JOHAニュースレター第2号

【目次】

(1) 日本オーラル・ヒストリー学会第2回大会の案内および報告者の募集
1.日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)第2回大会実施要領
2.発表者募集のお知らせ
3.アート・ハンセン氏、初来日への期待

(2) オーラル・ヒストリー総合研究会の報告

(3) 追悼および著書紹介

(4) 入会手続きのお知らせ

(1) 日本オーラル・ヒストリー学会第2回大会の案内および報告者の募集

日本オーラル・ヒストリー学会第2回大会
2004年9月11日(土)~12日(日)
アート・ハンセン(2003年度米国オーラル・ヒストリー学会会長)を迎えて立教大学にて開催

 今年度の日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)全国大会は9月11~12日の両日、以下の要領で立教大学で開催される運びとなりました。今年はアメリカから2003年度米国オーラル・ヒストリー学会会長のアート・ハンセン氏を基調講演者に迎え、2日間の日程で開催されます。会員による共通論題での発表機会を多く設定する予定ですので、奮ってお申し込みください。
 2日目午後には、アメリカで急速に展開が進むウェッブ上での映像・音声によるオーラルヒストリー・アーカイブの構築に関してのワークショップの開催が予定されており、今後日本での本格的な取り組みが予想されるこの分野の諸課題について、議論が深まることが期待されます。

1.日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)第2回大会実施要領

日時 9月11日(土)午後1時~9月12日(日)午後5時
会場 立教大学池袋キャンパス
東京都豊島区西池袋3-34-1

大会プログラム
9月11日
13:00 開会
13:05 基調講演:アート・ハンセン前オーラル・ヒストリー学会(OHA)会長
14:45~17:00 分科会
18:00 懇親会
9月12日
10:00~11:50 研究実践交流会議+分科会(英語によるセッション有)
12:00 総会
13:30~17:00 オーラル・ヒストリー・ワークショップ
17:00 閉会

参加費
会員 2,000円/学生・院生1,000円
非会員 3、500円/学生・院生2,500円

2.発表者募集のお知らせ
・ 発表内容:専門分野は問わず、オーラル・ヒストリー(聞き取り、聞き書き、ライフストーリー等)の実践、研究成果の発表。
・ 発表時間:一人20分(共同発表も可)
・ 発表者申込資格:日本オーラル・ヒストリー学会の会員に限ります。まだ会員登録がお済みでない方は、申込時にかならず会員登録をしてください。
・ 申込要領:発表予定の方は、氏名・職業・発表題目および必要機材(OHP、VTR、資料提示機等)を明記の上、郵送にてJOHA事務局宛にお送りください。
・ 申込締切:2004年6月15日(火)必着
・ 発表要旨締切:2004年7月15日(木)までに発表要旨を横書きA4一枚にまとめて事務局宛にご郵送ください。そのまま大会当日の資料として印刷します。

3.アート・ハンセン氏、初来日への期待

「オーラル・ヒストリーの発展へ向けて」

 2003年度米国オーラル・ヒストリー学会(OHA)会長のアート・ハンセン氏を、JOHA第2回年次大会にお迎えできることとなりました。ハンセン氏は1970年代初頭から、特に日系アメリカ人強制収容に関するテーマを中心に、数多くのインタビューを手がけ、アメリカでのオーラル・ヒストリー普及に大きな貢献をされてきました。昨年のJOHA設立大会では、OHA会長としてあたたかい声援をくださいました。長年日系人研究に携わりながらも来日の機会がなかったので、夢が実現するのはとても嬉しい、と今回の依頼を快諾してくださいました。
 ハンセン氏は、カリフォルニア州立大学フラトン校で歴史学教授兼Center for Oral and Public Historyディレクターとして、多くのプロジェクトを実践・監修されただけでなく、教育カリキュラムの確立にも尽力されてきました。昨年はじまった全米日系人博物館の「日系レガシー・プロジェクト」では、ウェブ上公開するためのインタビューにも取り組まれています。
 JOHAの皆様へ次のようなコメントをいただきました。
   As a scholar who has spent a large part of the past thirty-two years researching and writing about Japanese American history and culture, aided by conducting tape-recorded interviews with Nikkei, I was thrilled beyond belief to have the Japan Oral History Association invite me to be its keynote speaker for the JOHA’s September 2004 conference in Tokyo. This event will mark my first time visiting Japan, a place that at this point I have merely read about in books, seen in movies, and heard about from family, friends, and colleagues. Since I do not speak, read, or write Japanese, I will definitely be “lost in translation” while in Japan. Still, I hope that in the speech I am to present and the workshop I am to lead at the second annual JOHA conference I can contribute in some modest way to the practice of oral history in Japan and the institutional development of the JOHA. (中略) I look forward to joining forces with the membership of the JOHA in September for a couple of days of spirited interaction that will stimulate our minds and assist us in the formulation of some flexible truths about practicing oral history in an international context.
 大会でのハンセン氏の講演、ワークショップをお楽しみに。(ハンセン氏と日系アメリカ研究に関心のある方はhttp://coph.fullerton.edu/about_jaohp_pg_2.htm をご覧ください。)
(山本恵里子)

(2) オーラル・ヒストリー総合研究会の報告

第五回例会
「イギリス・レスター地域の女性たち」
講師 エディンバラ大学 富田裕子さん

 オーラル・ヒストリー総合研究会では、第五回例会として4月10日、世田谷下北沢のらぷらすで「イギリス・レスター地域の女性たち」と題するエディンバラ大学の富田裕子さんの講演会を行った。
 昨年9月エディンバラ大学で、富田さんとヘレン・パーカーさんが企画運営した日本の女性史に関する国際学会(「Japanese Women : Emerging from Subservience, 1868-1945」今秋、イギリスで報告集を出版予定)が開かれたが、日本からの参加者は3日間の公式日程終了後いくつかの博物館などを見学した。なかでも「ピープルズ・ストーリー」という小さなミュージアムは、スライドを用いたオーラル・ヒストリーを集めており、実に興味深く見学した。
 今回の例会はイギリスから一時帰国した富田さんによる、イギリス・レスター地域におけるオーラル・ヒストリーのケーススタディについてのOHPをつかっての報告だった。レスター大学の中に2001年4月、国の宝くじの収益を基金として「東ミッドランド オーラル・ヒストリー アーカイブ」が設立され、8人のスタッフ、10数人のボランティアによって、レスタシァとラトランド地域における大規模な資料収集が始まったという。新しいプロジェクトのカタログの作成、このプロジェクトを一般の人にも知ってもらうためのさまざまなデ