【再募集】第1回日本オーラル・ヒストリー学会奨励賞の募集

4月1日~5月末まで奨励賞の推薦を募集いたしましたが、推薦数が少なかったため再募集いたします。

締め切り:2023年7月14日(金)

【対象となる論文】
『日本オーラル・ヒストリー研究』15号から18号に掲載されている論文17本よりお選びください。論文のリストを添付しましたので参考にしていただければ幸いです。自薦、他薦を問いません。多くの推薦をお待ちしています。

【対象となる著書】
2018年10月1日~2022年10月31日までに出版された本。ただし著者の最初の単著に限ります。

※あわせてお願い
学会員の方で、上記の期間に最初の単著を出版された方、是非事務局までご一報ください。奨励賞選考の参考にさせて頂きます。もちろん、知り合いの方の本の情報でも構いません。よろしくお願いいたします。
 
【推薦の手順】
下記のリンクから用紙をダウンロードしてください。

推薦用紙(word)

必要事項を記入の上、ワードもしくはPDFファイルをメールに添付して、事務局に送付いただければ大丈夫です。

ご質問などある場合は、事務局までご一報お願いいたします。
事務局メールアドレス
joha.secretariat@ml.rikkyo.ac.jp

JOHA 研究交流集会「沖縄戦をいかに書くか」のご案内【2023年3月11日開催】

 日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)研究活動委員会の主催による研究交流集会「沖縄戦をいかに書くか」を、2023年3月11日に那覇市にてハイブリッド形式で開催します。
 沖縄県では、1970年代の『沖縄県史』沖縄戦編発行以降、各市町村史、集落ごとの字誌編纂が活発に沖縄戦を記録してきました。こうした地域史の沖縄戦記録の蓄積が沖縄社会に根付いて継承されると同時に、沖縄戦研究の新たな地平を広げる役割も果たしてきました。しかし、近年課題が浮上しています。一度地域史を発刊した市町村では、その後の新事実や研究動向を踏まえて新たに編纂されることはほとんどありません。また現在進行する各市町村沖縄戦編発行が終わると刊行は終了予定です。そのため、今後の戦争体験の調査、記録、継承は、戦争体験者の減少とともに困難となることが考えられます。本交流会で、地域史の沖縄戦編の担当者、新たな視点から沖縄戦記録を考察する研究者をお招きし、新たな記録の可能性、残された記録の活用方法など具体的な事例を通して考えていきます。
 なお、2023 年11月にはJOHA沖縄大会が開かれます。そのシンポの一つのテーマが「占領をいかに記述するか」となっており、本交流会はその関連企画となっています。

■内容
・日時:2023年3月11日(土)午後1時半〜4時半
・名称:JOHA 研究活動交流会「沖縄戦をいかに書くか」
・対面会場:沖縄県立博物館・美術館、美術館講座室(那覇市おもろまち)
・オンライン:Zoomによるハイブリッド開催

■登壇者
《報告者》
・豊田純志さん(地域史、読谷村史)
・山城彰子さん(地域史、北中城村教育委員会生涯学習課文化振興係、『南城市の沖縄戦』『中城村の沖縄戦』 元事務局)
・須田佳実さん(一橋大学大学院博士後期課程、沖縄戦の聞き書き、沖縄戦体験記録運動の歴史研究)
《コメンテーター》
・北村毅さん(大阪大学准教授)

■申し込み方法
・オンライン申し込み
以下のURLからZOOMに事前登録をお願いします。
https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZUsduyhrjorE9MG5OJWAht13wAvOAmgjmKc

・会場参加 当日受付
コロナ拡大状況によっては参加者多数の場合、入場を制限する場合があります。また会場参加は資料の印刷代(500円未満の予定)のご負担をお願いします。沖縄県外からのご参加は席を確保いたします。2月28日午後5時までにメール jahananaomi@ymail.ne.jp までご連絡をお願いいたします。

日本オーラル・ヒストリー学会研究活動委員会 謝花直美 jahananaomi@ymail.ne.jp

『日本オーラル・ヒストリー研究』19号 原稿募集

『日本オーラル・ヒストリー研究』19号原稿募集,投稿規定と執筆要領

論文、研究ノート、聞き書き資料、書評、書籍紹介の原稿を募集いたします。投稿希望者は学会ホームページで公開されている最新版の投稿規定・執筆要領を参照の上、以下の編集委員会メールアドレスまで原稿をご送付ください。投稿に関するお問い合わせも下記アドレスまでお願いいたします。論文・研究ノート原稿は査読審査を経たのち、6月下旬ごろに掲載の可否が決定します。

○ 投稿論文・研究ノートの募集期間:2023219日(日)~34日(土) 

      その他の投稿原稿の募集期間:2023514日(日)〜527日(土)

※原稿の種類によって〆切が異なります。お間違えのないようお気をつけください。

※メールの送信ミスや誤配の可能性があるため、募集期間を設けています。余裕を持ってご送付いただきますようお願いいたします。

○ 問合せ・応募原稿送付先:joha.editors(at)gmail.com( (at) 部分を@に替えて送信してください。)

最新の18号に掲載されている執筆要項に、ミスがありました。申し訳ございません。最新版の投稿規定・執筆要領こちらになりますので、熟読のうえ原稿を作成するようにお願いたします。投稿規定・執筆要領に従っていない原稿は受理できません。

【大会2日目】国際シンポジウムのご案内(「東アジアにおけるオーラルヒストリー/口述史の展開と課題」)

【日時】9月11日(日)13:00〜17:00

【プログラム】
司会 李洪章(神戸学院大学)・清水美里(名桜大学)

第一報告 尹 澤林(韓国口述史研究所)「韓国口述史の軌跡と展望」

第二報告 許 雪姫(台湾中央研究院)「戦後台湾オーラル・ヒストリーの展開」

第三報告 蘭 信三(大和大学)「日本におけるオーラルヒストリーの展開と課題」

パネルディスカッション(報告者三名による)

総合討論

【参加登録】
〈オンライン参加の場合〉→ https://sumquick.webex.com/sumquick-jp/j.php?RGID=rb15c1a7b10634e3e977fb2fb1b58da47

〈対面参加の場合〉→https://forms.gle/2hkGUm2JVkyFrirq5

【注意事項】
・オンライン参加を希望される方は9月7日までに上記のリンクから事前登録が必要です。
・登録後、追って参加用URLが送付されます。
・Webexでのwebinar参加は慣れていない人が多いので9月8日に参加リハーサルを行います。チェックインできるかどうかご確認ください。その際には、Webexをご使用のPCに事前にダウンロードしておく必要があります。

・コロナ感染の状況次第で参加制限をする場合もあります。その際はご容赦ください。

主催:日本オーラル・ヒストリー学会 joha@ml.rikkyo.ac.jp
共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「東アジアのポストコロニアルを聞きとる」(研究代表・蘭 信三) kaken25245060@gmail.com

ロシア軍のウクライナ侵攻に対する声明

 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻した。その間徐々に反戦の声が大きくなってはいるものの、出口はみえないまま戦火は増加の一途をたどっている。

 われわれ日本オーラル・ヒストリー学会は、これまで市井の人の語りに耳を傾けてきた。アジア・太平洋戦争経験者、戦争被害者、原爆被爆者、植民地主義の被害者、原発事故の避難者などである。それら多くの人の語りは、われわれに紛争、戦争など、人が人と殺し合うことがいかに無益であるか、そしてその結果が何世代にもわたり、人生に影響を及ぼすかを明らかにしてきた。そしてまさに今、これらの声を歴史に埋もれさせることなく、新しい悲痛な語りを生み出さないための取り組みが必要とされている。

 われわれは国籍、民族、思想といった違いを問わず、この侵攻に反対するすべての人と協調、連帯し、ロシア軍に対し即時の停戦、そしてウクライナからの撤退を要求する。われわれは人々の発信し続けるつぶやきから叫びに至る多様な声に耳を傾け、多くの人、そしてすべての国家が連帯し、武力ではなく対話によって解決すること強く望む。

 なお、このような状況においても、ロシア国民、とりわけ在日ロシア人の人権を踏みにじる行為は厳に慎んでいかなければならない。


2022
311日 日本オーラル・ヒストリー学会理事会

JOHA19(第19回学会大会)報告エントリー募集

 2021年度のJOHA第19回大会の自由報告部会(個人報告/共同報告/テーマセッション)の報告者募集のご案内です。

 JOHA第19回大会は、9月4日・5日に青森公立大学で、現在のところ対面・オンライン併用のハイブリッド開催を予定しております。
 大会の詳細は、大会プログラムが確定する7月頃に決定次第、メーリングリストで会員のみなさまにお知らせするとともに、ウェブサイトに掲載します。
 ただし今後の新型コロナウィルス感染拡大の状況によっては、再調整の可能性があります。
 開催方法について検討していた関係で報告募集の開始が例年よりも遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。ふるってのご応募お待ちします。

◎第19回日本オーラル・ヒストリー学会大会
・日時:2021年9月4日(土)〜5日(日)
・会場:青森公立大学
 〒030-0196 青森市大字合子沢字山崎153番地4
・自由報告部会は9月4日(土)午後前半と5日(日)午前の見込み。ほかに総会・シンポジウム・研究実践交流会など。

◎自由報告(個人報告/共同報告/テーマセッション)報告者募集
〇個人報告および共同報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されます。
〇テーマセッションは、150分間(上限)の時間枠で設定できます。1人あたり報告時間は20分を目安とします。全体の時間配分・報告者人数・報告順・コメンテーターは、コーディネーターが調整してください。
・募集期間:2021年4月16日〜6月1日
・報告を希望する会員は申込用紙に各項目を記入のうえ、下記の応募要項に従ってお申し込みください。
・オンライン報告/現地報告の選択肢があります。お申し込み時に選んでください。詳しくは後日打ち合わせます。

【応募要項】
◆申し込み資格
申込時点でJOHAの会員であること、および2021年度会費納入済みであること。
(会費納入のご案内、振り込み用紙は4月中に郵送いたします)

◆申し込み手続き
1.申込用紙に記入し、メール添付で、必ず下記2アドレス両方宛にお送りください。
申込用紙(個人報告・共同報告テーマセッション
−JOHA事務局・矢吹康夫(joha.secretariat[at]ml.rikkyo.ac.jp)
−研究活動委員会委員長・橋本みゆき(5522825[at]rikkyo.ac.jp)
※迷惑メール防止のため[at]としております。実際のメール送信では[at]の部分は@を入力してください。
※折り返し、事務局より受付の返信をします。返信がない場合は、ご面倒でもお問い合わせください。

2.メールで連絡できない方は、申込用紙をJOHA事務局へ郵送してください。受領連絡が必要な場合は返信用ハガキを同封してください。
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
立教大学社会学部 矢吹康夫宛
日本オーラル・ヒストリー学会事務局

◆申込締め切り
6月1日(火)(必着)

◆問い合わせ先:日本オーラル・ヒストリー学会事務局
JOHA事務局・矢吹康夫 (joha.secretariat[at] ml.rikkyo.ac.jp)

オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」

JOHA オーラルヒストリー実践ワークショップ「現地と作品を結ぶ」
<<< 著者とともに『消されたマッコリ。』の舞台を歩く >>>

定員に達したため参加申込は締め切りました(2018.5.30)

ワークショップチラシ(PDF)

 伊地知紀子さんの『消されたマッコリ。──朝鮮・ 家醸造酒文化を今に受け継ぐ』の舞台となった大阪・多奈川地域を、著者と歩きながら、オーラルヒストリー作品化の方法を学び、参加者で話し合います。
同書は、マッコルリ(どぶろく)密造摘発の「多奈川事件」を取り上げながら、地域で差別と共生の歴史を生きてきた人びとの姿に迫る、温かな視点で書かれた魅力的な作品です。関心の発端や、地域のさまざまな方への聞き取り、地元で蓄積されてきた資料の活用など、作品ができるまでの過程の著者のお話は、調査研究・実践活動にすでに取り組んでいる/これから始めたい人にとって、きっと参考になるはずです。

【日時】2018年6月10日(日)13時集合
*昼食を済ませて集合、雨天決行。
【場所】大阪府泉南郡岬町多奈川地域。集合・解散は南海電鉄多奈川駅改札前
岬町観光交流課『岬町ガイドブック』 最終ページに地図があります。
*「新大阪」から約1時間半。特急サザンから「みさき公園」で乗り換えて3駅目=終点。
*駅周辺には当日利用可能な飲食店・コンビニ等はありません。

【講師】伊地知紀子さん 大阪市立大学教員、専攻は朝鮮地域研究・生活世界の社会学・文化人類学。
【参加費】JOHA会員500円(学生他も同額)、非会員1000円
【対象】オーラルヒストリーの作品化の方法や、本書のテーマに関心がある人20名程度
*参加申込み・問い合わせはJOHA研究活動委員会(連絡先は下記)まで。定員に達したら受付を終了します。

【内容】
①著者の案内で地域歩き(地域の方の話を含む)、②著者のお話、③全員で話し合い
*主な立ち寄りポイント:岬町文化センター、正教寺、「トンクルトンネ」(朝鮮人が多い集落)、戦時中に掘られたトンネル跡、労務者収容所跡等。
*大きい荷物は岬町文化センターに置くことができます。
*2㎞ほど歩くので(坂道あり)、歩きやすい服装・靴で来てください。

☆事前に『消されたマッコリ。』(2015年、社会評論社刊、本体価格1800円)を読んできてください。初版が残り僅少とのこと、早目の入手がおすすめです。

【主催】日本オーラルヒストリー学会(JOHA) JOHA研究活動委員会
(連絡先=コーディネータ・橋本みゆき johakenkatsu8[at]gmail.com [at]を@に替えてメールを送信してください)

JOHA15大会のご案内

各位

日本オーラル・ヒストリー学会第15回大会のご案内いたします。

*大会プログラムご入用の方は「JOHA 15thAnnualConference Program」をクリックしてください。
*大会ポスターはこちら(joha2017)です。ご所属の大学や団体等でご宣伝いただければ幸いです。
(今回のポスター作成者は、学会員の石川良子さんです。)

日本オーラル・ヒストリー学会 第15回大会
Japan Oral History Association 14th Annual Conference

開 催 日:2017年9月2日(土)、3日(日)
開催場所:近畿大学東大阪キャンパスA館、BLOSSOM CAFÉ
開催校所在地:近畿大学東大阪キャンパス 大阪府東大阪市小若江3-4-1
交通手段:近鉄大阪線・長瀬駅から徒歩約10分
近鉄奈良線・八戸ノ里駅から徒歩約20分、バス約6分
東大阪キャンパスの交通アクセス:
http://www.kindai.ac.jp/about-kindai/campus-guide/access_higashi-osaka.html

参 加 費:会員 1,000円(2日通し)、非会員 一般:2,000円(1日参加1,000円)、学生他:1,000円(1日参加500円)
懇親会費:一般 4,000円、学生他 2,000円

開催校理事:上田貴子
学会事務局:佐々木てる、研究活動委員会委員長:蘭信三、会計:中村英代
大会に関してご不明な点がございましたら、JOHA事務局までお問い合わせください。
*E-mail:joha.secretariat(at)ml.rikkyo.ac.jp、Fax:017-764-1570

 ◎ 自由報告者へのお願い
1) 自由報告は、報告20分・質疑応答10分(合計30分)で構成されています。
2) 配布資料の形式は自由です。会場では印刷できませんので、各自50部ほど印刷し、ご持参ください。
3) 各会場にパソコンを準備しておりますので、ご利用の場合、USBメモリ等にプレゼンテーションのデータをお持ちください(ご自身のPC等をご使用の場合、RGBケーブル接続のみでUSBなどの接続方式には対応しておりません。必要な方は変換アダプター等もご準備ください。念のため資料を保存したUSBメモリ等もご持参ください)。動作確認等は各分科会の開始前にお願いいたします。会場担当者にご相談ください。

◎ 参加者へのお知らせ
1) 会員・非会員ともに両日とも受付してください。参加にあたって事前申し込みは必要ありません。
2) 昼食は近畿大学周辺の食堂等をご利用いただくなど、各自でご用意ください。なお、夏期休暇中につき、学内の店舗は休業しております。近隣のコンビニまでは10分程度かかります。
3) なおロッカーおよびクロークはございません。荷物は各自で管理をお願いします。

 懇親会案内
9月2日(土)18:00~20:00
会場:近畿大学【未定】*決まり次第お知らせ致します。
参加費:4,000円、学生その他2,000円

 

大会プログラム

1日目 92日(土)
12:00       受付開始

13:00~15:00   自由報告A101教室)
【第一分科会】 (司会:石川良子・佐藤量)
1-1 アメリカの歴史的変遷におけるある「日系アメリカ人女性」の経験-ハワイ・日本・アメリカの移動経験から
松平けあき(上智大学)

1-2 炭鉱の閉山をめぐるもう一つのリアリティ-元炭鉱職員のライフヒストリーから
坂田勝彦(東日本国際大学)

1-3 「聴く」から「伝わる」への転換-ある南洋帰還者とのやり取りの軌跡から
三田 牧(神戸学院大学)

1-4 戦後ブラジル移住について-奄美大島出身の二人のコチア青年移民のライフヒストリーから
加藤里織(神奈川大学)

【第二分科会】  自由報告(司会:好井裕明・広谷鏡子)A102教室)
2-1 日本におけるACT UP-性感染HIV陽性者当事者と協力者はいかに協働して生存とパンデミックに対応してきたか
大島 岳(一橋大学)

2-2 聞き書き調査で読み解いた米国大統領選-1964年のTVCM“Daisy”を事例として                              片山 淳(東京経済大学)

2-3 テレビの社会派ドキュメンタリーはいかに制作されたか?―伊東英朗氏が手がけたシリーズ『X年後』(南海放送)を事例に
西村秀樹(近畿大学)・小黒 純(同志社大学)

2-4 戦時性暴力被害者証言の信頼性・重要性と、検証の方法論
井上愛美(韓国 国民大学)

15:30~17:30  研究交流実践会(大会開催校企画)A102教室)
世代をつなぐ聞き取り~オーラル・ヒストリーの可能性~

趣旨:ライフストーリー研究の手法で研究を進める高山真氏。聞き書きを残してくことそしてそれを使って歴史叙述を行おうとする森亜紀子氏。失われつつある生活を聞き取っておこうとする藤井弘章氏。それぞれ社会学、歴史学、民俗学の現場で聞き取り調査を行ってきた3人の研究者から聞き取り調査の現場で感じてきたことを語ってもらう。特に、今回は「世代」をキーワードにとりあげた。世代を意識することで、苦労したこと、新たな気づきなどを参加者と意見交換し、聞き取り経験を豊かにしていく方法について考えていきたい。

司会:上田貴子(近畿大学)

第一報告 ライフストーリー・インタビューの経験を作品化する
高山真(慶応義塾大学)

第二報告 ひとびとのなかに「歴史」を見る-沖縄に暮らす南洋群島引揚者への調査から-
森亜紀子(同志社大学)

第三報告 民俗学の聞き取り調査-民俗文化の記憶・体験を残すこころみ-藤井弘章(近畿大学

 18:0020:00  懇親会

 

2日目 93日(日)
9:00      受付開始

 9:30~12:00   自由報告A101教室)
【第三分科会】 (司会:塚田守・滝田祥子)
3-1 生き抜くための「多文化共生」-当事者支援者の経験から
伊吹 唯(上智大学)

3-2 ライフヒストリーにおける学校経験の位置-公立男女別学校出身者への調査から
徳安慧一(一橋大学)

3-3 はんなり世界の生活-京都北野上七軒花街の衣食住に関する聞き取りを中心に
中原逸郎(京都楓錦会)

3-4 農家を継ぐ女性たち-農家民宿経営をめぐる多世代ライフストーリー椙本歩美(国際教養大学)

 

【第四分科会】テーマセッション A102教室)
再び〈戦争の子ども〉を考える

趣旨:本セッションの目的は、甲南大学人間科学研究所が実施した〈戦争の子ども〉プロジェクト(第Ⅰ期2007~2008年、第Ⅱ期2009年、第Ⅲ期2010~2011年)をふりかえり、成果と課題を共有するとともに、今後の研究の展開にむけて議論を深めることにある。ドイツ語のKriegskindの翻訳である〈戦争の子ども〉は、ドイツ語としても新しく、ナチスが政権を掌握して以降、第二次世界大戦中集結までに子ども時代を過ごした(あるいはその期間中に生まれた)世代を指す言葉として、精神分析家のミヒャエル・エルマンが2003年にはじめて用いた造語である。エルマンを中心とするミュンヘンの「戦争の子ども時代プロジェクト」は、〈戦争の子ども〉の体験とそれがその後の人生に与えた影響を心理療法の観点から検証するなかで、他の世代よりも高くあらわれる〈戦争の子ども〉の人格障害と戦争体験の密接な関連を明らかにしてきた。
甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、ドイツの研究との比較をめざしてはじまった。一定の方法によって戦争体験を記録すること、記録された体験からそれらを理解するための理論を構築することがその課題とされた。そうした経緯から甲南大学の〈戦争の子ども〉プロジェクトは、当初はドイツの調査と同様の調査・分析の方法を翻訳によってそのまま採用したが、しだいに方法や視角にアレンジをくわえ独自の特徴をもつようになった。そのひとつが、心理学的アプローチと歴史学的アプローチの対比と相補性への言及であり、そのことがオーラル・ヒストリー研究の方法や特質にたいする問題提起をふくむこととなった。
プロジェクトの終了から5年半を経てふたたび議論の遡上にあげようとするのは、2016年度からはじまった「歴史研究にとってのオーラル・ヒストリー」というJOHA研究活動共通テーマについて、聞き取った戦争体験を歴史化し、その意味を多角的にとらえようとした心理学と歴史学の協働の実践から新たな知見を得ることができないかと考えたからである。
以上から、本セッションではまず、〈戦争の子ども〉プロジェクトを主導した森茂起が、本プロジェクトの成果をふまえて近年の研究成果を報告する。つぎに、歴史研究者の立場で同プロジェクトにかかわった人見佐知子がその経験を読み解く。くわえて、歴史学と社会学の専門家にそれぞれの立場で〈戦争の子ども〉プロジェクトを検証してもらい、可能性と課題を整理することをつうじて論点提示をおこなうこととしたい。

司会・趣旨説明 人見佐知子(岐阜大学)

第一報告 戦争体験の聞き取りにおけるトラウマ記憶の扱い――歴史学と心理学の協働の試み
森茂起(心理学・甲南大学)

第二報告 〈戦争の子ども〉からオーラル・ヒストリーを考える
人見佐知子(歴史学・岐阜大学)

コメント1 倉敷伸子(歴史学・四国学院大学)

コメント2 中村英代(社会学・日本大学)

12:05~13:00
総会(A館102教室)

 

13:30~16:30 シンポジウム(BLOSSOM CAFÉ 3F 多目的ホール)
戦争経験の継承とオーラルヒストリー――「体験の非共有性」はいかに乗り越えられるか

趣旨:本シンポジウムは、戦争経験の体験者や非体験者である平和ガイドなどによるその体験の継承の可能性と意味について論じる。このテーマは桜井厚ほか『過去を忘れない 語り継ぐ経験の社会学』(2008)などに代表されるように、JOHAにおいては繰り返し論じられてきた中心テーマのひとつだが、今回それを再び取り上げる意義は以下の3点にある。
(1)戦後70年が経って戦争体験者、被爆者、アウシュビツ収容所のサバイバーが亡くなりつつあり、社会の世代交代が進むなかで、戦争にかかわる歴史経験の継承はどのようになされうるのかが緊急な研究課題となっている。(2)そのような問題意識は同時に社会全般で広く共有されている課題でもある。この課題に長くかかわってきた本学会においてこの社会的課題を共有し、社会に広く発信することは学会の社会的役割だと思われる。
この社会問題化は、体験者の退出・不在だけでなく/そのことも相まってか、(3)歴史認識において新自由主義が影響力を増し、しかも領土問題や領土ナショナリズムが強まり、その状況下で日本社会(いや世界)の戦争観が静かに変化していることと密接に関係している。つまり、現在は「戦後」の幾つ目かの<歴史認識の節目>にあると思われる。
このようななか、当事者から直接聞き取ることが難しくなりつつある今こそ、戦争経験の継承とオーラルヒストリーの真骨頂が問われている。そこで、戦争体験の聞き取りや継承に卓越した研究実績のあるお三方に、現状の変化を意識しつつ、ご自分の研究実践を手がかりにしてこの課題の今日的問題性に立ち向かってもらう。なお、本シンポジウムは公開シンポジウムである。学会のみでなく広く市民の参加をえて議論を深めたい。

司会 蘭 信三(上智大学)

第一報告 「戦友会」の質的変容と世代交代―戦場体験の継承をめぐる葛藤と可能性
遠藤美幸(神田外国語大学)

第二報告 非被爆者にとっての〈原爆という経験〉―高校生が描く原爆の絵の取り組みから
小倉康嗣(立教大学)

第三報告 アウシュヴィッツにてホロコーストの生存者に出会うということ
田中雅一(京都大学)

コメンテータ 今野日出晴(岩手大学)