JOHAニュースレター第12号

【目次】
(1) 第6回大会の報告者募集
(2) 第6回大会シンポジウムについて
(3) 第4回ワークショップについて
(4) 事務局からのお知らせ

(1) 第6回大会の報告者募集

http://joha.jp/?eid=90

(2) 第6回大会シンポジウムについて

テーマ 「オーラル・ヒストリーと<和解>」

趣旨
 第4回大会の「戦争とオーラル・ヒストリー」、前回の「オーラリティとはなにか」においては、オーラル・ヒストリーの方法やそれを駆使した事例など紹介や研究姿勢などについては議論されてきたが、「オーラル・ヒストリーの先にあるものは何か?」という根源的な問いかけからシンポジウムを企画したことはなかった。
 今回は、われわれの研究実践そのものを内在的に問いかけるオーラル・ヒストリーの声、語り、対話、和解などについて、実践的に議論を展開してみたいと思う。
 「なぜ、語られるのか? なぜ、語られないのか?」「戦ったもの同士の対話は可能か?」「加害者側と被害者側の<和解>は可能か?」「当事者の立場はわかるのか?」「死者との<和解>は可能か?」「生き残った者の使命とは何か?」「<和解>と<あきらめ>はどう違うのか?」・・・・などなどさまざまな声を聞くこととわれわれの<生き方>との関係を問い直していきたい。
 具体的には、満州<移民>や中国「残留」日本人の聞き取りを続けている蘭信三氏には、日本政府、日本社会との<和解>や中国人「養父母」との「和解」について報告していただく予定である。グアテラマにおけるマヤ民族大量虐殺を調査されている狐崎知己氏には、特に「真相究明委員会」の活動と住民の<和解>についてご報告していただく。これらは、国家や民族の壁を「戦争」や「虐殺」や民族対立だけではなく、われわれは日常生活においても、差別、犯罪、虐待の現実を抱えている。このような問題を社会学の立場から研究実践している好井裕明氏に最後にご報告をお願いする予定である。差別と<和解>、言葉と権力、生き方と「対話」などについて考えていきたい。

報告者と司会・討論者
・司会:有末賢(慶應義塾大学:社会学)
・報告者:蘭信三氏(上智大学:社会学)、狐崎知己氏(専修大学:ラテンアメリカ研究)、好井裕明氏(筑波大学:社会学)
・討論者:清水透氏(慶應義塾大学:メキシコ史)
(場合によっては、さらにもう一人、討論者を加える予定)

(3) 第4回ワークショップについて

http://joha.jp/?eid=88
http://joha.jp/?eid=91

趣旨/概要
 近年、<戦争の記憶>という問題は、人文・社会科学の諸領域で活発に論じられてきた。そして、この議論と深く関連するかたちで、<戦争の記憶>を継承しようとする個人的、組織的な実践活動や、その可能性を考える研究の営みがなされている。しかしながら、戦後60年余、戦争体験者の高齢化をはじめ、<戦争の記憶>の継承には多くの課題が残されている。なかでも、若き「戦無派世代」にとってそれはより複雑な問題である。そもそも、現代を生きる若者にとって戦争とはどのような意味を持つのか、<戦争の記憶>を継承するとはいかなる営為なのか、それはどのような形で継承可能なのか、等々といった根本的な問題が横たわっている。こうした現代社会の状況に応え、本セッションでは上記の問題に関心を寄せる3名の会員による報告(各30分予定)、コメンテータによる小括をふまえ、フロアを交えてのディスカッションを行う。
 コーディネータの高山氏は、基調報告として、継続的に実施している長崎の「語り部」を対象としたオーラル・ヒストリー実践をとおし、原爆被災の生存者が「継承」という問題をどのように捉えているのかという論点を中心に、<戦争の記憶>を継承するという営為についての考察を、調査経験に基づき報告する。
 上原氏は、精神科クリニックにおけるソーシャルワーカーとして臨床に携わり、沖縄出身者であるという立場から、戦後の沖縄社会における精神障害者とカテゴライズされる人々の経験について、「トラウマ」、「語り手と聞き手の関係性」という関心に基づいた報告を行う。
 門野氏は、沖縄における反戦平和活動の担い手を対象とした調査経験に基づき、直接の戦争体験者ではない次世代の人々の語りをとりあげ、なぜ彼らは体験者による経験を「継承」しようとするのかという視点から考察を行い、「継承」という行為の可能性について報告する。
 東京在住の被爆者を対象としたライフストーリー研究、<戦争の記憶>に関する研究を専門とするコメンテータの八木氏は、上記3名の報告にたいして、小括的なコメントを行い、フロアを交えた議論へのスムーズな移行を図る。

(4) 事務局からのお知らせ

新規入会
(非掲載)

2007年度会費納入のお願い
 2007年度の会計年度は2007年7月1日から2008年6月30日までです。2007年度会費の支払いがお済みでない方は、早急に会費の納入をお願いいたします。なお、振り込み用紙には住所氏名、電話番号の他に電子メールアドレスを記入してください。学会誌第3号は、2007年度会費を支払い済みの方に送りしております。
 また、2006年度以前の会費を未納の方は、2007年度会費と併せてお振り込みくださいますようにお願いいたします。お振り込みが確認され次第、既刊の学会誌などをお送りいたします。なお、本学会では会則により、2年間会費未納の方は退会の扱いとなりますので、ご注意ください。学会運営は、みなさまの会費によって支えられています。今後の本学会の発展のためにもご協力くださいますようにお願いいたします。

〈会費〉
一般会員 5,000円
学生会員・その他 3,000円
〈振込先〉
口座名:日本オーラル・ヒストリー学会
口座番号:00150-6-35333