットワーク・組織の設立を望んでいました。
私たち日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)は多様なメディアの使用も考慮しながら、インタビューや音声史資料のよりよい保存、収集、利用方法を研究し、方法論を研鑚し、実践を行う人々のために各分野の相互交流を行い、口述史資料への理解が深まる場となるよう、努力していきたいと思います。
JOHA設立準備委員会
石崎昇子 折井美耶子 酒井順子
桜井厚 佐渡アン 中尾知代
平井和子 水谷尚子 山本恵里子
吉田かよ子 (あいうえお順)
4)分科会報告
(1)第1分科会「地域・生活・ジェンダー」
第一分科会のコンセプトは、社会学でのオーラル・ヒストリーや歴史学での聞き取り、ジャーナリズムの聞き書きやインタビューの方法論をつきあわせて、オーラル・ヒストリーが従来の社会調査や歴史像にどのような転換を迫っているかを検証し、オーラル・ヒストリーの方法論を模索することであった。
報告とテーマは、千葉大学教授桜井厚氏「ライフストーリーとジェンダー」、女性史研究者折井美耶子氏「地域女性史と聞き書きー東京地方を中心に」、ジャーナリスト・日本聞書学会運営委員の和多田進氏「ジャーナリズムと聞き書き」である。
社会学の桜井厚氏は、モデル・ストーリーとして「嫁ぬすみの」に関する男/女のナラティブ分析から、ジェンダーは、性、民族、人種、階層、地域などにまつわる言説と複雑に絡み合って構築されていることを示し、ジェンダーの視点からライフストーリーへの接近する試みは、ひとが女/男であることの経験を理解することを通して複雑な言説を解く必要があると強調した。
東京都下の地域女性史編さんにたずさわった折井美耶子氏は、地域に住む普通の女性の聞き取りの有効性として、隠されていた女性たちの生活を明かにする、庶民の生活を歴史の中に位置づける、話者が自分の人生を再確認するという3点を指摘し、女性史における叙述は、聞き取りと文字史料を併用すると報告。和多田進氏は、マスコミと違って権威や権力に”事実”をもって異議をとなえるのがジャーナリストの仕事であるという立場から、”事実”を伝える言葉の重要性を指摘し、事実を信用してもらうために”聞き書き言葉”の創造が必要であるとした。
質疑応答としてフロアから研究を目的とする聞き手と、調査の対象となる話者との関係性についての質問や意見が出された。研究者や院生である聞き手がどのようにしたら話者とのコラボレーションを形成できるのか、「語り」を論文として公表するあるいは商品化するさいの聞く側の倫理観について、また量的な収集をするか質的追求をするか等、報告者もふくめて各々の立場や経験からの意見が交換された。
異なる分野で行われているオーラル・ヒストリーの技法や方法論について、三氏の報告もフロアからの意見も、差異の方が浮かび上がった分科会であったが、その差異が相互の刺激になるところもあった。今後は、それぞれの分野でのオーラル・ヒストリーの技法の有効性に関する議論とともに、聞き手の倫理観や話者の著作権の問題、公表のさいの実名・仮名の問題、テープを使うか否か、また、それの保存の問題等が設立された日本オーラル・ヒストリー学会 (JOHA)のなかで具体的に議論されていく必要があろう。
当日、会場の準備が不十分で開始時刻が遅れたことなどあり、質疑応答の時間の確保やまとめが充分できなかったことをお詫びします。
(石崎昇子)
(2)第2分科会『戦争とその記憶」
「戦争とその記憶」にかかわるオーラル・ヒストリーは重要性が早くから意識されてきた分野だ。戦争の聴き取りはまた、国際関係に関わるナイーブな問題を孕むため、論争が多いわりには、実際に聴き取り体験や、方法、データベース化の課題について共有する場が意外と少ない。「戦争の記憶」はまた、加害・被害いずれかの「証言」や、表面的な右派・左派に分断されてきた。今回は、中尾・水谷ともに、その壁をとりはらい、広やかな交流の場つくりを心がけ、ゲストに「聴き取りと歴史」界の長老の荒井・伊藤両氏、自らも高齢ながら、英国植民地ビルマの日本占領下の聴き取りを行った根本氏、そして、岡山の民衆の戦争体験を、500名を目標にMD録音し公開データベース化の試みを行っているチームの代表、上羽氏の四名にお話を伺った。
荒井氏は、ベトナム戦争を期に勝者の視点から転換し、かつ地域の主体性が起こった70年代に、沖縄戦に関し、欠落していた住民の苦難の実相にオーラル・ヒストリーが実践された経緯と、77年に行われた被曝者生活史調査体験の面接調査を例に、「語られたとおりに引用することができる場合にのみ、証言に資料としての価値が生まれる」として面接要領を用いた方法と思想的準拠について詳述された。次に、公人(政治家・外交官など)の聴き取りの最長老たる伊藤氏は、「戦争」が一億総懺悔としてパラダイム転換するにあたり、語りが変貌する様相について具体例をあげつつ解説された。今回唯一の女性である根本氏は、70才代になってから、これまで日英の歴史や体験史の影にうずもれてきたビルマ人(南方留学生、タイメン鉄道労務者、女性市長、労働者を主題に書いた小説家、日本女性など)の聴き取りと歴史資料調査について報告された。続く上羽氏は、戦争関係者の聴き取りにあらわれる特化した問題点(公開の方法、録音内容の評価方法、対象の偏りの是正・同意の取り方など)について報告された。四名とも語り・語られる者の関係性を指摘された。語ることの拒否と語る者の傷にどう対応するか、善意の錯覚や強調の虚偽、自己弁護や共同体の圧力をどう考えるのかという問題。聴き手が相手に迎合する危険性と、逆に語り手がこちらに迎合し、話をデフォルメすることをどう回避するか。また仏教徒であるビルマ人が、控えめに聴き手への思いやりから発する言葉にどう寄り添えるか、心を開いていただくまでの苦労や工夫などなど。また、聴き取りの中で、個人の戦中体験が戦後日本人の上昇意識・価値観に影響を与える様相についての鋭い観察もあった。
伊藤氏は、聴き取りの魅力とともに、記録を選択・構成する畏れの必要を指摘、上羽氏は、聴き取りは人間理解の限りない宝庫である実感を、根本氏は聴き取りした相手にまとめた結果を返した時の交流について心を響く話をされた。質疑応答も充実し、時間の少なさは惜しまれた。参加者も多く、聴き取りをした3日後に亡くなられた例も語られ、いまや、日、いちにちと、喪われていく「戦争体験」の記録・整理・実証について、緊急の求めと豊かな蓄積があることがひしひしと感じられる分科会であった。
(中尾知代)
(3)第3分科会「移民とエスニックストーリー」
移民する人々のアイデンティティーの変化を浮き彫りにし、統計や公式文書に現れない移民への動機や移民後の暮らしの実際などをあきらかにできるオーラル・ヒストリーの手法は、移民研究への重要なアプローチである。第3分科会では特に、南米とハワイにおける日系人移民の研究例と合衆国における日系アメリカ人オーラル・ヒストリー・プロジェクトの報告があった。
高木(北山)眞理子氏は、1980年代半ばにハワイ大学社会学部に留学し、日系2世にインタビューを行った。帰国後、アメリカ人としてハワイに生きている彼らの想いを伝えたく、さらに日系3世と4世にインタビューを行い、『日系アメリカ人の日本観:多文化社会ハワイから』(淡交社、 1992)を出版された。高木氏は、この経験を振り返って、インタビューの質問を徐々に発展させたこと、インタビューを書き起こさず、ノートをとるにとどめたこと、ゾルバーグ(Zalburg)の研究に出会い、資料を書き起こして保存する重要性を認識されたこと、また今後の重要な問題として、同意書を取ること、資料の保管方法を日本でも確立することの重要性を訴えられた。
金本伊津子氏は、日系ブラジル移民を例にあげ、日系移民自身の言葉が公式の歴史として残りにくいこと、また移民の間でも老人、女性、子供の声が残りにくいこと、また地域差があることを指摘された。現在は「老いの語り」をテーマに南北アメリカを5万キロにわたるフィールドワークをされている。オレゴン大学博士課程においてオーラル・ヒストリーの訓練を受けられた金本氏は、アメリカでは人間を対象に研究する場合、研究計画書を研究機関に提出することにより、倫理的な問題等に関する配慮を十分に行っていることを紹介された。そういったアメリカ方式をブラジルの日系人社会での研究に適用するときには文化の問題を考える必要が出てきたことも指摘された。
山本恵里子氏は、日系アメリカ人へのオーラル・ヒストリー研究をされてきたが、今回は、自ら関わっておられる全米日系博物館のプロジェクトを含めて、ハワイと西海岸で行われている日系アメリカ人のオーラル・ヒストリー・プロジェクトのうち7例を挙げ、それらの内容・公開方法などの実態を報告をされた。これらのアーカイヴでは集めたインタビューの数が充実しているだけでなく、インタビューは書き起こしをされ、インデックス化された上、手続きを踏んだ研究者が資料を利用できるようになっている。インターネット上での公開されているものもある。日本でのオーラル・ヒストリー研究の将来に示唆するものも多い。
会場からは、インタビューを歴史史料として使うためには公開する必要があり、そのときに生じる問題、同意書の取り方、調査にあたってのジェンダーや年齢、肩書きなどによって生じるバイヤスについて、雪だるま方式のサンプリング上の問題点などが質問として出た。
なお、手違いでプロジェクターが時間までに準備できず、ご報告者の高木氏と参加者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
(酒井順子)
5)研究実践交流会議
日本では、既に様々な組織やグループが既にオーラル・ヒストリーの研究や実践に取り組んでおられます。そうした研究者の方々と、海外のオーラル・ヒストリー研究者の方々が集うことができました。この会議では、国内外のオーラル・ヒストリー研究団体に関わる方々がその動向と活動について報告してくださいました。
報告してくださった方は以下の通りです。(当日の発言順)
* 国際オーラル・ヒストリー学会(IOHA)とオーストラリアのオーラル・ヒストリージャニス・ウィルトン氏
* アメリカ・オーラル・ヒストリー学会(OHA)       ローリー・マーシエ氏
* ヨーロッパのオーラル・ヒストリージャクリン・ギア=ヴィスコヴァトフ氏
* 台湾のオーラル・ヒストリー 呂 芳上氏
* シンガポールとマレーシアのオーラル・ヒストリー         中尾知代氏               
* オーラルヒストリーの会  蘭 信三氏
* 東京外語大学史資料ハブ地域文化研究拠点オーラルヒストリー・アーカイヴ班 倉石一郎氏
* ライフストーリー研究会  桜井 厚氏
* 生活史研究会       有末 賢氏
* オーラル・ヒストリー総合研究会 折井美耶子氏
* 政策研究大学院 オーラルヒストリー・プロジェクト        水谷尚子氏
* 東京大学先端研オーラルヒストリー・プロジェクト        清水唯一朗氏   
当日は時間不足で、十分な議論の時間をとることができず、また会場からのご意見をうかがうことができなかったことをお詫びいたします。今後ともJOHAをご支援くださいますようお願いいたします。
6)次期大会開催に向けて
オーラル・ヒストリー交流の場を広げよう!
JOHAは2003年9月の第1回大会で産声をあげました。本会の目標の一つは、オーラル・インタビューを用いて様々な分野で活動されている方々に、専門分野やトピックの垣根を越え、幅広い交流と情報交換していただける場を提供することです。ですから大会は、JOHAにとって重要な活動であり、是非とも毎年活気にあふれた年次大会を開催していきたいものです。 <第2回JOHA大会開催は2004年9月に予定>
来年度の大会については、2004年9月中旬に関東地区での開催を予定しています。詳細は未定ですが、会員の方々に積極的に参加していただけるような大会にするため、これから企画を立てていきます。発表者募集などのご案内もする予定です。 第1回を上回るよう、皆様のご参加とご協力をお願いいたします。 <IOHAローマ大会>
国際オーラル・ヒストリー学会(International Oral History Association)は、オーラル・ヒストリー研究者のための世界的組織です。隔年に開催される大会は、まさに国際的な交流の場です。現会長のジャニス・ウイルトン博士がJOHAの第1回大会でお話しくださったように、IOHAは日本からも参加するよう望んでいるとのことです。2004年6月23‐26日にローマにて大会が開催されます。大会発表のプロポーザル締め切りは過ぎてしまいましたが、参加のみであればまだ可能と思われます。詳細がわかりましたらお知らせします。IOHAローマ大会に関する直接のご質問は、info@opha2004.it まで。(英語で大丈夫でしょう。)なお、 IOHAのホームページ http://www.ioha.fgv.br もご覧下さい。 <OHA大会はボートランド市にて>米国オーラル・ヒストリー学会(Oral History Association)は、オレゴン州ポートランド市にて、2004年9月29日から10月3日にかけて大会を開催されます。テーマは “Telling Stories: Narratives of Our Own Times”(ストーリーを語ること: 現代のナラティヴ)。JOHA会員の方々にも是非参加してほしいとのことです。発表希望者(パネルまたは個人)は、プロポーザル・経歴・カバーシートなどを2004年1月15日までにMs. Madelyn Campbell, Oral History Association, Dickinson College, P.O. Box 1773, Carlisle, PA 17013 U.S.A. へ郵送するか、または(国番号1)717-245-1046へファックスでお送りください。詳細とカバーシートは、下記のOHAのホームページからダウンロードできます。 http://www.dickinson.edu/oha/org_cfp.html
(山本恵里子)
7)「事務局」便り
たいへんお待たせ致しました。オーラル・ヒストリー学会設立大会から2ヶ月余が経ち、やっと事務局体制が整いました。入会手続きや今後の運営がわからないなど、大会出席者からおしかりや苦情もいただきました。ここに謹んでお詫び申し上げます。 ☆今後の予定 11月3日に設立準備委員会を開き、当面の学会運営の基本方針を決めました。そこで、これまでの設立準備委員会の委員がそのまま事務局員となり、当面の活動を進めることになりました。会員募集からニュースレターの発行、インタビューなどの技法を磨くワークショップなどの企画を盛り込みながら、来年の第2回学会大会開催に向けて活動を進めていきます。いうまでもなく、こうした活動は事務局員だけではなく、多くの方の協力が必要です。会員の中から協力者を仰ぎたいと考えています。おおよその組織体制としては、年1回の総会(全会員)、また新たに活動の方針などを決めていく運営委員会を設置する予定です。運営委員会の方針の下で事務局が具体的な活動を行うことになります。運営委員は、会員の方のなかからお願いするつもりにしております。運営委員会の設置は、今のところ未定ですが、第2回大会前後になるだろうと思われます。当面の具体的な活動は、代表を中心に事務局員全員が一丸となって進めていくつもりですので、みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。 ☆組織体制代表:吉田かよ子(ホームページ管理)、事務局:桜井厚(事務局長)、佐渡アン(会計)、山本恵里子(大会企画)、石崎昇子(書記)中尾知代、水谷尚子、折井美耶子、酒井順子 ☆会員募集
設立大会では事務局体制が整わなかったため会員募集をおこないませんでしたが、このたび一応の組織体制ができましたので会員募集をはじめたいと思います。会員には、当学会発行のニュースレターを郵送し、またニュースレターに掲載できなかったワークショップやさまざまなオーラル・ヒストリー関連情報をEメールでお知らせします。会費は年会費2,000円で、来年度の総会(第2回大会)の議を経て、その後の会費を正式に決定いたします。変則的ですが、今年度頂く会費は第2回大会(2004年9月を予定)まで有効とします。なお、このニュースレターは、設立大会に参加し、連絡先をご記入頂いた方にお送りしています。次号からは会費納入者にのみお送り致しますので、ご了承ください。  
入会、その他に関しては、お気軽にお問い合わせください。(注:郵便には「桜井研究室日本オーラル・ヒストリー学会事務局」Emailでは、件名に「オーラル・ヒストリー学会事務局」と明記してください。) ☆会費振込先のご案内
* 口座番号 00150-6-353335
* 口座名称 日本オーラル・ヒストリー学会
* 日本オーラル・ヒストリー学会
* 事務局:千葉大学文学部
* 桜井研究室住所:263-8522千葉市稲毛区弥生町1-33
* Tel/Fax 043-290-2291
* Email:sakurai@L.chiba-u.ac.jp
* ホームページ http://joha.jp/ 
(編集後記:ようやく第1号を出すことができました。まもなく、2004年。皆様良いお年を。(折井 &酒井)