JOHAニュースレター第13号

 日本オーラル・ヒストリー学会第6回大会が、2008年10月11日(土)、12日(日)の二日間にわたって、慶応義塾大学三田キャンパスにおいて開催されます。みなさま、お誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。

【目次】

(1) 第6回年次大会
1.大会プログラム
2.シンポジウム報告要旨
3.自由論題報告要旨
4.会場案内

(2) ワークショップ報告

(3) 理事会報告

(4) 事務局便り

(1) 日本オーラル・ヒストリー学会・第6回年次大会

1.大会プログラム
http://joha.jp/?eid=93

2.シンポジウム報告要旨
http://joha.jp/?eid=94

3.自由報告要旨
http://joha.jp/?eid=94

4.会場案内
 慶應義塾大学三田キャンパス・マップ
http://www.keio.ac.jp/ja/access/index.html

(2) 第4回ワークショップ報告

 去る7月5日(土)、同志社大学において「JOHA第4回ワークショップ」が開催されました。第1部実践講座では岸衛氏を迎え、被差別部落における聞き取りの経験を踏まえて、聞き取り・テープ起こし・論文化というライフストーリー研究の全過程を披露していただき、第2部テーマセッションでは、「<戦争の記憶>を継承するとはいかなる営為か」という共通課題に関し3名の会員によって自らの調査経験にもとづく報告が行われました。第1部、第2部ともに、素晴らしい報告と熱心な質疑・討議が5時間にわたって交わされました。首都圏以外での開催、若手会員への公募によるテーマセッションという試験的な試みにもかかわらず、参加者は60名を超えて大盛会でした。今後とも、このような試みがJOHAの定例活動として積み重ねられることを念じております。
 最後に、会場をお世話いただきました同志社大学鰺坂学先生には厚く御礼申し上げます。なお、会場情報で混線があり、会場に迷われた方がいらっしゃったようです。主催者として配慮が足りなかったことを深くお詫び申し上げます。(文責:蘭信三)

テーマセッションの報告(高山真)
1.テーマセッションの狙い
 近年、<戦争の記憶>という問題は、人文・社会科学の様々な領域で活発に論じられてきた。そして、この議論と深く関連するかたちで、戦争の記憶を継承しようとする個人的、組織的な実践活動や、その可能性を考える研究が営まれている。しかし、戦争体験者の高齢化という現実をはじめ、ポストコロニアルをめぐる議論等が進行中の現在、戦争の記憶の継承には議論すべき多くの問題が残されている。なかでも、直接の戦争体験をもたない若者たちにとってそれは重要課題といえる。職業、世代、性、国籍、あるいは党派性を越え、<いま―ここ>に生きるものとして、報告者・参加者がともに<戦争の記憶>を継承することの可能性について、等身大の立場から論じる場を設定することがセッションの狙いであった。

2.報告概要と主要な質疑
 当日、第一報告者である門野里栄子は、研究者という立場から自身も沖縄の平和活動に関与し、その活動の担い手へのインタビュー調査に基づき、「体験」、「当事者」をキーワードに「語られない経験を継承するとは」をテーマとした話題提供を行った。第二報告者である上原立人は、社会福祉士を務めるという立場から、具体的な臨床事例として一つのジェノグラムを紹介し、精神的・身体的外傷と嗜癖行動について検討する。さらに沖縄出身者という立場から、この問題を社会病理として捉えることで、沖縄戦における戦時暴力と、戦後の私宅監置、障害者の関係という分析の視角の可能性を紹介した。第三報告者である高山真は、長崎における原爆被災の生存者へのインタビュー調査を事例に、被爆者という主体性の構築、インタビューの場における語り手と聞き手の関係性の変化、継承の営みに携わる生存者による継承観の変化を中心として、原爆の記憶の継承という問題にたいする話題提供を行った。
 上記報告にたいして、コメンテイターの八木良広から「個々の報告者が抱く理想的な〈継承〉のイメージについて」、フロアから「加害/被害という枠組みに関する認識について」「語り手による語りと聞き手の自己認識に関して」等の質疑があり、個々の調査経験及び事例に基づく応答のやりとりがみられた。

3.テーマセッションを振り返っての感想
 若手が発案・運営を担うテーマセッションという学会初めての試みにおいて、コーディネイターという貴重な経験を御提供頂けましたこと、また、当日は猛暑のなか私たちが予想した以上に多くの方々がご来場くださったことに心から感謝を申し上げます。
 セッションの内容については、議論の場では十分に語り尽くされなかった問題が数多く残されているように思います。また、一つの目標であった「〈いま―ここ〉に生きる若者たちが等身大の立場から議論する」ことが、どの程度実現できたかという点に関して、コーディネイターとしての力量不足を痛感しております。しかし、セッションでの議論、あるいは懇親会場での語り合い等をとおし、議論の内容に関しては賛否両論あれ、多くの方々が今回のテーマセッション企画に高い関心を示して下さったと認識することができました。
 「若者たち」の自発的な運営による議論の場が、今後、より質的な発展をみることを願います。

(3) 理事会報告

第4回(2007年~2008年)理事会議事録
日時:2008年7月5日10:30~13:00
場所:同志社大学(新町キャンパス)臨光館
出席:蘭、有末、小林、川又、酒井、佐渡、塚田、吉田
委任状:野本(事務局長)、桜井、早川、舛谷、好井、清水
当日書記:酒井

第3回理事会議事録確認
 第3回理事会(2008年3月9日)の議事録が承認された。

議題
1.第6回大会の件
1) プログラム編成
 自由報告については、5月15日が締め切りであったが、6月20日まで締め切りを延長し、最終的に18人の申し込みがあった。これまで会員でなかった報告希望者は2007年度からの会員となった。会費は1名を除いて入金済み。プログラムが決定された。
2) 託児室の件
 当日の大会会場では、託児にふさわしい環境(くつを脱いで上履きで過ごせる場所の確保)が整わないので、託児について問い合わせがあった場合は、近くの品川プリンスホテルにある小学館経営の「だっこルーム」〈託児料2000円/h〉を紹介する。

2.学会誌第4号の件
 以下の事柄が舛谷編集委員長の報告書に基づいて話しあわれた。
1) 『日本オーラル・ヒストリー研究』4号編